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    カテゴリ:国内 > 国防


    危機がきているのかな?

    1 朝一から閉店までφ ★ :2022/08/04(木) 18:11:15.93ID:YlqCPYwn9
    「日本は直ちに防衛費を3倍に」 元米国防副次官補
    「中国の最終的な狙いは太平洋支配」

    2022年8月4日 16:52

    岸田文雄政権が検討している防衛費の増額ペースでは到底、中国の脅威には対抗できない――。
    来日中のエルブリッジ・コルビー元米国防副次官補は4日、日本経済新聞とのインタビューでこう述べ、直ちに防衛費を現在の3倍程度に引き上げるべきだと提唱した。

    コルビー氏は戦略・戦力開発担当の副次官補としてトランプ政権が2018年に発表した「国家防衛戦略」の主筆を務め、退官後もワシントンで大きな発言力を保つ。24年に...

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0455L0U2A800C2000000/

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    変わらないもある

    空を飛ぶ鳥の目線を得て、戦争は大きく変容しました。18世紀の登場以来、戦場で使われ続ける気球の歴史を振り返りつつ、陸上自衛隊でいまなお運用される気球の役割について解説します。

    砲兵部隊を運用するのに必要なものは…?

    ロシアウクライナに侵攻して5か月目に入ろうとしています。各国によるウクライナ支援も、侵攻開始当初から内容が少しずつ変わってきており、最近ではアメリカからM777 105mm榴弾砲や高機動ロケットシステムHIMARS)が供与されて話題になっています。また7月15日ウクライナのレズニコフ国防相が「最初のMLRSが到着した」とSNSに投稿しました。MLRSとは、陸上自衛隊も装備している多連装ロケットシステムです。

    しかしいくら大砲やロケット弾発射機の数だけ揃っても、戦力にはなりません。

    砲兵は、砲弾を発射する大砲の位置から直接見えない目標を撃つ、間接照準射撃が基本です。何十kmも離れた目標が見えない位置から射撃して無誘導の砲弾を命中させるには、目標位置を標定するだけでは足りません。大砲から撃ちだされた砲弾は物理法則に忠実に従って飛翔するはずですが、実際の弾道は物理計算通りにはいかないのです。

    風向きや気温や、地球の自転も砲弾の弾道に影響を及ぼしますので、射撃の際にはこうした外的環境のデータを集め、物理学から地学、気象学まで動員して弾道の予測を素早く計算し、大砲の方向や角度、装薬(砲弾を撃ちだす火薬)量などをはじき出し照準に反映させなければなりません。こうした処理は迅速かつ正確に行う必要があります。

    1946(昭和21)年に開発された世界最初のコンピューター「ENIAC」は、アメリカ陸軍の弾道研究所で様々な条件での弾道を計算して、間接射撃照準の基礎となる射表を作成することを第一目的としていました。理系的能力と各種ツールを総動員しなければ砲兵は務まらないのです。最先端技術の集積のようですが、その中には時代遅れに見えるような気球も重要なツールとして登場します。

    いまなお続く気球の軍事利用 始まりはフランス革命のさなか

    気球の軍事利用の歴史は18世紀に始まります。

    人類が初めて空を飛んだのはフランスモンゴルフィエ兄弟が発明した熱気球で1783年のことですが、1794年にはもう気球の軍事利用が始まり、フランス革命戦争ではフランス陸軍が、オーストリア軍とのフリュリュスの戦いで偵察のためにガス気球を使用しました。当時はまだ電話がなかったので、人が乗ったゴンドラから偵察結果を記した紙を地上に落として報告したそうです。科学者は気球の有用性を高く評価した一方で、軍司令官はほとんどその効果を認めなかったと記録されています。

    固定翼機が発達した第2次世界大戦中にも、偵察や着弾観測、また敵航空機を妨害する阻塞(そさい)気球のために、各国の軍には気球部隊が存在しました。そして21世紀にはドローンが登場し、その役割を引き継いでいます。

    しかし現代でも、砲兵部隊では気球が使われています。気象観測用に気温、湿度、気圧、風向、風速などを自動的に測定するセンサーを備えたラジオゾンデを飛ばすためのものです。

    陸上自衛隊で砲を扱う特科部隊のなかには、気象観測をはじめ野外測量などを担う観測中隊が置かれており、こちらでは気象測定装置「JMMQ-M5」という機材を使っています。その構成はラジオゾンデのほか、受信用アンテナ、風向風速計、ゾンデ追跡処理装置などとなっています。ラジオゾンデの気球専用天幕もあります。システム一式はコンテナ状で、トラックに搭載して移動することが可能です。

