令和の社会・ニュース通信所

社会の出来事やニュースなどをブログに書いて発信していきます。あと、海外のニュースなども書いていきます。

    カテゴリ:国内 > 皇室



    いままでの慣例や慣習を超えて、新たな展開を望む声も多いようですね。議論が進んでいくことで、より多くの人々の意見が反映されることを期待したい

    愛子さまが4月より日本赤十字社の嘱託職員として勤務することが内定し、公務でお姿を拝見する機会も増えることになりそうです。しかし現在、皇位継承順位は1位が秋篠宮さま、2位が悠仁さま、3位が常陸宮さまとなり、若い世代での男性皇族は悠仁さましかいません。皇位継承の安定性には不安が残されています。

    2021年12月には、皇位の安定的継承に関する有識者会議が報告書をまとめ、皇族数を確保するため(1)女性皇族(内親王・女王)が婚姻後も皇族の身分を保持する、(2)皇族として認められていない養子縁組を可能にし、旧11宮家の男系男子を皇族とする、の2案を提示しました。

    安定的に皇室制度を維持していくために、皇位継承のあり方、議論はどうあるべきなのでしょうか。弁護士ドットコムでは、会員弁護士にアンケートを実施し、258人から回答が寄せられました(実施期間:2月14日2月20日)。

    女性天皇については「賛成」が53.1%、「どちらかといえば賛成」が21.7%。続いて「どちらともいえない」が12.4%。「どちらかといえば反対」(6.6%)「反対」(6.2%)となりました。

    一方で、「男系男子による継承」ではなくなる「女系天皇」については「賛成」が43%、「どちらかといえば賛成」が16.3%となる一方で、「反対」とした人は15.9%にのぼります。

    「皇室のあり方をめぐる議論のタイミングについて、どう考えますか?」との質問については「もはや手遅れ」(20.2%)、「いま結論を出すべき」(56.6%)となり、「悠仁さまが即位するまで先送りすべき」の11.6%を大きく離しました。

    以下、詳しくみていきます。

    ●天皇制に「賛成」「どちらかといえば賛成」が60.8%

    「そもそも現行憲法下での天皇制に賛成ですか、反対ですか」と質問したところ、「賛成」が36.0%、「どちらかといえば賛成」が24.8%で、60.8%が賛成であることがわかりました。

    「どちらともいえない」は20.5%。「どちらかといえば反対」(9.3%)「反対」(9.3%)で、18.6%が反対の立場でした。


    なぜ天皇制度に賛成・反対なのか。次のような声があがりました。

    「象徴として、国民に親しまれている。外交上も重要な役目を担っている」(賛成)

    「天皇の存在は憲法が制定される前よりも我が国に定着したものであり、天皇制云々を憲法の下で論ずるべきではない。天皇の存在を前提とした憲法づくりをすべき」(賛成)

    「日本の文化であり、歴史であって、世界に誇るべき存在であるから」(賛成)

    「皇室の方々のニュースを見るのが楽しいから」(賛成)

    「法の下の平等に関する例外として意味があるのかは不明だが、諸外国の要人を国賓としてもてなすことに一定の外交メリットはあると思われる」(どちらともいえない)

    「あまり考えたことはない」(どちらともいえない)

    「皇族に自由がなくて気の毒」(どちらともいえない)

    第二次世界大戦で天皇が果たした役割につき、責任を取っていない。また、皇室の維持に費用が掛かりすぎる」(どちらかといえば反対)

    「法の下の平等、個人の尊厳の理念に反する。天皇崇拝の非合理的な思想や行動をはびこらせる」(反対)

    「天皇制は直ちに廃止すべき。その起源からして嘘で塗り固めた天皇制は民主主義制とは相容れない」(反対)

    日本国憲法が依拠する近代人権思想の理念に反する。天皇制こそ民営化すべき」(反対)

    女性天皇に「賛成」「どちらかといえば賛成」が74.8%

    女性天皇については「賛成」が53.1%、「どちらかといえば賛成」が21.7%。「どちらともいえない」が12.4%。「どちらかといえば反対」が6.6%、「反対」が6.2%でした。


    理由としては、次のような声が並びました。

    「ジェンダーで分けることは現代社会の倫理からかけ離れている。天皇が象徴ならなおのこと恥ずかしい」(賛成)

    「歴史上、女性天皇もいた」(賛成)

    「憲法上禁止されていないし、男性・男系に限る合理的理由もない」(賛成)

    「別に男性でも女性でも資質に差はないし、年長の者がいるのに、男子だからといって幼少の者に天皇を継がせることに合理性がない」(賛成)

    「世界の趨勢。男系などと力んでも神話の時代からの話のこじつけ」(賛成)

    「なぜダメなのか皆目わからない。当然良い。性別でわける意味は全く見出せず、むしろ不自然不可解」(賛成)

    「象徴としての機能や各種行事を遂行できれば足りる。健康かつ一定の品位を備えていれば男女間に特段の優劣はなく、女性であっても問題が生じるとは思われないから」(賛成)

    「やむを得ない」(どちらかといえば賛成)

    「男性天皇以上に結婚相手探しに苦労することが目に見えているので、安定的な皇位継承にさほど有益ではないし、ご本人も気の毒だから。眞子様の結婚であれだけ世間から色々いわれて可哀想だったのに、女性天皇となるとあれ以上に色々言われるのは間違いない」(どちらかといえば反対)

