令和の社会・ニュース通信所

社会の出来事やニュースなどをブログに書いて発信していきます。あと、海外のニュースなども書いていきます。

    2022年03月



    実現するのかな?

    (作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

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     一般会計の総額が107兆円を超す過去最大の来年度予算が、参議院本会議で自民・公明の与党に、国民民主党などの野党も賛成して成立したのは、今月22日のことだった。新年度予算の成立時期としては、戦後4番目の早さを記録している。

     その同じ日。雪も舞った東京には、全国ではじめての電力需給逼迫警報が出されていた。それも最初は東京電力管内だったものが、東京電力に電力を融通していた東北電力管内にまで拡大した。16日に東北地方を襲った震度6強の地震で、福島県の広野火力発電所6号機が停止したままになっていたことや、低気圧の影響で寒気が流れ込み、暖房需要が高まったことが重なった。雨雲が空を覆えば、太陽光発電も役に立たない。萩生田光一経済産業大臣は緊急の記者会見を開いて節電を呼びかける。

     そのふたつが重なったあまりの間抜けぶりに、呆れていたのは私だけではないはずだ。

    レールガンに必要な大量の電力、不安しかない供給体制

     この日、成立した来年度予算の防衛費も5兆3687億円と過去最大のものとなった。

     その中には、あらたミサイル防衛手段の実用化に向けた「レールガン」の試作機の製造に65億円が計上されている。

    レールガン」は、リニアモーターカーのように電磁力を使って弾を発射する。導電性のある素材で造られた2本のレールの間に、やはり導電性のある弾を挟み、大量の電流を流して磁場を発生させて発射する。

     音速の5倍超で軌道を変えて飛翔する極超音速兵器が念頭にある。従来の弾道ミサイルが放物線を描いて飛び、経路が予測しやすいのと比べて迎撃が難しい。中国やロシア北朝鮮で開発が先行する。

     これに対してレールガンは、火薬の燃焼を利用するミサイルより高速で、連射もできる。一般的なミサイルの初速は秒速1700メートル程度だが研究段階で秒速2300メートル近くを達成しているとされる。防衛省では20年代後半の実用化を目指している。

     このレールガンについては、かつてオウム真理教が研究開発を目論んでいたことは、予算案に計上された段階で書いた。オウム真理教ではアニメキャラクターの『ガンダム』まで製造しようとしていて、それに並ぶ漫画のような話だった。

    (参考)オウム真理教がかつて夢見た超音速兵器に防衛省が「65億円」
    https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/68371

     実際に予算案に計上されたことを報じた毎日新聞は『防衛省レールガン開発に本腰 SF・アニメが現実に?』との見出しで伝え、SFアクション映画『トランスフォーマーリベンジ』でも登場していたことをたとえに「過去、あくまでフィクションの世界の兵器だった」としている。

     もっとも、時代と科学技術の進歩によって、遠い未来の話だったことが現実になること、夢に描いたことが実現することがあってもおかしくはない。いまの時代においても、かつては想像もできなかったことが現実のものとなって、恩恵を受けていることも少なくはない。むしろ喜ばしいことだ。

     レールガンもそのひとつと考えるべきだろう。だが、その前に――。

    完成しても十分な電力なければ無用の長物

     レールガンを発射するには、電磁力を生み出すために莫大な電力が必要となる。数秒に1回の連射を想定した場合、発射の度に約25メガワット(2万5000キロワット)の電力が必要とする海外の研究がある。

     地震による発電所の停止や、突然の寒気に暖房需要さえままならず、国民に節電を呼びかけるような脆弱なエネルギー供給の国情で、レールガンが役に立つのだろうか。

     レールガンが完成したとしても、発射のための電力が賄えなければ、無用の長物に終わる。それこそ、漫画のような話だ。

    まさかのリアル「ヤシマ作戦」

     電力需給逼迫警報が出ていた22日、経済産業省によると、午前8時から午後11時までの間で、想定需要の10%程度にあたる計約6000万キロワット時を節電しなければ供給不足に陥る懸念があるとしていた。標準的な家庭の消費電力量が1日10キロワット時程度とされ、およそ600万世帯分の電力消費量の削減が必要となった。1メガワット=1000キロワットだから、レールガンを1発発射するのに2500世帯の1時間分の消費電力を必要とする。それも連射でもっと多くの電力を、あっという間に使い切ってしまう。

