| 「安すぎる」「銀行振込のみ」は疑うべき…ネット通販詐欺に騙さ ... - Yahoo!ニュース 「安すぎる」「銀行振込のみ」は疑うべき…ネット通販詐欺に騙さ ... Yahoo!ニュース (出典:Yahoo!ニュース) |
先日、筆者のもとに東京大学卒の30代知人から連絡があった。
「恥ずかしながら、ネット通販で詐欺にあったかもしれないです。いま、軽く電話できませんか?」
彼のように、ネット通販サイトで入金したのにも関わらず、商品が届かない「ネット通販詐欺」の被害にあう人がここ最近増えているようだ。
筆者(田中謙伍)はAmazon日本法人に新卒入社し、現在はAmazonで商品を出品するメーカー事業およびメーカー企業へのコンサルティング会社を経営している。
本稿では、近年被害者が急増している「詐欺ECサイトの特徴」と、「騙されてしまう理由」を消費者心理の観点から解説する。
◆「ネット通販詐欺」の巧妙な手口とは
ネット通販サイトで入金したのにも関わらず、商品が届かない「ネット通販詐欺」の被害にあう人がここ最近増えているようだ。
こうした詐欺ECサイトで取り扱われるのは、化粧品やスポーツ用品、ペットグッズ、日用品などにおける人気商品のほか、有名ブランドを取り扱うものまでさまざま。その特徴を挙げていこう。
まず、商品の価格があげられる。詐欺ECサイトは、消費者の目を引く価格に設定しているケースが多いのだ。人気商品は他サイトで品切れになっているケースも少なくないため、思わず「ポチリ」としてしまいたくなるのだろう。
また、往々にして詐欺ECサイトは日本人以外が詐欺サイトを制作していることが多いと指摘されている。その根拠として、日本語の記載内容が正しくないことが挙げられる。漢字が旧表記になっていたり、代表者名の名前と名字が逆転しているためだ。
◆「銀行振込のみ」の場合も怪しい
ほかにも、 ECサイトでは必ず掲載が求められる「特定商取引法に基づく表記」や利用規約にもおかしな点が見つかる。もし運営会社の情報があったとしても、実際に存在する会社名が検索してヒットするものの、住所や電話番号は別の会社の情報が使われているといったちぐはぐな情報も見かける。
「特定商取引法に基づく表記」がなかったり、日本語がおかしい場合、100%詐欺ECサイトと言ってよいだろう。そして、カード支払いができず、銀行振込のみの場合ほとんどが“クロ”だ。これだけ特徴わかれば、騙されることはない……そう願いたいが、残念ながら筆者のまわりでも詐欺ECサイトで購入・入金手続きををしてしまい、商品が届かなかったという声を耳にしている。
◆ヤフオクやメルカリの商品画像が盗用される理由
これまで、多くのEC会社のコンサルティングを手掛けてきた筆者の分析によると、こうした詐欺ECサイトは容易に制作し、公開することが可能だ。
具体的には、「スクレイピング」や「クローリング」という手法を使い、ヤフオクやメルカリから商品写真やカタログデータを引き抜き、そのままサイトに反映するだけで数日もあれば完成してしまう。
なぜヤフオクやメルカリの画像や商品紹介ページが盗用されるのか。これには明白な理由がある。
楽天やAmazonに出店しているメーカーの画像やテキスト情報を使っていることがバレた場合、メーカーからも「ニセモノに注意!」という忠告がすぐに出てしまう。つまり、楽天やAmazonの商品情報を登用するのは詐欺ECサイトにとってリスクが大きいのだ。
一方、ヤフオクやメルカリは商品を個人で出品し、写真やテキストも個人が記載している。また一点ものなので、バレにくい。そのため、詐欺ECサイトに無断で情報がアップされていることがバレにくく、そもそもヤフオクやメルカリに出品した個人が詐欺ECサイトに訴えを起こすインセンティブがあまりないので、クレームになりにくいのだ。
さらに注目すべきは、詐欺ECサイトの商品ラインナップだ。たとえば、こちらの詐欺ECサイトを見ると、Amazonや楽天で売り切れになっている商品がピンポイントに出品されているように見える。そして、値段は定価の10~60%引きとなっている。
筆者が本稿を執筆時、公式サイトで売り切れになっている「ドラゴンボール キャディバッグ」は、詐欺ECサイトで定価の半額程度で売られていた(現在は削除済み)。
◆「問い合わせ先を探してもわからない」からこそ…
さらに注目したいのが、そのサイト名だ。こうした詐欺ECサイトの特徴として、サイト名が「ECサイトとは思えない凡庸な名前」になっている。これにも明白な理由がある。かつて、マルチ商法の被害があったとして問題にされた企業として「事業家集団環境」「チーム」のような検索してもほかの情報に紛れる名前が挙げられていた。
一口でいって、これらの企業は確信犯的にそのECストア名にしていると思われる。被害にあっても、その企業の情報がネット検索で見つかりづらく、問い合わせ先を探してもわからない。よって被害者仲間も見つかりづらいのだ。
これと同様なことが詐欺ECサイトでは行われている。検索しても出ないようなネーミングにしている、いわば「まぶしSEO」である。
◆消費者が「騙されるメカニズム」は?
