今月5年ぶりとなる共産党大会が開催された。3期目となる中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は2時間あまりにわたってこの5年間の成果を強調し、中華民族の偉大な復興を実現させ、経済や安全保障、科学技術や人権などあらゆる分野で米国と競争していく方針を示した。
■米国との競争や対立には負けない
習氏は中華人民共和国建国100年となる2049年までに社会主義現代化強国の実現を打ち出した。
しかし、これは簡単に言えば、国民生活を豊かにし、中国の影響力を国外に拡大できる社会主義の強国を実現させるということで、それまでに米国を経済力や軍事力で追い抜こうというビジョンだ。
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■米国は年々中国への警戒感を強める
一方、米国も年々中国への警戒感を強めている。ドナルド・トランプ前大統領は中国との貿易摩擦を拡大させ、バイデン政権も最近発表した国家安全保守戦略で中国を“国際秩序の現状打破を狙う唯一の競争相手”と位置づけた。
習氏の3期目は正式決定以前から確実視されていたので、米国も今回の共産党大会は既に想定内だっただろうが、これから本当の米中対立が始まると覚悟しているはずだ。
■米国の世界的影響力の衰退
だが、昔の比べて米国の世界的影響力は明らかに衰退している。たとえば、21世紀初頭、当時のブッシュ大統領は頻繁に自由や民主主義は普遍的価値であり、そういった米国の基本的価値観を世界に“普及させる”と強調していた。
しかし、今日のバイデン政権は、米中対立を民主主義と権威主義の戦いと位置づけるものの、米国の基本的価値観である民主主義を“守る”と表現する。双方とも聞こえがいいように思われるが、こういった言葉からも米国の力の衰退というものが分かる。
■ますます中国優位に
そして、それは今後日本がある極東アジアでこれまで以上に鮮明になろう。中国の経済成長率が鈍化してきているのも事実だが、習氏がそういった国内的課題に直面したとしても、米中の力の接近をすぐに止めるものではない。
3期目の習氏の米国との戦いは、今後ますます中国優位になろう。
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(出典 news.nicovideo.jp)
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