     仮に、レールガンミサイル防衛に実用するとして、その度に国民に今回のような節電要請や計画停電を実施するのであれば、それこそ“ヤシマ作戦”だ。すでに22日の電力供給逼塞警報でツイッター上のトレンドワードにも入っていたが、日本中の電力を接収して陽電子砲(と作中で設定した武器)を発射するという人気アニメ新世紀エヴァンゲリオン』で展開された作戦名“ヤシマ作戦”のエピソードとそっくりだ。

     だが、そんな節電協力を呼びかけている間に、音速の5倍を超える速度の極超音速兵器は本土に到達している。これまた漫画だ。途中で軌道を変えるのだから、連射も前提となる。そんな即時に必要な大量の電力をどこから引っ張ってくるのか。

     脆弱なエネルギー供給を補うと同時にレールガンの実用化のために、原子力発電を再び活性化させるのだとしたら、それこそ最初から核兵器を保有したほうが効率的という、本末転倒の議論になりかねない。

     ロシアによるウクライナ侵攻が、それまでの国際秩序を破壊し、防衛力強化が現実的な喫緊の課題となった中で、戦後4番目の早さで成立した新年度予算はその中味について、実効的な議論がつくされたといえるのだろうか。

     翌23日には、ウクライナゼレンスキー大統領が国会でオンライン形式の演説を行った。そのタイムスケジュールには、国会議員によるスタンディングオベーションがあらかじめ盛り込まれ、その通りに国会議員が演じてみせる“ヤラせ”をやってのけ、最後に挨拶に立った山東昭子参議院議長が、侵略を許して国民が悲惨な状況に喘ぐ姿をよそに、その大統領の演説に「感動した」などという姿を見る限り、現実的感覚を見失っているようにしか思えない。

     かつて民主党政権で閣僚経験があり、いまでは批判を繰り返していた自民党に所属する細野豪志衆議院議員は、ツイッターにこう書き込んでいる。

    【昨日の電力需給の逼迫で陰謀論があるという。私は多くの経産官僚と仕事をしてきた。彼らの多くは個人としては優秀だが、陰謀を実行するような組織力はない。そんな組織力があればこんな電力不足にはなってない。】

     大真面目に間の抜けたことほど恐ろしいことはない。それはもはや国会議員にもいえることで、国防すら左右する。

    もしかしてオウム真理教と五十歩百歩の思考回路か

     それともうひとつ。レールガンの開発を目指したオウム真理教の元幹部が、刑事被告人となった法廷で語った顛末を披露しておく。

     坂本弁護士一家殺害事件の実行犯で2018年に死刑が執行された早川紀代秀によると、教祖の麻原彰晃が幹部たちを呼び寄せて、教団が推進する“救済計画”について「本音を言ってみろ」と、意見を求めたことがあったという。そこで早川が、食料備蓄は十分だが、ハルマゲドン(世界最終戦争)がやって来たときには、既存の電気やエネルギー供給も停まって教団が窮地に陥る、だから独自のエネルギー開発の必要性を説いたところ、麻原が急に不機嫌になって怒り出した。

    「なに、夢みたいなことを言ってんだ!」

     そう言ったという。不都合な情報からはあからさまに目を背ける姿勢が、組織の崩壊を招く。因みにこれは、プーチンと麻原の類似性を示した最近の寄稿でも例示した。

     傍で見ていれば漫画に映る世界も、往往にして当事者たちはそのことに気付いていない。22日の出来事は、まさにその典型である。

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  【舛添直言】電力逼迫警報で分かった、この国の電力安定供給体制の脆弱さ

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    2012年2月23日、米海軍がバージニア州ダールグレンの実験施設で行ったレールガンの発射実験映像(提供:U.S. Navy/AP/アフロ)


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【電力供給脆弱な日本で大量の電力を食う「レールガン開発」、拭えぬ違和感】の続きを読む


    韓国を逆転する。

    1 動物園φ ★ :2022/03/29(火) 17:15:13.69

    台湾が韓国をGDPで間もなく逆転!なぜ「永遠のライバル」に勝てるのか

    半導体・電池・EV 台湾が最強の理由
    2022.3.24 4:50

    台湾と韓国の間には共通点が多い。かつて「アジア四小龍」にそれぞれ数えられ、いずれも電子産業を柱とする。似ているが故にお互いライバルと意識してきた両国だ。経済という点では長く韓国が優勢だったが、ここにきて台湾が逆転しそうだという。『半導体・電池・EV 台湾が最強の理由』(全6回)の#4では、台湾人が快哉を叫ぶ「逆転レース」について伝える。(台湾「財訊」孫蓉萍、翻訳・再編集/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