    正確無比な天気予報 ただしとってもピンポイント

    ラジオゾンデは、気球に吊るされて1分間に300mから400mほどの速度で上昇しながら、上空の気温、湿度、気圧などを観測したデータを無線送信機で送信し、ゾンデ追跡装置のアンテナが正確に追尾指向して受信します。20分後に2基目のラジオゾンデを揚げ、2基のデータを合成して気象報を作成します。

    気球は約90分で上空30km程度に達すると、周囲の気圧が低いため膨張が限界に達して破裂し、ラジオゾンデはパラシュートで地上に降下します。ゆっくり降下しますので人や物を傷つけたりすることはほとんど無いそうですが、不審物扱いされないようラジオゾンデのケースには「本機を拾得された方は御連絡下さい。陸上自衛隊」などの文言が書かれています。もっとも、多くは上空の偏西風で流され太平洋に落下するようです。

    陸上自衛隊でもこのように定期的に気象観測を続けデータを蓄積させており、この作業は砲撃の精度を上げる重要なものです。

    砲兵とは、戦力化するには気象観測までやらなければならない、時間とお金が掛かる贅沢な兵科です。練度の高い砲兵は、そのぶん味方地上部隊からは「戦場の女神」と呼ばれて頼りにされています。さらに気象観測データを生かした陸自観測中隊の「天気予報」は地元密着の精緻さを誇り、現場ではメディアで流れる天気予報より頼りにされています。

    ウクライナでは高機動ロケットシステムHIMARS)の戦果が喧伝されています。GPSで誘導されるロケット弾は確かに高精度で、気球を上げるような手間は必要ありません。しかし現在供与されている12基と20日に発表された追加4基の計16基程度の供与数では、投射できる火力量はごく限られ、戦局全体に決定的な影響を与えるとは思えません。

    前線で戦うウクライナ地上部隊にとって「戦場の女神」は数の多い大砲であり、女神が力を発揮するのに必要なのは大砲の性能や大きさ、砲弾の数ばかりではありません。

    陸自にて、観測気球の浮揚準備中。左の隊員が持っているのがラジオゾンデ本体、右の隊員が持っているのが降下用のパラシュート(画像:月刊PANZER編集部撮影)。


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    どうなるのかな?

    次世代を担う陸上自衛隊の新型ヘリコプターUH-2の教育訓練が始まります。それに先立ち行われた訓練開始式を取材してきました。

    三重県明野にある陸上自衛隊航空科の総本山

    陸上自衛隊の次世代を担う新型ヘリコプター「UH-2」の訓練開始式が2022年7月13日(水)、三重県にある明野駐屯地で執り行われました。

    ここには陸上自衛隊における航空科職種の総本山といえる「陸上自衛隊航空学校」があり、パイロットや整備員を養成するだけでなく、装備する航空機の扱い方や新たな航空機の試験・研究などを行っています。

    そのため、UH-2の試作機(45151号機)についても先行して配備されており、このたび陸上自衛隊に引き渡されたUH-2量産初号機(45152号機)についても、明野駐屯地・航空学校が最初の配備先となった模様です。

    機体は、すでに先月30日、栃木県宇都宮市にあるSUBARU航空宇宙カンパニー宇都宮製作所において同社から陸上自衛隊に対して引き渡しされており、7月6日に明野駐屯地へ到着しています。

    UH-2は一見すると、既存のUH-1J多用途ヘリコプターとよく似ていますが、エンジンUH-1Jの1基から2基になったことで排気管が2本に増えているほか、機体上部のメインローター(回転翼)もUH-1Jでは2枚だったのが、4枚へと増加しているのが特徴です。

    また最も大きな変化は、一部の操縦が自動化された点にあります。

    UH-2ならパイロットの負担も軽減

    たとえばUH-1Jの場合、離着陸や水平飛行、ホバリングまですべて手動によるアナログ操縦でした。すなわち、パイロットは自身が握る操縦桿とメインローターの出力を調整するコレクティブレバー、そしてテイルローターの出力を調整するラダーペダルを常に動かして繊細に機体をコントロールしていたのです。

    それに対し、UH-2はこれら基本的な操縦を、コンピューターに制御させるか否か、任意で選択することができます。

    このメリットは、長距離飛行時にパイロットの負担を軽減して、周囲の監視を強化できること。そして、災害救助時により安定したホバリングをすることができ、迅速な人命救助に貢献できるという点です。特に、精神的な負担を強いる災害現場では、ある程度の操縦が自動化されることで、パイロットの集中力をより高い状態で維持させることができるようになると推察されます。

