今まで見たことがない漢字に遭遇した際、多くの人は前後の文脈や漢字の「部首」や「つくり」などに注目し、意味や読み方を導き出そうとするのでは。
しかし佐賀県には、そうした経験則が一切通用しない「衝撃的な標識」が存在することをご存知だろうか…。
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■読み方不明な森が出現
今回注目したいのは、ツイッターユーザーのE.Kさんが投稿した一件のツイート。
「いや、そうやって読むのかと思った看板」とつづられた投稿には道路案内標識の写った写真が添えられており、こちらには「どん3の森」(3の表記は3乗)という、思わず首を傾げてしまう名称が記されていたのだ。
「どんさんの森」「どんスリーの森」などの読み方を想像した人も多いかと思うが…標識の下には、なんと「Don−Don−Don no Mori」という、あまりに予想外な読み方が記されているではないか。
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■「どんの3乗」に衝撃…!
衝撃的な光景を捉えた件のツイートには「どんんんんの森じゃないのか」「どんの3乗は草」といった声が多数寄せられており、やはり「累乗が表記された道路標識」というレアすぎる存在に驚きを隠せない人が多いようだ。
ツイート投稿主のE.Kさんは佐賀県佐賀市にてこちらの標識を発見しており、他県出身で「どんどんどんの森」の存在を知らなかったこともあり、なかなかの衝撃を受けた様子。
果たして「どんどんどんの森」とは一体何なのだろうか…。パンチの効いた標識の真意と併わせ、佐賀市総務部の広報課に詳しい話を聞いたところ、強い「地元愛」にあふれる素晴らしい舞台裏が明らかになったのだ。
■「単なる森」じゃなかった…!
どんどんどんの森は佐賀県の中心部に位置する都市緑地で、その面積は東京ドーム2個分以上の9.7ヘクタール。
名前の通り、市民の触れ合いの場となる緑地・公園のほか、佐賀市立図書館や佐賀県立の女性センター・生涯学習センターを初め、佐賀新聞、朝日新聞、地元のケーブルテレビや、IT系の誘致企業を入れるビルも整備されているのだ。
どんどんどんの森開発の経緯について、佐賀市の担当者は「こちらの土地は元々『大和紡績』という紡績工場があった場所になりますが、昭和61年(1986年)に工場が閉鎖となり、その跡地を佐賀県と佐賀市で共同購入することとなりました」と振り返る。
JR佐賀駅から徒歩10分弱という好立地に注目し、購入後は県と市が一体となって「情報」「交流」「人づくり」の3つをコンセプトとして整備に着手。市内の中心部における大きな開発事業であったため、当時はかなりの注目を集めていたそうだ。
続いて、気になる名称、および呼び名について尋ねてみると…。
■「どんどんどん」に至った経緯に納得
担当者は「どんどんどんの森」という一度聞いたら忘れられない名称について、「この場所は市民・県民の憩いの場所として、多くの方々に親しんで頂きたいと考え、愛称の募集を行ないました」と説明する。
その際「どんどん人が集まる広場」という意味を込めた「どんどん広場」なる名称が最終候補に残り、専門家を交えた選定委員会からは「佐賀らしい名前にするべきということで『どん』を3つ重ねてはどうか」という意見が出たというのだ。
これは佐賀県独特の言い回しで、例えば「雨がザーザー降る」といった表現も、佐賀弁では「雨がザーザーザーで降る」となるそうだから興味深い。
そうした事情に加えて「この場所が緑あふれる森になってほしい」という意見もあり、めでたく「どんどんどんの森」という愛称が決定したのだ。
■「どん3」表記は正式なものなのか?
なお、初見では絶対読めないであろう標識については、「『どんどんどん』とそのまま表記してしまうと長く間延びした印象を受ける」という意見を踏まえ、「どんを3回重ねる」という意味を込めた「どん3」表記を採用したという。
佐賀市民もこちらの標識の影響を受けたのか定かではないが、正式な「どんどんどんの森」と呼ぶ人もいれば「どんスリーの森」「どんスリー」といった呼び名で親しんでいる人もいるというから微笑ましい。
「どん3」と表記された標識は複数あるそうなので、同市を訪れた際にはぜひ一度チェックしてみてもらいたい。
【施設詳細】
「どんどんどんの森」
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(出典 news.nicovideo.jp)
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