    「皇位継承の継続性に繋がらない」(どちらかといえば反対)

    「男系男子の次期天皇への中継ぎとしてなら認めてもよいと思うが、それ以外は反対」(どちらかといえば反対)

    「血統が途切れるから」(反対)

    女系天皇に「反対」は15.9%、「女性天皇反対」の2倍以上に

    女系天皇については「賛成」が43.0%、「どちらかといえば賛成」が16.3%。「どちらともいえない」が17.4%。「どちらかといえば反対」が7.4%、「反対」が15.9%でした。反対の声は女性天皇に反対とする人(6.2%)の数を倍以上上回りました。


    理由は様々です。

    「男系、女系を理解している国民はほとんどいない」(賛成)

    男女平等の要請から女系天皇を排除する合理的根拠もないように思うから」(賛成)

    「憲法上禁止されていないし、男性・男系に限る合理的理由もない」(賛成)

    「男系でも女系でも遺伝子的には変わらない。不合理な制度である」(賛成)

    「逆に、女系天皇を反対する理由がないのでは」(賛成)

    「天皇という存在に血筋を厳格にする必要はない」(どちらかといえば賛成)

    「何をもって女系天皇と定義するかについての知見を持ち合わせていないから」(どちらともいえない)

    「1代限りの女系天皇では意味がないし、恒久的な女系承継を想定するには議論が不足している」(どちらかといえば反対)

    万世一系の血筋は守るべき」(反対)

    「我が国の血統として家制度と男児血統が伝統的に認められ、女系は傍流の認識であるから」(反対)

    「天皇制は廃止すべきであり、天皇制の存続につながる制度改革には反対」(反対)

    「今まで男系だったから」(反対)

    「神武以来というつもりはないが、ある程度長期間にわたって男系の系譜を維持していたのであるから、一時代の価値観で変更するべきではない」(反対)

    ●女性宮家の設立、「賛成」「どちらかといえば賛成」が過半数

    女性宮家の設立については「賛成」が34.1%、「どちらかといえば賛成」が16.7%。「どちらともいえない」が26.7%。「どちらかといえば反対」が10.5%、「反対」が12%でした。


    その理由について、次のような声が並びました。

    男女平等の原則から女性宮家を排除する合理的根拠もないと思うから」(賛成)

    「反対する理由がないし、女系天皇制度であれば、女性宮家は自然な流れなのではないか。ただし男性・女性関係なく宮家が増えすぎないようにする方策は必要」(賛成)

    「皇族の絶対数が増えなければ、安定的な皇位継承などできるはずがないから」(賛成)

    「皇室外交の必要性」(どちらかといえば賛成)

    「皇統男子と婚姻した場合のみ女性宮家賛成」(どちらともいえない)

    「天皇制の継続には必要だが、対象となる個人の負担は重いと思うから」(どちらともいえない)

    「皇位継承権を持たない以上、必要性に乏しい。旧皇族の方々を養子あるいは婿に迎えるなら別」(どちらかといえば反対)

    「歴史上女性宮家はほとんど存在していないから」(どちらかといえば反対)

    「皇族の公務の担い手が少ないという理由であれば、公務を減らせばよい」(反対)

    「そこまでして天皇制を維持する理由がない」(反対)

    「配偶者問題で皇室の権威が損なわれる」(反対)

    「皇室の維持に費用が掛かりすぎるので、これ以上宮家を設けるべきでない」(反対)

    ●「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する」案、賛成が26.4%

    「女性皇族(内親王・女王)が婚姻後も皇族の身分を保持する」との案については「賛成」が26.4%、「どちらかといえば賛成」が17.8%。「どちらともいえない」が27.9%。「どちらかといえば反対」が11.2%、「反対」が16.7%でした。


    理由について質問しました。

    女性天皇を認めるのであれば認めざるを得ないから」(賛成)

    「女性のみ皇室を出ることに違和感があるから」(賛成)

    「男女分けない結果の必然」(賛成)

    「女性のみ婚姻によって身分が大きく変わる合理的理由がないから」(どちらかといえば賛成)

    「婚姻後も皇族から自由意思で離脱できるようにするのであれば良いと思います」(どちらともいえない)

    「本人に選択肢が与えられるようにする方が良いと思う」(どちらともいえない)

    「当該女性皇族に皇位継承権を認めないのであれば賛成」(どちらともいえない)

    「皇位継承権を持たない子供が生まれることになり、不安定な地位におくことになる」(どちらかといえば反対)

    「皇室の血を持たない皇配に一定の権威を認めうる可能性があるから」(どちらかといえば反対)

    ●「旧宮家の男系男子を皇族に」→「どちらかといえば反対」「反対」が43%

    「皇族として認められていない養子縁組を可能にし、旧11宮家の男系男子を皇族とする」との案については「賛成」が14.3%、「どちらかといえば賛成」が17.1%。「どちらともいえない」が25.6%。「どちらかといえば反対」(14.3%)「反対」(28.7%)でした。


    その理由を詳しくみていきます。

    「最も現実的な皇室を維持する方法」(賛成)

    「男系男子を軸とする皇位の安定的継承に資するから。旧11宮家の廃止がGHQによる占領下での特殊な経緯によるものであることも考慮すべき」(賛成)