    これに伴い、従来までアナログ計器が並んでいた操縦席周りも一新され、大型のデジタルモニターが並ぶ、いわゆるグラスコクピットへと進化しています。

    ただ今回、試作機(45151号機)と量産初号機(45152号機)を見比べてみたところ、前者では装備していた機首部分のレーザー警戒装置のようなものがなくなるなど細かい部分で差異も見てとれました。

    UH-22019年度予算で6機、2021年度予算で20機の計26機分の調達が決まっています。この数は2019年度末現在のUH-1J保有数の124機には程遠い数ですが、たとえば師団飛行隊には通常5機のUH-1Jが配備されているため、すでに5個飛行隊分のUH-2を調達することが決まっているといえ、最終的にはUH-1Jの総調達数130機を上回る150機の導入を陸上自衛隊では計画しています。

    説明によると、UH-2コールサインは「ハヤブサ」になるそう。今後は全国の陸上自衛隊航空科部隊に配備される予定のため、導入が進めば現用のUH-1Jと同じように体験搭乗が可能になる日も、そう遠くはなさそうです。

    三重県にある陸上自衛隊航空学校に配備されたUH-2の量産初号機(武若雅哉撮影)。


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    報復攻撃を心配する。

    1 蚤の市 ★ :2022/06/29(水) 09:19:35.06
    「攻撃受ければ犠牲になるのは住民」 敵基地攻撃能力保有に市民から懸念の声 「話し合い解決する力を」

     ロシアによるウクライナ侵攻や中国の海洋進出などを背景に、日本の防衛力のあり方が、参院選の論点の一つになっている。政府与党は敵基地攻撃能力(反撃能力)保有の議論を加速し、相手国の「指揮統制機能等」が攻撃対象になる考え方も提示。ただ国内に置き換えれば、米軍・自衛隊の重要拠点が相手からの標的になる現実を、改めて浮かび上がらせたともいえる。首都圏の基地周辺住民は平和への思いを訴える。(林朋実、石原真樹)
    ◆「日米の軍事一体化」懸念する横田基地周辺の市民団体
     「横田基地の周りは市街地で、学校も病院もある。攻撃を受ければ犠牲になるのは住民だ」
     参院選公示を控えた6月中旬、米軍横田基地(東京都福生市など)の滑走路を見下ろす展望広場。市民団体「横田基地の撤去を求める西多摩の会」事務局長の寉田 一忠つるたかずたださん(77)は語気を強めた。横田基地には2012年から航空自衛隊の航空総隊司令部が入り、日米連携が進む。
     「横田は日米の軍事の一体化を象徴する基地になった」。寉田さんは日米協力の一方で、日本の「非戦の誓い」が置き去りにされていると感じる。これに加えて敵基地攻撃能力保有を宣言すれば「諸外国との緊張感が高まる。政府に本当に必要なのは、紛争を戦争にしないように、話し合いで解決する力なのに…」。

    ◆「日本一アメリカに近い商店街」でも「危険な訓練増えた」の声
     横田基地に面する福生市の国道16号沿いの商店街「福生ベースサイドストリート」。米国情緒に満ちた古着屋やアンティークショップが並び、「日本で一番アメリカに近い商店街」をうたう。基地の存在は街の特色だが、基地に厳しい視線を注ぐ人もいる。アパレル店店長の男性(30)は「敵基地攻撃能力保有は、やられたらやり返す発想。解決にはならない。平穏を守りたい」と語る。防衛費増にも「政府は米国からの武器購入にお金をたくさん使うより、もっと国内のことに使ってほしい」と訴える。
     基地周辺では、パラシュート降下訓練に伴う器具の落下や、米軍輸送機が住宅地の上を低空飛行し、急旋回することもある。18年に横田基地に配備され、市街地上空を飛ぶ米軍輸送機CV22オスプレイへの不安も強い。「基地機能強化で危険な訓練が増え、住民の生活を脅かしている。心配は、将来あるかもしれない『有事』だけではないんです」と寉田さんは話す。
     
    ◆横須賀では「自分たちの街が加害の側に」
     米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が母港とする神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地。その目の前に立つカトリック横須賀三笠教会の浜崎真実司祭(57)は「原子力空母が攻撃を受けたら、風向きによっては横須賀だけでなく首都圏、関東が放射能汚染によって機能不全に陥る危険性がある」と恐れる。
     横須賀には海上自衛隊の自衛艦隊司令部もあり、浜崎さんは標的になる懸念だけでなく、「自分たちの街が加害の側にさせられる」と指摘する。「自分も死にたくないし、人を*たくもない。敵基地攻撃能力なんてあってはいけない。平和への道筋を考えてほしい」と訴える。

    東京新聞 2022年6月29日 06時00分
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/186300

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    やり方次第?