    ■1人当たりGDPで韓国を上回る日が近い

     台湾の1人当たりGDP(国内総生産、名目)は2003年に韓国に逆転されて以来、追い付くことができない状態が長く続いてきた。その状況がここにきて、大きく変化している。国際通貨基金(IMF)の推計によると、台湾の1人当たりGDPは3年後の25年に4万2801ドルに達し、韓国の4万2719ドルを小幅で上回る見通しだ。

     このIMFの推計は非常に保守的な数値である。台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)所管のシンクタンク、中華経済研究院は、台湾が21年にすでに僅差で韓国を上回っているという試算を出している。その差は数百ドルにすぎないが、台湾人にとっては奮い立たせられる数字だ。

    台湾韓国一人当たりGDP推移

    (出典 dol.ismcdn.jp)


     21年は株式市場においても、台湾の上場企業の時価総額が年初から23.7%伸びたのに対し、韓国は3.6%の小幅成長にとどまっている。台湾と韓国の競争におけるスター選手というべき企業の時価総額を比べると、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)が5305億ドルであるのに対し、韓国のサムスン電子は3879億ドル(3月22日の終値ベース)となっている。

     長期にわたり台韓間には、国際政治における恩讐があったと同時に、産業競争においても度々角突き合わせてきた経緯があった。

    https://diamond.jp/articles/-/299334

    1
    https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1648531751/


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    効果があった。

    1 ぐれ ★ :2022/03/28(月) 02:35:35.14

    ※2022年03月27日20時33分

     2021年に国内で流通したプラスチック製レジ袋の量が2年前に比べて半減したことが分かった。20年7月から始まった有料化の影響でスーパーやコンビニでレジ袋を受け取る人が減ったためとみられ、環境省は「無駄なプラスチックの使用抑制につながった」と分析。新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済活動の停滞で、21年のプラ製ごみ袋の流通量も2年前を下回った。<下へ続く>


     政府は20年7月、コンビニやスーパー、ドラッグストアなど全ての小売店を対象に、プラ製レジ袋を配布する際は有料とすることを義務化。民間研究機関の集計によると、19年に19万7200トンだったレジ袋の国内流通量は20年に12万5500トン、21年に10万400トンへと減少しており、環境省は有料化の効果としてホームページで紹介した。

     一方、ごみ袋の流通は、レジ袋有料化やコロナによる巣ごもり消費の影響で家庭用は微増。ただ、経済の落ち込みが響いて業務用が減り、全体では19年の29万3100トンから21年の29万2800トンへと微減した。

    続きは↓
    時事通信ニュース: レジ袋、有料化で半減 プラごみ抑制へ効果―環境省.
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032700121&g=soc
    ※前スレ
    【環境】レジ袋、有料化で半減 プラごみ抑制へ効果 [ぐれ★]
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1648395305/

    ★ 1 2022/03/28(月) 00:35:05.78


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    全国初の試み。海外では導入している国はあるのかな?

    地域の公共交通維持へ「交通税」検討…全国初、24年度以降の導入目指す
     滋賀県の三日月知事は24日、鉄道などの公共交通機関の運行を維持する財源確保のため、県民が負担する「交通税」の導入を検討する方針を示した。高齢化やコロナ禍で公共交通の利用者が減少し、事業者の経営環境が悪化しており、安定財源の確保で、県内の路線廃止や大幅減便を防ぐ狙いがある。2024年度以降の導入を目指しており、実現すれば、全国初となる。

     この日開かれた県の諮問機関「県税制審議会」(会長=諸富徹・京都大教授)が「全県規模で地域公共交通を支えるため、新たな税負担を求めることが必要」などとして、交通税導入を提言する答申案をまとめた。

     これを受け、三日月知事は報道陣に「人口減少で公共交通を利用者負担でまかなうことは難しくなっている」と述べ、交通税の導入を目指す意向を表明。県はこれまでも赤字路線を運営する鉄道事業者などに補助金を支給してきたが、知事は「税負担とすることで公共交通に関心を持つ県民が増える」と目的税化する利点を説明した。

     一方、税収規模など詳細は未定で、県は今後、具体的な税制度を検討する。

    【日時】2022年03月27日 19:32
    【ソース】読売新聞

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    子孫がいる。

    カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください


     南太平洋、タヒチから南東へおよそ2000km行ったところに、火山性の島「ピトケアン島」がある。

     イギリスの海外領土で人口は50人足らず。電気も限られ、ニュージーランドとの船の行き来も1年にたった4回しかない。諸島の周囲300 kmには他に有人島は無い。

     この孤島に人が住み着くようになったのは、「バウンティ号の反乱」がきっかけである。現在ピトケアン島に住んでいるのは、この反乱に参加した水兵の子孫たちがほとんどだ。

    【画像】 反乱者たちの子孫が住む島「ピトケアン島」

     作家のブランドン・プレッサーは著書『The Far Land: 200 Years of Murder, Mania, and Mutiny in the South Pacific(遥かなる大地:南太平洋の殺人、マニア、叛乱の200年)』の中で、はこの島には注目すべき歴史があると書いている。