    「実現可能であればよいが、当事者の意向を無視した議論が多すぎる」(賛成)

    「男系を維持するためには必要だと思う」(どちらかといえば賛成)

    「状況としてやむを得ない場合にはそれも選択肢。それでも、養子選定には血統の重みを最優先の判断基準にすべき」(どちらかといえば賛成)

    旧宮家の男系男子を皇族にして、男系男子の維持することが重要と考えるから」(どちらかといえば賛成)

    「どうしようもない場合に皇室廃止となるよりはマシ」(どちらかといえば賛成)

    「過去にはあったかもしれないが、養子縁組までくると天皇制そのものを一度リセットしたほうがよい」(どちらともいえない)

    「議論の内容を知らない」(どちらともいえない)

    「養子縁組を可能とする制度には賛成だが、皇族を男系男子に限定することへの合理的理由がない」(どちらかといえば反対)

    「そこまでしてやる必要がない」(どちらかといえば反対)

    「愛子内親王の配偶者としてとかならともかく、いきなり養子で天皇と言われても象徴としての機能は果たせないのでは」(どちらかといえば反対)

    旧宮家も既に皇籍離れて久しく、皇別摂家と区別する理由が乏しい。悠仁さまの次代と考えると、皇籍離脱から平気で1世紀経つことになる。むしろ男系にこだわるならば、旧宮家よりもよっぽど一部の皇別摂家の方が近い」(反対)

    「遺伝学的な経緯から女系天皇を排除するなら、男系旧宮家の方が血が薄いと思う」(反対)

    旧宮家は遠すぎる。国民意識に合致しない。国民意識に合致する女性天皇を認めればよいだけ」(反対)

    女性天皇女系天皇で十分と思われる。旧宮家の方は既に一般人として長く生活しており、今さら皇室に戻してどうにかなると思われない」(反対)

    ●議論のタイミング「いま結論を出すべき」が56.6%

    「皇室のあり方をめぐる議論のタイミングについて、どう考えますか?」との質問については「もはや手遅れ」(20.2%)、となり、「悠仁さまが即位するまで先送りすべき」の11.6%を大きく離しました。

    また「そのほか」の意見としては、「引き続き議論を続ければよい」「手遅れだが、それでも結論を直ちに出すべき」と議論を続けるべきだとする声も目立ちました。


    ●「早急に法改正を」「波風立てずに見守るのがよい」など様々な声

    最後に「現在の皇室について考えることをできる限り具体的にお答えください」と質問したところ、次のような声が並びました。

    イギリス王室のような広報活動をすべきと考える」

    「愛子さまが天皇となれるように早急に法改正を行うべき」

    「国民としては波風立てずに見守るのがよいと思っている」

    「できるだけ現状を変えないまま制度を維持して欲しい」

    「皇族が減る前に減ることを想定した議論をしておく必要があるとは思う」

    「なぜ、ここまで皇位継承の結論を先送りにして、問題解決を先延ばしにしたのか」

    「その立場からいろいろな義務や制約があると思う。それでも国民を想い国民の精神的支柱となる活動をされていることには感謝です」

    「現天皇家の長女愛子様に次の天皇になってほしいという意見はかなり強いのではないか。長子優先女性も可とする制度に変更されることを期待」

    「学生時代に皇室について論文を書いた私としては、その時から皇位継承の議論が進展していないことに強い危機感を覚えます。左派には基礎的理解のレベルを上げていただきたいですし、右派には理想論だけではなく現実的に実現可能な形を模索するようにしていただきたいです」

    「承継者を嫡子のみを想定した皇室制度は配偶者の精神的負担が大き過ぎる(これは女系天皇を認めても同様である)。現状を前提とした弥縫策だけでなく側室制度の復活など大胆な見直しも検討すべき。諸外国に目を向ければ、イスラム諸国のように、当然のように側室を維持している国は多数あるのであって、キリスト教国でないのにいきなり側室制度を廃止した我が国がむしろ異例であり、復活を議論することは本来何らおかしくない」

    「天皇制は維持すべきだと思いますが、女系天皇の容認を含め、少しずつ時代に合わせた変化は受け入れても良いと思いますし、活動の範囲や内容についてはもっと皇室や天皇家に裁量を与え、宮内庁を通さずとも皇室の生の声が聞こえるような「開かれた皇室」を目指しても良いのではないかと思います」

    「愛子さまを天皇に」「波風立てずに見守れ」皇位継承議論、弁護士たちの声 「女性天皇」賛成が75%、「いま結論を」57%


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【皇室】「愛子さまを天皇に」「波風立てずに見守れ」皇位継承議論、弁護士たちの声 「女性天皇」賛成が75%、「いま結論を」57%】の続きを読む


    変わるのかな?

