2024年10月28日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)中国語版サイトは、袴田事件をはじめとする一連の冤罪(えんざい)問題が頻発する日本で警察と検察の信頼性に厳しい目が向けられていると報じた。
記事は、衆議院が解散した9日、殺人罪などで死刑判決を受けて47年間服役した袴田巌さんの再審無罪が、検察官の上訴権放棄によって確定したと紹介。近ごろ日本では冤罪事件の発覚や解明が相次ぎ、法執行機関、警察、検察制度の信頼性に大きな打撃を与えるとともに、袴田事件の冤罪確定に58年もの時間を要したことで日本の法制度の欠陥が露呈したと伝えた。
また、23日には名古屋高裁金沢支部が、38年前に福井市で女子中学生を殺害したとして懲役7年の実刑判決を受けて服役した前川彰司さんの再審が決まったことも紹介。前川さんが1987年3月の逮捕以来一貫して容疑を否認し続けてきた一方で、事件後に血まみれの前川被告を目撃したという知人6人の証言を証拠として有罪を主張し、裁判所がこの主張を受け入れる形で有罪判決が下されたと説明した上で、再審請求審では6人のうち1人が「本当は前川さんを見ていない」と説明を覆し、弁護団が「無罪を言い渡すべき新証拠」と主張、裁判長が「捜査当局による不当な働きかけ(教唆など)があり、本人が虚偽の供述をした疑いが否定できない」との見解を示したことを紹介した。
さらに、2020年3月11日に生物兵器の製造に使用できる噴霧乾燥機を経済産業省の許可を得ずに中国に輸出したとして、警視庁公安部が神奈川県横浜市にある会社の代表取締役ら3人を逮捕した件についても言及し、昨年12月に東京地裁が「警視庁公安部による逮捕・取調べ、検察官の勾留請求・起訴請求は違法だった」とし、原告らに対する約1億6200万円の損害賠償を支払うよう国や東京都に命じた事例についても触れた。
記事はその上で、近ごろ出された一部の判決や再審決定は、日本の警察・検察が職業倫理の欠如、捜査のずさんさ、人命軽視によって冤罪の頻発を招いたことを暴露し、日本の捜査・検察機関の信頼性や日本の司法の公平性を大きく揺るがしていると指摘。この問題は国会でも大きな関心を呼び、今年3月には再審法改正を求める各政党議員連盟の結成に国会議員134人が参加して現行法の改正に向けた議論が始まり、結成から半年で参加議員数が議員総数の半数近くにまで増えるなど、警察・検察の信頼性や司法制度の不備を問う声が日増しに高まっていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)
(出典 news.nicovideo.jp)
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