タイタンは、太陽系の衛星で唯一、完全に発達した大気圏を持っている。 タイタンにかなりの量の大気が存在することは、1903年にタイタンの周辺減光を観測したスペインの天文学者ホセ・コマス・ソラが初めて推測し、1944年にジェラルド・カイパーが分光学的手法を用い、メタン 20キロバイト (3,012 語) - 2019年8月31日 (土) 01:07 |
NASA・ジェット推進研究所は、18日、土星の衛星「タイタン」のグローバルマップを初公開しました。
タイタンは、太陽系の衛星の中でガニメデ(木星衛星)に次いで2番目に大きく、「惑星に近い衛星」と言われます。
さらにタイタンは、地球以外で唯一安定した液体を持っているため、専門家にとっては太陽系の中でも最重要の天体です。
当初、タイタンを覆う分厚い大気のせいでグローバルマップの作成は困難と思われましたが、土星探査機カッシーニが採取した多くのデータセットにより実現したとのこと。
研究の詳細は、11月18日付けで「Nature Astronomy」に掲載されています。
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0917-6
タイタンには「メタンの雨」が降る
タイタンは、1655年の発見以来、衛星表面を覆う分厚い大気によって地表面の状態がほとんど不明のままでした。
しかし、2004年〜2017年にかけて行われた土星探査機カッシーニの観測により、地表面に関する多くのデータが採取されています。この時、カッシーニは120回以上のタイタンへの接近飛行を成功させました。
カッシーニに搭載されたレーダーにより、窒素とメタンから成る厚い不透明な大気に遮られることなく、地表形状の観測が可能になったのです。
またマップ作成時にレーダーでカバー仕切れなかった領域は、採取された地形データを相関させることで推測し、導き出しています。
その結果作成されたグローバルマップには、砂漠地帯や湖、平地、クレーターなど多様な地理的特徴が示されています。
研究主任のロザリー・ロペス氏は、「質量や重力、気温に違いはあるものの、地球とタイタンには、地形的に数多くの類似点が確認される」と指摘します。
地球上では、雲から雨が降って湖や海を満たしていますが、タイタンで降るのは、液体となったメタンとエタンです。炭化水素のガスであるメタンとエタンは、地球では気体として存在します。
しかし、タイタンのような厳寒な気候では、メタンとエタンが冷えて液体状になっているのです。
ロペス氏は「メタンをベースとした循環が、地球における大気循環と同じようにタイタンで起こっている」と説明します。しかも、メタン循環は、地球とは違い、マイナス179.2 ℃という極低温の中で行われているのです。
また、液体メタンが溜まっている湖には生命の存在も示唆されており、専門家の熱い視線が注がれています。
地球外生命体の第1号は、タイタンで発見されるのかもしれません。
(出典 news.nicovideo.jp)
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