    安定的な皇位継承のための議論にいつ、どのように着手するのか。2021年12月、皇位の安定的継承に関する有識者会議が報告書をまとめ、自民党2022年1月、今年(2023年11月にも懇談会を開いたが、その後の進展はみられない。

    同報告書では、皇族数を確保するため(1)女性皇族(内親王・女王)が婚姻後も皇族の身分を保持する、(2)皇族として認められていない養子縁組を可能にし、旧11宮家の男系男子を皇族とする案が提示された。皇位継承を男系男子に限定する方向性だが、現在の皇位継承順位は1位が秋篠宮さま、2位が悠仁さま、3位が常陸宮さまとなり、若い世代での男性皇族は悠仁さまお一人という状況だ。

    安定的な皇位継承のためには「女性天皇女系天皇を容認するべきだ」と指摘する名古屋大学大学院の河西秀哉准教授に、望ましい議論のあり方、議論が進まない現状の問題について話を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・山口紗貴子)

    女性天皇女系天皇、女性宮家について

    ——安定的皇位継承のため、どのような議論の方向性が望ましいと考えますか

    私は女性天皇女系天皇を容認するべきだと考えています。安定的な皇位継承、いわゆる「帝王学」の観点、また皇族の方々の人生が大きく左右されることですので、早急に実現するべきです。

    悠仁さまはまだ10代ですが、それ以外の皇族方は20代、30代です。ご本人たちの教育や「帝王学」、将来のご結婚などを考える上で、現在の宙ぶらりんという状況が一番つらいのではないでしょうか。ご本人の人生の決断がしづらい状態にあるわけですから。

    また皇室典範を改正しない場合、悠仁さんの将来の妻となる方に、男児の出産について非常に強いプレッシャーがかかることも問題です。全てを一人の男系男子に委ねようとしているのが現状であり、象徴天皇制という制度自体が崩壊する可能性さえある状況だと考えています。

    ——女性天皇は認めても、女系天皇に反対する声は根強くあります

    仮に女性天皇だけを認めた場合、女性天皇がご結婚され、男性でも女性でも子どもが生まれたとしても、そのお子さんには皇位継承は認められません。しかしその20年後、「他に男系の皇族がいないから、天皇になって欲しい」となる可能性も出てきます。「帝王学」や教育の問題も残りますし、現在と同じような問題に直面することになるわけです。

    私が女性天皇女系天皇を容認するべきと考えるのは、まさにこの不安定さをなくすことにもあります。女性天皇を認めることは女系天皇を認めるということに最終的には帰結すると考えています。

    ——女性宮家の創設については、どう考えていますか

    女性天皇女系天皇を認めれば、女性宮家の創設も進めることになると考えています。ただ、今いる方々は離れることを前提にお育ちになっているわけですから、仮に改正する場合には、ご本人たちのご意志を確認する必要はあるでしょう。

    ●「宙ぶらりんの状態」のデメリットに帝王学

    ——宙ぶらりんの状態になることのデメリットの一つに皇族への教育の問題もあるのでしょうか

    皇族としての教育は難しい課題ですね。

    現代の感覚で言えば、学習院にこだわらず、自分の行きたい学校に通い、自分の意思に基づいて専攻を決めることが望ましいことではあると思います。ただ一方で、皇族に必要な教育をどう学んでいくのかというバランスが難しくなるのも事実です。

    今の天皇陛下は、天皇になることを宿命づけられていましたので、高校生ぐらいから過去の天皇のご事蹟など歴史を学んで来られました。東京大学学習院の先生など大学教授が家庭教師のような立場で、昔の資料を一緒に読んでいたといいます。こうした教育の中で、過去の天皇の振るまいが身体に染み付いていく側面もあるはずです。

    ——悠仁さまは学習院ではなく、お茶の水大学附属小中学校筑波大学附属高校という進学校で学ばれてきました。

    おそらく大学に進学されると思われます。一般受験するのか、推薦入学となるかはわかりませんが、一般の高校生と同じく大学進学に向けた受験勉強をされているはずです。進学校大学受験を見据えた勉強はしつつも、「帝王学」を学ぶとなると、かけられる時間も限られてきます。この点は大学受験のない学習院で学ばれていた上皇、天皇とは状況が異なります。

    また「帝王学」は座学だけではなく、人格的、公務、そのお立場について実際に天皇などの側で目で見て学ぶことも大事です。上皇や天皇は家庭の中である種の口伝、空気感を学ぶことができたわけですが、悠仁さまはそれができないわけです。直系で継承できないことのデメリットの一つかと思います。

    旧皇族の復帰論「国民的理解を得ることができるのか」

    ——2021年の有識者会議では、「皇族として認められていない養子縁組を可能にし、旧11宮家の男系男子を皇族とする」との案が提示されています。旧皇族の皇籍復帰は現実的に可能なのでしょうか

    旧皇族の復帰については、私は疑問です。最後の最後まで何もやらなかった結果として、皇室が先細りする現状になって、「もう旧皇族の復帰しかありません」と、出てきた選択肢です。

    どの宮家が、どの旧皇族を養子に迎えるのか。ご本人たちの意志はどう確認するのか。それを誰が決めるのか、国民の理解をどう得るのかなど、疑問を出したらキリがありません。各論から考えていくべきとは思いませんが、解決しなければいけない各論の数を考えたら、私は難しいと思えてなりません。

    旧皇族と言っても、対象となる男性たちは民間人として生まれ、これまで長く、民間人として生きて来られた方々です。突然、皇族としての身分をお持ちになる当事者やご家族のご意向はもちろん、昨日までは民間人として生きてこられた方々が皇族となることへの国民的理解を得ることができるのかどうか、非常に疑問です。

