中国の経済が悪化しているのかな。


2024年11月4日、中国メディアの半月談は「農村で再燃する親のすねかじり問題。金持ちもそうでない人も、未婚者も既婚者も皆、親のすねをかじる」と題した記事を掲載した。

同記事の調査によると、いくつかの農村地域において、青年・中年層による親のすねかじりが再び目立ち始めていることが分かった。中には数年間働いても、親の支援がなければ生活が成り立たない者、結婚するために結婚前から親に大きな支援を求める者、結婚後も子どもを育てるために親の助けが不可欠な者がいるという。同記事は、「農村振興が進み、都市と農村の融合が進む中、このような農村におけるすねかじり現象は注目されるべきだ」と評した。

また、農村でのすねかじりは20~40歳の青年・中年層全体に見られたとした上で、「若い層では、働いても収入が支出に追い付かず親の助けが必要だったり、家で無職状態が続いたりしている。30代以上の人々の中には、親が車を購入したり、住宅ローンの支払いを助けたりする例も少なくなく、さらに多くの親が自分の老後資金から子や孫に資金を提供している」と言及。実例として、大学を卒業したものの仕事が見つからず、実家で公務員試験の勉強をしている22歳の若者や、職業高校を卒業後に都市部で働いているが、時々親に助けを求めているのにとどまらず、県の中心部に住宅を購入するために支払った約40万元(約800万円)や結納金などの費用もすべて親に支出してもらった24歳の山西省の若者を挙げた。

同記事は、裕福な家庭でも貧困家庭でもすねかじりは起きているとしており、息子に都市部の住宅と車を買い与えた上、さらに息子一家を支援している61歳の裕福な男性の事例や、結婚後に都市で働いている25歳の息子に毎月孫の粉ミルク代を仕送りしている元貧困家庭の女性の事例を紹介している。

同記事によると、すねかじりは金銭的ものよりも、時間的なものが一般的になっているという。農村出身の若者が都市で働く際、子どもの世話を親に任せることが多く、(子どもの)祖父母は育児の手間や時間の負担も強いられている。

同記事は、近年、中国の都市化が急速に進み、農村の若者が就職、結婚、子どもの教育などを求めて都市に向かう流れが加速していることに触れた上で、「地域間の移動や階層間の流動、情報の流動といった要因が、伝統的な農村社会の価値観に影響を与えている」と指摘。「消費主義の影響で農村にも見えの張り合いの風潮が広がり、一部の青年・中年層は消費欲が強く、収入を大幅に上回る支出を追い求めている」と言及した上で、「このような高額消費のため、一部の農村青年・中年層は金銭的に困窮し、本来は自分たちが負うべき子どもの養育責任を親に押し付けることが多くなっている」としている。

また、「一部の青年・中年層は、親からの援助を当然のものと考え、自分たちは良い暮らしをし、他人よりも良い生活を送ることだけを目指している。そのため、子どもの養育や親の扶養といった伝統的な家庭の責任を軽視し、親に依存することが当たり前になっている」と指摘した。

同記事によると、上記のような理由以外にも、やむを得ない客観的な理由も存在する。例えば、住宅や車の購入や結婚のための費用は現在の農村家庭にとって大きな出費になっている他、子どもに良い教育を受けさせるためにも多額の出費が求められる。さらに、近年の経済情勢の変化によって、都市での就職や起業による収入増加が難しくなっており、一部の農村出身の青年・中年層は親のすねをかじらざるを得ない状況にあるという。

同記事は、「農村におけるすねかじり問題を解決するには、総合的な対応が必要である」と主張している。「農村出身の若者が都市での生活に順応できるよう支援し、結婚にかかる費用を軽減する施策を講じるだけでなく、地域全体で道徳を重んじる風潮を醸成し、若者に自立と自己責任の意識を植え付ける必要がある」とし、「農村に根付く不健全な風潮を正し、家庭本来の役割を回復する必要がある」とも指摘。一部の農村地域では見えの張り合いや消費主義が顕著であることについて、専門家からは「各地域の実情に応じた効果的な対策を模索し、農村部における道徳的な抑制効果や絆を強化するべきだ」との意見が出ていると紹介した。

また、「都市と農村の融合発展を加速し、農民の都市への進出により多くの保障を提供する。生活場所や生活様式の変化に伴い、都市に移住したいと考える農村住民は大きなストレスを抱えている。都市に移住する農民の大半は経済基盤が弱く、収入も安定していないため、保障住宅や教育の分野でより多くの支援を提供し、都市の発展の恩恵を共有し、農村でのすねかじり現象の発生率を下げるべき」と訴えた。

さらに、「結婚費用は農村家庭にとって最大の出費の一つとなっている」とし、「高額な結納金の問題を改善することから始め、住宅や車の購入といった結婚条件にかかる総合的なコストを引き下げ、農村家庭の経済的負担を軽減し、若者が努力によって将来への希望を持てるようにすることで、すねかじりの原因を減らすべき」との声を伝えた。

中国のネットユーザーからは「もし自給自足ができ、生活に余裕があれば、親のすねをかじりたがる人はいない」「普通の人が自力で現在の住宅価格に対応するのは不可能だ」「なんでも結婚に結び付けるのはおかしい。お金がなければ結婚しなければいいだけで、それがすねかじりと何の関係があるのか」といった声が上がった。(編集・翻訳/奈良)

4日、中国メディアの半月談は、農村で親のすねかじり問題が再燃しており、青年・中年層は皆親のすねをかじっているとの記事を掲載した。写真は中国の農村。


(出典 news.nicovideo.jp)