     この島の48人の住人のほとんどは、1789年に起こったあの有名な「バウンティ号の反乱」で船を乗っ取った反乱者たちの直接の子孫なのだ。

     現在の島民は、島で採れた果物や野菜、魚介を食べているが、食料のほとんどは3ヶ月ごとに貨物船で運ばれてくる缶詰だ。

    [もっと知りたい!→]ロシア帝国に関する10のダークな秘密

     今にも壊れそうな家にはドアもなく、木や雑草が伸び放題になっている。12歳までの子どものための学校がひとつあるが、現在は生徒は3人しかいない。

     現在の島には、反乱軍リーダーだったフレッチャークリスチャンの子孫と、ウォレンという船乗りの子孫の、ふたつの系統の家族が住んでいる。

     両者の家系は密接に絡み合っているというのに、長い間些細なことで反目を続けていて、互いに無視し合っているという。

    Life on Pitcairn Island - home of the descendants of the mutineers from HMS Bounty

    たった1台の発電機しかない孤島

     ピトケアン島は文明社会から遠く離れているため、プレッサーはここを訪れるために、100万ドルの保険に入らなくてはならなかった。

     ここには小さな診療所がひとつあるだけで、現在は引退したオーストラリア人医師がひとり常駐している。

     この医師は、老後を異国で過ごしたいと希望した珍しい移民だ。ある住民が虫垂炎になったときは、病院に運ばれる前に死んでしまった。その後、島民全員が島外で、盲腸の予防切除を受けた。

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     毎日午後10時から朝6時までは、電気が使えない。たった一台しかない発電機をディーゼルの節約のために止めてしまうからだ。

     WiFi携帯電話は、最近使えるようになったが、外の世界との連絡は、いつもVHF無線を通して行っている。

     ホテルレストラン、バーなどはないため、訪問者は地元の人の家に泊めてもらうしかない。プレッサーが滞在したときは、地元の夫婦が自宅の居間で酒をふるまってくれたという。

     しかし、数年前、島民自身が新たに観光収入に興味をもつようになり、旅行作家であるプレッサーをマーケティングコンサルタントとして雇った。

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    ピトケアン島 photo by iStock

     観光業は、島民にとってまったくの未知の概念というわけではない。

     プレッサーをもてなした住民のスティーヴクリスチャンとその従妹である妻のオリーヴは、フレッチャークリスチャンの子孫ということで、ピトケアンの住民をある種「博物館の人々」とみなす歴史家の間で長い間、関心を集めてきたとプレッサーは書いている。

     クリスチャン夫妻は、ロンドンで王立地理学会のもてなしを受け、バッキンガム宮殿でお茶を飲んだこともある。

    バウンティ号の反乱とは?

     1788年1月、英国海軍ブライを船長として、バウンティ号はタヒチに向けてイングランドを出港した。

     パンノキの積み荷を受け取るためだったが、ブライは、部下をいじめ、しょっちゅう鞭打つような男として知られていた。

     出発が遅れたため、全長27メートルのこの船は、冬の間に南米のケープ岬を通過することができず、ブライは1万6000キロも遠回りになるアフリカまわりに航路を変えた。

     46人の乗組員は、荒波にもまれ、蛆虫のわいたビスケットや塩漬け肉でなんとか飢えをしのいだ。

     10月にタヒチに着いたとき、船は地元の人たちに歓迎され、美味いフルーツをふるまわれた。だが、不自由な航海の不満がたまっていた乗組員たちが、地元の女性たちと体の関係を持ち始めると、バウンティ号の運命は破滅へと向かい始めた。

    History's Mysteries - The True Story of Mutiny on the Bounty (History Channel Documentary)