    ——小泉純一郎首相時代の「皇室典範に関する有識者会議」(2005年)など、過去に何度も改正への動きはありましたが、いずれも進展しませんでした

    過去にもこの状況を変えようとする動きは何度もありましたが、先送りを続けてきたわけです。このような状況になってしまったのは、政治家の不作為です。小泉元首相ですら実現ができないほどに皇室問題は政治家も触りたくないのでしょうね。自分が生きてる間は、何とかやり過ごせばいいという感覚が大きいように見えます。

    ●「数は多いが声の小さい容認派、数は少ないが声の大きい保守派」

    ——なぜ政治家は進められないのでしょうか

    国民の世論は女性天皇女系天皇を容認する声が多いですが、非常に強く「賛成する」というよりは、「やや賛成する」という認識の人が多い印象です。一方で、保守派は数こそ多くないものの「やや反対する」よりも強い「反対する」となる。この層が自民党の強い支持勢力でもあります。

    数は多いけれども声の小さい容認派、数は少ないけれども声の大きい保守派とが議論をすれば、国論を二分するように見えてしまうでしょう。国民の象徴的な存在としての天皇制を考える上で、それは良くない。そこの難しさだと思うんですよね。

    過去に一度だけ、2005年の有識者会議の時点では次世代の皇族に男性がお一人もいらっしゃらないという状態でしたので、女性天皇女系天皇に賛成する人たち以外の間にも「仕方ない」という認識が広まっていたと思います。ただ、報告書提出後間もなく、紀子さまの懐妊がわかり、話は立ち消えになってしまいました。

    ただ政治家だけを責めるわけではないです。国民も、悠仁さまが生まれたら議論をやめてしまった。象徴天皇はお1人だけで担う制度ではありませんので、男の子が1人生まれただけで安定した皇室、皇位継承が実現するわけはないのですが。

    ●「宮内庁の広報力が足りていない」

    ——国民の認識を含めて、危機意識が足りなかったということでしょうか

    そもそも象徴天皇とはどのような存在で、皇族とは何をなさっているのか。宮内庁の広報力が足りていない問題もあって、皇室の全体像を国民も把握できていないように思っています。

    上皇ご夫妻は祭祀だけでなく、戦没者の慰霊、被災者に寄り添うなど公務の幅を広げてこられました。皇位継承の議論だけを進めようとするのではなく、もう一度その象徴天皇とは何かという議論も必要だと思います。

    だからこそ、過去の有識者会議の議論でも、もちろん皇位継承問題が第一義ではありましたが、そもそも皇族はどのような宮中祭祀、公務を担っているのか。それを担う皇族はどのくらい必要なのかなどについて深く議論をしなければいけなかったのです。

    その結果として、「祈りだけでいい」ということであれば、皇族が先細りしてもいいという考え方はあり得ると思う。私自身はそう考えてないのですが、議論の結果によっては、皇室典範を改正せず、一人しかいない男系男子に見合った公務の数に減らしていけばいいという考え方もあり得るわけです。

    ですが国民の声としては、平成時代ほどかどうかは別として、ある程度の公務をやってもらった方がいいと考えてる方が多いのではないでしょうか。そうなると、皇室が先細りすることは望ましくありません。

    これを踏まえると、繰り返しになりますが現在の皇室は次世代の男性皇族がお一人という危機的な状況であり、今後の安定した皇位継承のために、女性天皇女系天皇を早急に実現するべきなのです。

    プロフィール
    河西秀哉・名古屋大学大学院人文学研究科准教授
    1977年名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(歴史学)。京都大学大学文書館助教、神戸女学院大学文学部准教授などを経る。主な著書に、『近代天皇制から象徴天皇制へ』(吉田書店)、『天皇制と民主主義の昭和史』、『平成の天皇と戦後日本』(いずれも人文書院)など。

    女性・女系天皇を認めず「全てを一人の男系男子に委ねる」現状の危機 河西秀哉・名古屋大大学院准教授


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【皇室】女性・女系天皇を認めず「全てを一人の男系男子に委ねる」現状の危機 河西秀哉・名古屋大大学院准教授】の続きを読む


    女系天皇を認めることで、愛子天皇誕生に期待する声が高まっていますが、皇室の継承問題は単純な問題ではありません。憲法や伝統に基づく厳しい枠組みが存在し、改革には時間と議論が必要でしょう。国民が望む形に近づけるためには、議論の場を広げて慎重に対応すべきです。

    岸田文雄首相が、安定的な皇位継承策の本格的な議論に向けて動き出した。期待する声もある「愛子天皇」は可能性があるのか。評論家の八幡和郎さんは「皇室の永続性のためには、旧宮家の男系男子と女系の両方の可能性を残しておくことが必要だ。ただし、現行法制では愛子さまが天皇になることはまず無理だし、制度改正してもチャンスがあるのは愛子さまの子孫だ」という――。

    ■自民党内に「皇位継承を考える会議体」が誕生

    岸田文雄首相が10月30日の衆院予算委員会で、安定的な皇位継承について「喫緊の重要な課題」と述べ、自民党内に総裁直属の会議体を設置すると表明した。

    現在、日本の皇位継承資格は父方に天皇の血を引く「男系男子」に限定されており、資格を持つのは秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人のみ。しかも、天皇陛下の次世代は悠仁さましかいないので、悠仁さまに男子が生まれなかった場合にどうするかが懸念されているわけである。

