この記事をまとめると
■安全を確保するためには除雪が必要だ
■しかし雪の処理のしかたによっては違反に該当してしまうことがある
方法によっては道交法違反になることも
降雪地域でなくても、積雪の可能性がある。東京も、慣れない雪が積もると大混乱になる。車道だけでなく、路地や歩道に雪が積もれば通行が困難になり、商店街であれば店主などが除雪を行うが、住宅地では住民有志の志に除雪を頼るしかない。
そこで問題になるのが除雪した雪をどう始末するかだ。降雪地域であれば除雪は日常的な作業なので、捨てる場所などが想定され、指定されている。一方、非降雪地域ではそうした準備ができていない。したがって道端などにただ積み上げられることになる。
なかには、車道へ除雪した雪を投げ込んでいる人を見かけることもある。ところが、道路法によって、構造や交通に支障を生じさせることは禁止されている。道路交通法でも、交通を妨害するようなものを置いてはならないとある。したがって除雪した雪を道端へ置くことによって交通の障害となる場合は、違反になってしまう。自分の敷地内で対処するのが適切だ。
そうはいっても邪魔になるので、敷地に積み上げた雪を少しずつ道路へ投げ込むことで、クルマが走り去ると雪の塊が潰れ、やがて融けていくので好都合だと思うのだろう。
しかし、非降雪地帯では必ずしもスタッドレスタイヤやチェーンなどをクルマが装着しているとは限らず、投げ込まれた雪に滑って事故につながることが懸念される。クルマやタイヤに詳しくない人は、そうとは知らずにやってしまうようだが、危険極まりないことだ。
下水に流すことも禁じられている
タイヤは、円盤状の車輪がただ転がっていくだけだと思われがちだが、じつはタイヤ接地面が路面を叩くようにして走っている。したがってそこに余計なものがあれば、乗り上げたり、柔らかい雪とはいえ塊になれば路面にタイヤが接地できず、滑ってしまったりすることになる。
道路脇の側溝などへ行きを投げ入れ、下水に流そうと考える人もいるかもしれないが、これも下水管内で雪が溜まり、道路に下水が溢れ出る恐れがあるので、下水道法で禁じられている。降雪地域には雪を処理するための側溝をあえて設けている場合があるが、非降雪地帯の都市部などでは通常の下水管を通じて雪を処分することはできないのである。
河川も、除雪した雪を処分することを認めた場所以外には雪を捨てることができない。積み上げられた雪が一気に融けだし、水位があがると危険だからだ。
敷地内に積み上げて除雪するといっても、都市部では敷地にゆとりのない場合がほとんどだ。したがって以上の禁止事項をみると、除雪など不可能ということになりかねない。クルマや人の通行をできるだけ邪魔しない場所を選び、道端に寄せるしかないだろう。
大雨による洪水など含め、想定以上の降雪の可能性も、すでに気候変動が起きている現在、非降雪地域でも高まっていくだろう。地域行政は、大雪が想定外とならないような防災対策を早急に練る必要がある。また住民も、快適で安全な暮らしを維持するため、地域行政との交流を深め、これまで考えてこられなかった対応を新たに摸索する発想が求められるだろう。
(出典 news.nicovideo.jp)
コメント
コメントする