    血塗られた歴史

     たちまちイギリス人である乗組員たちは、タトゥーを入れ、裸で踊る現地の人間になった。ブライだけは、ジャマイカへ積み荷を運ぼうと決めていて、誘惑に負けなかった。

     1789年、ブライは乗組員たちを海へ戻そうとしたが、彼らは島での生活を捨てきれなかった。

     ブライから不当な扱いを受けるのに嫌気がさしていた乗組員のクリスチャンは、船に積んであったマスケット銃を奪うと、勝手に指揮をとった。

     ブライと18人の忠誠派たちは予備のボートに無理やり押し込められ、太平洋に押し出されてしまった。ブライはこの小さな船で指揮をとり、インドネシアまでの6400キロを航海するという驚異的なことをやってのけた。

     一方、反乱分子側のクリスチャンは、奪ったバウンティ号に家畜や友好的なタヒチ人の男30人、女9人をを乗せて、太平洋の楽園を確立すべく、トゥブアイ諸島へと出発した。

     しかしすぐにクリスチャンは、槍で武装した戦士たちに監視された、シラミと蚊のはびこるジャングルで新たな人生を切り開くことかいかに難しいか、反乱に加担した仲間たちがいかに怠惰であるかを知ることになった。

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    バウンティ号とその乗組員の辿った航跡 image credit:public domain/wikimedia

     最終的に、クリスチャンらはピトケアン島に戻ってきて定住した。

     この隔絶された無人島には、真水や耕作に適した土地があり、理想的なように思われたのだが、3年もたたないうちに反乱分子のほとんどが死んでしまったという。

     クリスチャンら数人も、乗組員と共に連れてきたポリネシア人に殺され、内輪もめで殺されたものもいたという。

     1800年には、バウンティ号の生き残りは、アレクサンダースミスひとりとなった。

     彼はその後8年間、タヒチの女性たちと、亡くなった反乱分子たちの残した子どもたちを含めた大家族の長として平和に暮らした。

     1808年、アメリカアザラシ漁船が島にやってきたとき、ジョンアダムスと名乗るイギリス人がひとりだけいて、ピトケアンの海岸沖の浅瀬にバウンティ号が座礁していると認めた。

    Exploring Pitcairn Island by Drone. Home of the descendants of the mutineers of the HMS Bounty.

    バウンティ号の反乱者のスキャンダル

     バウンティ号の発見は一時的に世界的なニュースになった。だが、次にピトケアン島ニュースになるのは1998年のこと。

     フレッチャーの8代目の子孫で、スティーヴオリーヴの19歳の息子ショーンクリスチャンが、11歳の娘に性的虐待をしたとして、ここを訪れたひとりの聖職者が告発したのだ。ショーンは自分と少女は愛し合っているとして、告発を否認しなかった。

     最終的に、13人のピトケアン島の住民が、児童虐待セクハラ、性的暴行などの罪で告発され、6人が投獄された。

     スキャンダルの後、島民たちはとくに反省することもなく、若い娘たちの証言も不利な証拠とはならず、ただの"寝室の歴史"になっただけだったという。

     ピトケアン島の住民たちは、性交同意年齢はせいぜい12歳くらいだと思っていたようだ。現在、島の50人もいない住民たちのほとんどが、なんらかの親戚つながりがある。

     このスキャンダルによって、島民の多くが外の世界から干渉されたくないと思っていることがはっきりした。プレッサー自身もピトケアン島に到着してすぐに、機嫌の悪い地元住人にこう言われた。

    ここにいる間は俺に話しかけたり、近寄ったり、見たりしないで欲しい。わかったか?」

    長年のパラノイアに陥る子孫たち●

     さらに、彼らは観光収入に関心はあっても、外部の人間のことなど興味がないようだということもわかった。

     島の人間が偽善者と呼ぶ、ホスピタリティ哲学をおしえてくれる者もいた。その気がないのに歓迎の意を見せるこの島独特の社交術だ。

     プレッサーが島に到着したとき、彼を下ろした貨物船に向かってスティーヴがこう叫ぶのを聞いたという。「あの野郎!」

     でもこれは妙だった。貨物船はピトケアン島にとって、唯一の外界との接点なのに、スティーヴ明らかにその存在に腹をたてていたという。

     プレッサーは、1ヶ月ほど島に滞在したが、住民はよそよそしく、たいていはひとりで過ごしていたという。

     プレッサーは、最初の反乱者たちが、長期にわたるパラノイアに苦しみ、その結果、互いに銃やハンマーで殺し合ったことを書いている。

     プレッサーは孤立しているいうことが、いかに疑心暗鬼を助長させるかを痛感したという。

    References:Current-day island life of 'Mutiny on the Bounty' descendants / written by konohazuku / edited by parumo

     
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    18世紀末のイギリス海軍の武装船「バウンティ号」で反乱を起こした子孫たちの今


    (出典 news.nicovideo.jp)

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