    その場合、戦後に皇族でなくなった旧宮家の男子とともに、女系天皇女性天皇も視野に入れるべきという議論も出ている。

    また、具体的な制度論は横に置いて、愛子さまを天皇にという漠然とした国民の期待もある。

    ■「愛子天皇」実現への道はなかなか険しい

    しかし、女性天皇は現行法制で認められないし、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」の国会附帯決議に基づき設置された有識者会議(座長・清家篤元慶應義塾長)は、2021年報告で、「次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには、十分慎重でなければなりません」として、「愛子天皇」の可能性を否定している。

    また、これまでの教育方針を見るに、両陛下は愛子さまに将来、天皇になる準備はさせておられなさそうだということも大事な視点だ。

    ちなみに、私は男系男子派だと言われているが、保守系論者と違って、女性天皇女系天皇に全面的に否定的なわけではない。本稿では、国民が待望している「愛子天皇」やその子孫が天皇になられる可能性について解説したい。

    まず、一部の人たちが主張する「皇太子が空席」というのはデマである。天皇の継承順位第1位の皇族を「皇嗣」というが、それが天皇の子であれば皇太子と呼ぶ、と皇室典範にある。天皇の弟である秋篠宮さまをどう呼ぶかについては規定がなく、「弟でも皇太子としたら」という意見もあったが、皇嗣と呼ぶと法改正で決まった。

    こうして秋篠宮さまは皇太子と同じ扱いとなり、2020年11月8日に、「立皇嗣礼」が国事行為として行われた。平安時代の醍醐天皇の時代から皇太子シンボルである「壺切御剣」が天皇陛下から親授され、秋篠宮さまが次期天皇であることが確定した。

    つまり、イギリスの故エリザベス女王の時代のようにクイーンが君主のときには、キングを名乗る者がいないのと同じで、呼び方の問題であり、皇太子は空位ではないのだ。

    ■公務の担い手不足を補う2つの案

    現行の皇位継承制度においてもっとも問題となるのは、悠仁さまに男子がいなかった場合だ。皇室典範は、短期間に事故などが重なって皇位継承者が誰もいなくなったらどうするかについて規定していないから、その場合は超法規的解釈で女性天皇女系天皇の誕生もありうるが、そういう異常事態はここでは論じない。

    有識者会議は、「悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないかと考えます」として、悠仁さまのお子さまがどんな構成になるかのめどがつく20年後くらいまで議論を凍結すべきとする。

    悠仁さまに何人も男子ができれば安泰だし、もし女子だけであれば、旧宮家男子の子孫か悠仁さまの娘かの選択になる。また、秋篠宮さまの即位後は、次女の佳子さまの子孫のほうが、姪の愛子さまの子孫よりも優先されると見るべきだ。

    ただし約20年間は議論を凍結といっても、何もしないわけでない。有識者会議は、公務の担い手不足を避けるためにも、①女性皇族が結婚後も本人だけ皇室に残る、②皇族が旧宮家の男子を養子にする(それが成立しないなら旧宮家の男子を皇族とする)ことを提案している。

    ■旧宮家の男子は「天皇に不適」?

    この2案は皇族数の確保策であり、直接には皇位継承と結びつかないが、20年後の検討の際に、優先的に皇位継承候補となる可能性が高い。

    このうち①は、佳子さまと愛子さまが念頭にあるが、三笠宮家の彬子さまと瑶子さま、高円宮家の承子さまも対象になりうる。いわゆる女性宮家は、配偶者や子も皇族になるので、これとは違う。眞子さんの夫になった小室圭氏を「殿下」と呼びたくない、という声が多かったために議論が下火になったのだ。

    女系論者は、旧宮家の男子には候補者がいないとか、生まれながらの皇族でない人は天皇に不適というが、事実に反する。たしかに小泉内閣のころは、「いきなり言われても……」という雰囲気もあったが、いまでは皇族になる可能性があるという自覚が生まれ、自分たちから手を挙げることはないが、望まれたらお受けするのが自分たちの義務だと考えている方が多い。

    旧宮家子どもたちの教育においても高い意識をもっているし、旧華族の集まりである霞会館でも、会員資格の見直しなどをして、旧宮家の分家などに受け皿を広げた。

    さらに、②の皇族の男子を養子にすることを想定しているのは、悠仁さま世代であり、皇位継承候補になるのは、悠仁さまの次世代以降なのだから、彼らは生まれながらの皇族になる。現皇族との話し合いで、資質が高く、本人も納得した人物を選ぶのだから安心だ。

    北白川、朝香、竹田、東久邇の4家出身者が、明治天皇昭和天皇の女系子孫であるとか、久邇家が香淳皇后の実家であるのも好ましい条件になる。

    ■将来の皇位継承候補は将来の国民が決める

    今上陛下が、上皇さまが退位されたのと同じ85歳余になられるのが2045年。そのときには、悠仁さまは38歳である。

    旧宮家の何人かが皇族となり、愛子さまや佳子さまも、本人が希望されればだが、皇族の身分を保持されたまま結婚され、お子さまも大きくなっているだろう。

    そして、悠仁さまに男子がおられなければ、そのころから次世代の皇位継承の議論が始まり、悠仁さまが60代になられる2070年ごろまでに「その次の天皇」の立皇嗣礼を行う必要がある。なぜかというと、悠仁さまが上皇陛下退位の年齢になるのが2092年だから、それまでの20年くらいは皇嗣としての準備期間が必要だからだ。