     戦争は国柄を見せる。その国柄は国旗・国歌に象徴される。

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     ウクライナの国旗は青色(空を示す)の下に黄色(小麦の生産国を示す)で、平時には見えなかったアフリカ諸国の食糧庫であることが分かった。

     また、「われらが自由の土地を自らの手で治めるのだ。自由のために身も心も捧げよう」と国歌にあるように、犠牲をいとわず国民は一丸となって「自由」のために戦っている。

     戦争を仕掛けたロシアはソ連時代の国旗こそ変えたが国歌はそのままである。

    「力は正義」として領土拡張を図ったソ連を引き継ぎ、21世紀になってからもジョージアウクライナの一部を掠め取ってきた。

     それでも満足せず、遂にウクライナ全土を支配下に置こうとした。

     戦争で支配下に置いた地域からウクライナ住民をロシアに連れ去り、その数は子供24万人を含み120万人ともいわれる。

     ソ連時代に日本人60万人以上を違法に連れ去り強制労働させたことを思い出させる。

     日本はウクライナの戦いからいろいろな教訓を得ようとしている。

     最大の教訓は戦争を避けようと努力しても侵略を受けることがあり、憲法9条は非戦で平和を願う日本人の十分条件とはなり得ないということであろう。

     もう一つは、ウクライナはもっぱら受け身の立場を強いられ、大きな犠牲を払っていることである。

    ウクライナに見る「専守防衛」

     ウクライナは自由を渇望しながらも親露的であったことから侵略されるなどとは夢にも思っておらず、またロシアを刺激してはいけないという遠慮が働き、領域警備程度の戦力しか保有していなかった。

     ウクライナが本格的に軍事力の必要性を感じたのは2014年クリミア半島を強奪されて以降で、軍事力構築の努力は現ウォロディミル・ゼレンスキー大統領になった2019年からである。

     ロシアが親露勢力のいる東部だけでなく、南部のクリミア、そして北部ベラルーシの国境沿いに、演習と称して10万人超の軍隊を展開する状況を掴んだ米国は、今年に入るとウクライナ侵攻が近づいていると盛んに警告を発してきた。