ここで、消費者心理として騙されるメカニズムをひとつの例を出して解説しよう。6歳の娘を持つ父親が、来週に迫った娘の誕生日プレゼントとして、サプライズであるおもちゃを購入したくなったとしよう。父親はまず、Amazonや楽天など有名なECサイトで商品を検索する。
すると、どこも売り切れ……。次に父親はこう考えるだろう。
「ほかにこの商品が売られているサイトははないのか…」
そこで父親は商品名をGoogleで検索する。すると、検索結果の上位ではないがあるECサイトに商品在庫があることを発見する。
「やった!ようやく見つかった……」
◆「正常な判断ができない状態」こそ狙われる
さらに、父親にとって嬉しい誤算が見つかる。その商品は、定価よりも4割程度安い価格、そして手が届きやすい6,000〜8,000円程度で売られていたのだ。売り切れで購入が間に合わないと思った商品が見つかり、さらに価格も安い。
これなら娘の誕生日に間に合う、よかった……。その安堵感と、さらにはうかうかしていると売り切れになってしまうという焦燥感から、迷いなくカートに入れ、「購入」ボタンを押す。
そして、そのECサイトが銀行振込のみであることに違和感を持たずに、そのまま届くはずのない商品代を振り込んでしまう……。あくまで一例だが、騙されてしまった人にとっては自分の経験を追われているような気分になったのではないだろうか。
「売り切れの商品がほしい」という渇望、そして商品価格が安いという強烈な魅力。これによって、疑うことなくお金を振り込んでしまう消費者心理を完全に狙っているのである。
◆Amazonや楽天で売り切れの商品は「世の中に流通していない」
ところで、こうした詐欺ECサイトではなぜメルカリの商品情報が狙われてしまうのか。歴史を遡ると、これまでも詐欺ECサイトは存在したが、大手のECプラットフォーム側は随時対策を打ってきたからだ。
たとえば、Amazonや楽天市場などの大手プラットフォームは、先述した「スクレイピング」や「クローリング」と呼ばれるサイト情報を抜き取ってコピーサイトを作る手口が簡単にできないように対策されている。
だが、Amazonや楽天に比べ、メルカリの場合詐欺ECサイトでの対策が不十分である可能性がある。今や大手プラットフォームはほとんど全てのネット通販事業者が販売していると言ってよいほどカバー率が高いため、ここで売り切れてしまっている商品はもはや世の中に流通していないといってよいと考えるべきだろう。
◆筆者のサイトがニセモノだと思われた?
最後にひとつエピソードを紹介しよう。
以前、筆者が経営する会社で取り扱っている商品がテレビで取り上げられたところ、商品が通常時の10倍以上売れたことがある。その際、売れたサイトは自社のECサイトではなく、楽天とAmazonだったのだ。
おそらく、その理由は筆者が経営する会社が用意した公式商品ページが“ニセモノ”と思い込む消費者が多かったからだと思われる。つまり、消費者にとってそれだけAmazonや楽天で購入することが信頼されるプラットフォームとして認識されているのだろう。
だが、将来的には、ほしい商品をネットで購入する場合、大手ECサイトを含め、どのECサイトでも安心して購入できる未来が訪れることを筆者は望んでいる。
<TEXT/田中謙伍>
【田中謙伍】
EC・D2Cコンサルタント、Amazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカーの株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。Youtubeチャンネル「たなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

(出典 news.nicovideo.jp)






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