    私は、もし、佳子さまや愛子さま本人が皇族に留まっておられ、男子がいたら、皇族の養子になるのもありだと考える。それならば、小室圭氏のような一般男性を皇族にしなくてすむし、外孫を養子にすることは徳川家や近衛家などでも事例があり、抵抗感が小さいからだ。

    いずれにしても、悠仁さまのあとの皇位継承候補になるのは、いまはまだ生まれていない方たちだし、皇嗣を決める206070年代の国民からどう評価されているかの問題なのだから、現在の皇族への人気投票的な感覚で議論することは無意味だ。

    ■すでに生まれた王族の継承順位は保持される

    もちろん、皇室典範は形式的には他の法律と同じだから、改正することは可能だ。ただ、秋篠宮殿下が立皇嗣礼までされ、その跡継ぎとして悠仁さまがおられるのに、廃嫡するような制度改正をするのは国際的にみても非常識だ。

    欧州各国では、20世紀末から女性王族の継承権を強化する動きがあるが、ほとんどの場合、すでに生まれた王族の順位には変更を加えていない。

    たとえば、ノルウェー皇太子には姉がいるが、長子優先に制度が改正されても、継承順位が1位になることはなかった。英国では、ウィリアム王子の三人の子どものうち、姉のシャーロット王女の王位継承順位は弟のルイ王子より上位だが、エリザベス女王の長男チャールズ国王の兄弟姉妹では、次男アンドルー王子とその子孫が姉のアン王女とその子孫より優先されたままだ。

    男子優先だったスウェーデンは、現国王の第一子と第二子が女子で、第三子が男子だったので、本来は第三子が皇太子になるはずだったが、2年間の議論ののち、国王の反対を押し切って長女のビクトリア王女を皇太子にすることに決まった。これは、生後に王位継承順位が逆転しためずらしい例だが、王子がまだ物心がつく前ならいいだろうという判断だった。

    ■自由に伸び伸びと育てられた愛子さま

    それに、どうやら天皇皇后両陛下は、将来において天皇になるという前提で愛子さまを育てられてなさそうだ。愛子さまは成年時の記者会見で、「短所といたしましては」「自由に伸び伸びと育ったようで、少しマイペースな部分があるところだと自覚しております」「小さい頃から人見知りのところがございますので」と仰っているが、両陛下はあえて、愛子さまを伸び伸びと育てられてきた。

    小学校のときから、学校を遅刻されたり、休まれたりすることが多くても無理を強いることは避けられたし、国民に向けて会釈をするとか、お手振りも無理強いされなかった。大学1~3年の3年間は、新型コロナ禍でほとんど登校されずにリモート学習のみだったし、現在もゼミなどには参加されているが、大人数の講義とか、サークル活動など学生生活は、ほぼ皆無だという。

    また、成年記者会見は好評だったが、成年の前月の2021年11月にされるべきところ、準備不足で22年3月に延期された。成年行事の一環である武蔵陵墓地(昭和天皇の御陵などがある)や伊勢神宮への報告はまだ行われていないし、眞子さま16歳、佳子さまが19歳で始められた単独公務も、まだ開始されていない。

    ■天皇は決められたときに決められたことをする存在

    愛子さまは、文科系の勉学や、何事も時間にしばられずに、納得するまでマイペースで高いレベルのものを仕上げることが得意で、家族などとの密度の濃い人間関係を大事にされる方である。

    ただ、天皇という存在は、決められたときに決められたことをし、どんな人にも好き嫌い関係なく接するべきだから、もし、愛子さまが天皇になる可能性があると両陛下が考えられたとしたら、別の教育方針があったはずだ。そのように考えると、両陛下や愛子さまご本人にとって「愛子天皇論」はむしろ迷惑なのではないか。

    もちろん、雅子さまのご実家の小和田家やその周辺の人々が、愛子さま誕生ののち、孫が天皇になることを望んでいたのは事実だ。

    小泉内閣のときの有識者会議には、小和田氏に近い人が多く参加するなど、公正さを疑われることが多く、内容も愛子さま以外の可能性を緻密に検討もせずに排除し、男系派の猛反発を受ける原因になった。

    ■「愛子天皇」を夢見たとしても、過去の話

    また、『女性自身』2020年3月24・31日合併号の「独占証言:雅子さま 15年秘める祖父の夢 愛子を天皇に」では、雅子さまの外祖父でチッソ元社長の江頭豊氏について取り上げている。

    この記事は、当時の安倍内閣が女性天皇問題を封殺していると批判し、「『愛子さまを天皇に』は、雅子さま最愛のご家族の願いでもあったはず」で、江頭氏をとくに尊敬し慕う雅子さまはその夢をかなえたいと思っているだろうとしている。

    「あるとき豊さんが『愛子さまが天皇になる夢を見たんだよ』と、とてもうれしそうに話していたことがありました」「雅子さまも、お祖父さまの夢のことはご存じだと思います」と、江頭夫妻をよく知る知人が言っていたというのだ。