     米国が伝えるロシア軍の動きからは、攻撃してくる可能性がほぼ100%と想定されながらも、ウクライナは決して先に動こうとはしなかった。

     ロシアが侵攻した2月24日からウクライナは反撃を始めたが、その反撃もロシアの攻撃行動を封じるだけで、それ以上のことをしたわけではなかった。

     すなわち、相手が攻撃するまでは手出しせず、攻撃を受けても最小限の反撃にとどめたわけである。

     また、保有する軍事力も国力の差からロシアに比して著しく制約されていた。

     これらの状況は日本の「専守防衛」を想起させる。

     ロシアの理不尽な侵攻を受けたウクライナは敢然と立ち上がり、自国のためだけでなく、「自由主義を守る戦い」をしているとして国際社会に向かって喧伝し支援を呼びかけた。

     その状況を見て国外に出ていたウクライナ人の若者たち約30万人が祖国防衛のために帰国した。また、自由を守る戦いに参じる義勇兵も50か国から参加しているとされる。

     しかし、ウクライナが保有していた兵器や弾薬は開戦間もなく消尽された。

     全体主義ロシアを勝たせるわけにはいかないし、ウクライナを敗けさせるわけにもいかないとして、G7をはじめ自由主義諸国は団結して支援することにした。

     自国の領土から一歩も出ることがなく、最小限の兵器で戦い続けるウクライナはまさしく「専守防衛」を強いられているということである。

     テレビの画面には映らない多くの犠牲者と惨状が存在することを忘れてはならない。

     ロシアは著しく劣勢に立った場合には(戦術)核兵器の使用も有りうると、侵攻直後から警告していることもあり、ウクライナに決定的な勝利を持たせるわけにいかない。

     露宇戦争は一進一退の様相を繰り返しながら、長期戦になると予測される。

     マリウポリの戦いで分かったように、現在焦点のセベロドネツクの趨勢もウクライナが握っているのではなく、米欧の支援に左右される。

     その間の戦闘でウクライナの国土は荒廃し、国民は多大の犠牲を強いられる。

    国民の犠牲と国土の荒廃をもたらす専守防衛

     相手から攻撃されるまではこちらが先に攻撃してはならない、反撃も相手の攻撃前進を止める程度である。

     こうした戦略守勢の状況は、日本の専守防衛と同様とは言わないが、かなり類似している。

     戦争をしたくない、するにしても相手を刺激しないために最小限の防衛力しか保有しないことが、いかに大きな犠牲を伴うことであるかが分かる。

     自由・民主義国家は人道・人権や法の支配を普遍的な価値とみなしており、普段から尊重し遵守しており、戦時においても戦争法規に則り行動する。

     しかし人権や法の支配をさほど尊重しない全体主義共産主義国家が戦時法規などを遵守するとは到底思えない。

     現に展開されているウクライナ戦争で、ロシアの戦争犯罪が日々報道され、全体で何千・何万件に上るか想像すらできない。

     ちなみに、開戦3か月を過ぎた5月28日WHO(世界保健機関)テドロス・アダノム事務局長が年次総会に提出した報告書では、医療関連施設へのロシアの攻撃だけでも200件以上となっていた。

     今でも学校や教会、マーケットや市民の退避場所などへの無慈悲な攻撃が報じられている。

     手を後ろに縛られ拷問して殺された市民の姿や、破壊された学校や教会などの惨状を嫌というほど見せつけられてきた。

     国内を戦場とすることは、こうした状況が至るところに出現するということである。

     6月21日には米国の司法長官がウクライナに乗り込み、検事総長と会談して戦争犯罪の立証に向けた証拠集めなどに協力することを約した。

     日本の基本政策は専守防衛であり、否応なしに領土が戦場となる。

     その被害をなるべく少なくするための敵基地攻撃能力さえ反対意見がある。

     用語を反撃能力と言い換えて容認され、ミサイルなどで相手の発射基地などを攻撃できるように提案されているが、主たる戦場はどこまでもわが国の領土内である。

    ウクライナと日本の違い

     ウクライナでは若者たちが外国から帰ってきて銃を持って立ち上がっているが、日本の場合、世論調査の結果を見る限り、戦うという人よりも戦わない、逃げるといった回答が多いのはいつも言われるとおりである。

    (現実に侵略を受けて戦争が始まったような場合、受けて立つ若者も多いと思われるが、現段階では考慮外である)

    「先手必勝」という言葉がある。「先んずれば人を制す」ともいう。碁盤の上だけでなく、戦いに明け暮れた古代中国での状況を『史記』に書き留めた言葉である。

     必ずしも結果が伴わないことはロシアを見ても然りであるが、後手に回った方の惨状はウクライナが示している。

     戦争においては平時に想定していないことがしばしば生起し、現場の指揮官が瞬時に判断して対応しなければならない。

     その判断基準が(戦時)国際法である。

     国際法では「やってはいけないこと」(ネガティブリスト)が明記されている。

     国家間の戦いであっても一般市民や学校・病院などの公共施設を攻撃してはならないというものである。

     ところが軍隊でない自衛隊は国内法で縛られている。自衛隊法に基づく命令は「やっていいこと」(ポジティブリスト)として示される。

     いかに専守防衛とはいえ、いったん戦争になれば、敵はあの手この手でやって来る。

     なるべく裏をかくわけで、当方の想定外が多いに違いないが、ポジリストの「やっていいこと」以外は対応できない。やれば指揮官の命令違反である。

     戦時ではなかったがカンボジアにPKOで派遣された部隊は「道路や橋梁の修復」という1つだけの任務を付して派遣された。

     しかし、現実には現地州知事の災害協力要請や負傷者の治療要請があり、部隊は対応能力を有していたが断らざるを得なかった。

     やるにしても、上級部隊や政府に意見具申し、結果が出たときには事態は終結し、派遣された隊員たちをして我々は何のために派遣されたのだと切歯扼腕させた。

     現地の要請ばかりでなく、派遣部隊の上級組織(陸幕や統幕など)や日本政府、さらには政治家・国連関係者の視察に伴う支援要請(輸送、給食、宿泊など)も次々に発生し、その都度命令が追加され、最終的には9任務に拡大した。

     ポジリストとして列挙された任務がいかに机上の空論で、現場を制約しているかを如実に示した例である。

     PKOでは要請された状況に即応できなくても、指揮官や隊員が悔しがり、相手が失望するだけで済んだが、戦時では部隊の存続と隊員の命、いやもっと言えば勝敗と日本の運命が掛かっている。

