写真ニュース(1/1): 朝鮮労働党でサボタージュ横行…金正恩失政で拍車 - BIGLOBEニュース 写真ニュース(1/1): 朝鮮労働党でサボタージュ横行…金正恩失政で拍車 BIGLOBEニュース (出典:BIGLOBEニュース) |
赤ん坊を除く全ての北朝鮮国民は、何らかの組織に属することが義務付けられている。例えば子どもは幼稚園や学校、優等生ならば朝鮮少年団(ピオネール)、若者は社会主義愛国青年同盟、成人女性ならば朝鮮社会主義女性同盟と言った具合だ。その頂点に立つのが朝鮮労働党だ。
誰でも彼でも入れるわけではない。まず、成分(身分)がよいことは大前提で、党員や青年同盟員2人の入党保証書が必要となる。審査に合格すれば見習いにあたる候補党員となり、問題がなければ1年後にようやく正式な党員として迎えられる。
エリートになるための最低条件である朝鮮労働党入党。その切符を手に入れるために、勤め先の上司に要求されるがままに性上納を強いられる事例も数多く報告されている。
党員になれたとしても、その生活はエリートとは程遠い。商行為を行うことが禁じられているため、耐乏生活を強いられる。だが、その禁を破って商売を始める党員が増えつつある。咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
北朝鮮第2の都市、咸興(ハムン)では「社会保障」を受け取り、商売を始める党員が増えており、同様の現象が道内全域に広がっている。
この「社会保障」とは、傷病手当金やそれを受け取っている状態を指すが、そうなれば「党生活」を免除される。党員は、労働新聞を読む読報、様々な思想学習会、総和(総括)など、様々な党員としての義務をこなさければならないが、それらがすべて免除になるのだ。社会保障を受け取るには医師の診断書が欠かせないが、ワイロを渡して作成してもらう。そうやって自宅で療養していることにして、空いた時間に商売に励むのだ。
非党員が、勤め先の上司にワイロを渡して出勤扱いにしてもらい、空いた時間に商売をして儲ける「8.3ジル」と似たようなものだ。
情報筋によると、最近になって社会保障を受ける人が急増しているが、その内訳を見るとほとんどが労働党員だという。
一例を紹介すると、咸興市の興南(フンナム)区域に住む40代党員のキムさん(仮名)は、精神疾患との診断書を提出して、社会保障を受けることとなった。実際は健康上何ら問題がないのだが、過去数カ月の間に奇怪な行動を繰り返し、精神疾患があるように装い、診断書を受け取るのに成功したのだ。ワイロを渡した医師からのアドバイスに基づくものだ。
「このようにして社会保障を受けることになれば、毎週行われる党生活総和に参加しなくてもよくなり、商売ができるようになるので、一石二鳥だ」(情報筋)
かつてとは異なり、党員になったことによるメリットは少なく、むしろデメリットの方が目立つ。党員になったことを後悔する人も現れ、「党員証でメシが食えるのか」とぼやく党員も少なくない。
この問題を認識した朝鮮労働党咸鏡南道委員会は今月中旬、党書記会議を開き、不正を行っていることが判明した党員は出党(除名)し、所属している党組織の書記(トップ)や、診断書を書いた医療関係者も処罰の対象となるとの方針を決めた。
そんな警告もどこ吹く風で、当の本人たちは「俺を党からつまみ出すのならさっさとやれ」とまったく堪えていない様子で、党書記は頭を抱えている。
かつては誰もが入りたがるエリート組織だった朝鮮労働党だが、権威が失墜して久しい。それもこれも、党が社会の変化について行っていないばかりか、むしろ逆行しているからだ。
過去30年でなしくずし的に進んだ市場経済化は、思想や首領(最高指導者)よりカネが大切という価値観を北朝鮮の人々にもたらした。
党組織は各工場、企業所で指導的役割を果たすことになっているが、それらは計画経済システムの崩壊で開店休業状態となり、何も経済的成果を出していないのに、党員はふんぞり返っている状態だった。
党員が一銭の儲けにもならないお題目を読み上げている最中に、非党員は、上述の「8.3ジル」で豊かになった。かくして社会的立場が逆転したのだ。
中央は、「末端の組織がたるんでいる」として、党の規律の強化を指示するが、党員はサボっていた党生活をきちんとやらなければならなくなり、時間を無駄に使わされる。
金正恩総書記の「計画経済への回帰策」の一環として市場への締めつけが厳しくなったことで、社会全体が困窮し、ついには党員が商売をしなければならないほどに追い詰められてしまったのだ。
中国の江沢民総書記(当時)は2001年7月、資本家の入党を公式に容認した。改革開放政策で企業経営者が増えるも、共産党への入党が認められないことで、共産党の指導的立場が揺らぎだしたことによる。朝鮮労働党は、これと真逆の道を行っているということだ。
(出典 news.nicovideo.jp)
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