     想定外にも迅速に対応できる態体制を構築していなければ、日本の安全を守り通すことはできない。

    国内法に縛られる自衛隊

     軍事評論家の柿谷勲夫氏は平成の早い段階から「わが国では有事の法制が整備されていないので部隊の行動に大きな制約を受ける」と述べ、具体的に下記のような例示をしていた。

    「道路や橋は損傷していても『道路法』上、自衛隊自ら補修できない」

    「国有地の海岸に陣地を構築する場合は『海岸法』、敵の攻撃から守るための応急的な建築物を作る場合は『建築基準法』、負傷者に治療を臨時に設定した場所で行うには『医療法』、戦死者を火葬・埋葬するには『墓地、埋葬等に関する法律』に従い『市長村長の許可』を受ける必要がある」

    (『ディフェンス』令和3年10月刊)。

     それから4年後に起きた阪神淡路大震災では災害派遣されていた自衛隊車両も警察の誘導下での行動を強いられ、一刻を争う現場への到着が遅れるなど、非常時対応の問題が発覚した。

     その後、自衛隊法の一部改正が行われたが東日本大震災(令和23年)においては犠牲になった遺体を見つけても自衛隊は主導的に対処できなかった。

     警察や消防の所掌となっているからである。多くの縛りや欠陥はその都度改正されてきたが、どこまでもポジリストであることに変わりはない。

     アフガン政変では日本人などの収容のために自衛隊機が派遣された。しかし、日本大使館などで働き協力したばかりに危険にさらされることになった現地人を運び出せなかった。

     ポジリストになかったからであり、その後改正され、外国人も輸送可能となった。

     柿谷氏が列挙したのはほんの一例でしかなかった。

     問題が発覚すると場当たり的にその部分が改正されただけで、国内法の縛りは依然として存在する。

     すなわち、仕掛けられた戦いで能力を存分に発揮できない縛りが多すぎる。

     日本では、現在許されなくても有事になれば、「憲法9条だって改正されるよ」といった意見も散見される。

     しかし、それが法治国家と言えるであろうか。それこそなし崩し的に何でもできるとなれば、歯止めが利かなくなること請け合いである。

     法治国家というからには、平時は言わずもがな、有事にもしっかり機能する法体系にしておくのがあるべき姿ではないだろうか。

     そもそも、日本が基本政策に掲げている「専守防衛」が、いかなる状況をもたらすかをウクライナにおける戦いが示している。

     必要以上に国土を荒廃させ、国民を犠牲にする思想を国家の基本政策とするところに問題がある。

     戦争はしたくない、しかし仕掛けられた戦争では国民の犠牲と国土の荒廃を最小限にする備えは保有するというのがあるべき姿ではないだろうか。

     その状況を筆者は数年前に「積極防衛」という用語を使って提案した。最近、自衛官として最高位にあった元自衛官らがこの用語を使い始めたことを歓迎している。

    おわりに:台湾有事への備え

     ウクライナで見る状況から、日本の専守防衛がいかに悲惨な状況をもたらすかを論じた。

     また、戦争においては想定外のことが頻繁に起き、ポジリスト自衛隊は十分に能力を発揮できないことにも言及した。

     台湾有事は日本有事と言われ続けている。台湾は自由・民主主義であり、日本のシーレーンの命運を握る地勢的位置にある。

     そうであるならば、支援がスムーズにいくような法体制でなければならない。

     日本有事のための法体系と同時に、台湾有事に備えた法整備もしておかなければならない必然性がここにある。

     ことは戦争であり、最適の対応ができないということは、苦境に陥り、ひいてはその戦いでは負けを意味する。

     国土を必要以上に荒廃させないこと、国民の犠牲を最小限にすること。この2つの目的達成のためには、防衛の前線に立って戦う自衛隊が、シビリアンコントロールの下で持てる能力を存分に発揮できる態体制と法体系を整備することが先決である。

     有事になって改正するのでは遅すぎる。自衛隊は法の範囲でしっかりした教育と訓練が必要だからである。

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  日本人が知った現実、「戦争反対」を叫んでも侵略者は攻めてくる

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    ロシア軍のミサイル攻撃でボロボロにされたアパートの側を歩く住民(6月22日、キーウ近郊のポロディアンカで、写真:ZUMA Press/アフロ)


    (出典 news.nicovideo.jp)

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