    奇しくも、江頭氏が亡くなったのは2006年9月24日で、悠仁さまが9月6日にお生まれになった直後であるから、江頭夫妻や場合によっては小和田夫妻が、愛子さまが天皇になることを夢見られていたとしても、それは悠仁さま誕生前のことだろう。そもそも皇后の実家の願いをかなえるために皇位継承は論じられるべきでない。

    ■「男系男子vs女系」で対立しても仕方がない

    私は正統性を維持するためには、男系男子が好ましいと思うものの、女性天皇も女系も絶対否定ではない中間派だ。皇位継承を確実に担保するためには、男系男子だけでは心許なく、一方、女系論も問題の根本的な解決にならないため、両方の可能性を残したいからだ。

    いわゆる女系論者が論議の対象にするのは、眞子さん、佳子さま、愛子さまとその子孫だけで、眞子さんが結婚された今となっては、佳子さまと愛子さまだけだ。だが、二人とか三人の女性の子孫だけでは女系も含めても永続性は保証されないどころか、数世代もたたないうちに断絶しかねない。

    男系男子の宮家男子も候補から排除すべきではないし、女系でも明治天皇の子孫くらいまでは視野にいれるべきだ。それから、男系男子でかつ女系で現皇室と近ければ、なお結構だ。しかも、旧宮家には明治天皇昭和天皇の女系子孫も多くいる。

    佳子さまや愛子さまに決め打ちで、旧宮家の誰かと結婚させるという安直な考えには反対だが、江戸時代に公家の養子に出た人や、明治になってから宮家の次男坊以下で臣籍降下した人の男系男子子孫は結構いるから、佳子さまや愛子さまでなくとも、女性子孫と彼らとの縁組みもありうる。

    英国の王位継承権者は5000人ほどだが、日本でも100人くらいは確保しておきたいし、男系男子と女系の二陣営に分かれるのでなく、両方の可能性を残すほうが賢明だろう。一般に、女性君主は華やかで人気があるから「愛子天皇」誕生に期待する気持ちも理解できるが、より広く、現実的な視点で皇位継承を議論していくことが必要だ。

    ----------

    八幡 和郎(やわた・かずお)
    徳島文理大学教授、評論家
    1951年滋賀県生まれ。東京大学法学部卒業。通商産業省(現経済産業省)入省。フランスの国立行政学院(ENA)留学。北西アジア課長(中国・韓国・インド担当)、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任後、現在、徳島文理大学教授、国士舘大学大学院客員教授を務め、作家、評論家としてテレビなどでも活躍中。著著に『令和太閤記 寧々の戦国日記』(ワニブックス、八幡衣代と共著)、『日本史が面白くなる47都道府県県庁所在地誕生の謎』(光文社知恵の森文庫)、『日本の総理大臣大全』(プレジデント社)、『日本の政治「解体新書」 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)など。

    ----------

    上皇后さまの誕生日のお祝いのため、赤坂御用地に入られる愛子さま=2023年10月20日午前、東京都港区[代表撮影] - 写真=時事通信フォト


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【皇室】国民は「愛子天皇」誕生に期待しているが…たとえ女系天皇を認めても「皇室の継承問題」が解決しないワケ】の続きを読む


    宮内庁の広報室の設置は、皇室に対する世論や理解を深めるためにも必要な取り組みだと思います。

    1 おっさん友の会 ★ :2023/04/01(土) 14:58:43.10ID:dh9Z5IMP9
    宮内庁は4月1日付けで皇室に関する情報発信を強化するための「広報室」を新設しました。

    総務課に新設された「広報室」の室長には警察庁警備局で経済安全保障室長などを務めていた藤原麻衣子さん(44)が就任しました。

    藤原さんは着任にあたり「天皇陛下や皇族方のお姿や活動についても国民のみなさまの理解が深まることが大切だと思うので、そのために尽力していきたいと思います」と抱負を述べました。

    新設される「広報室」は民間企業からも1人を採用して、当面9人体制でスタートし、年度内にさらに民間から起用し、10人体制となります。

    皇室の名誉を損なう不適切な出版物などへの対応も行うほか
    ホームページのリニューアルについても検討を行いイギリス王室などが行っているSNSを使った
    情報発信などについても研究するとみられます。

    既存の「報道室」は記者クラブの取材対応に特化します。


    続きはソースをお願いします
    Yahooニュース TBS 2023/04/01 0:09
    https://news.yahoo.co.jp/articles/b53b37a19d59f3c43409bdbd255ae3526f5a308a

    【【皇室】宮内庁「広報室」を新設、初代室長に警察庁の藤原氏…皇室の名誉を損なう不適切な出版物などに対応】の続きを読む



    女系天皇は誕生しないのかな。

    現在、日本では男系男子しか皇位継承を認めておらず、40歳以下で皇位継承権があるのは秋篠宮家長男の悠仁さまだけだ。神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは「男系男子に固執していては、皇室は行き詰まってしまう。『男系男子』固執派のリーダーと見なされていた安倍晋三元首相も、実は男系にこだわってはいなかった」という――。

    ■イギリスのチャールズ新国王は「女系」

    去る9月8日、日本の皇室とも縁が深かった英国王室のエリザベス女王が亡くなられた。これによって、同国としては久しぶりに「女系」の君主が即位されることになった。新国王のチャールズ3世だ。

    英国で女系の国王が即位したのは、ヴィクトリア女王の後に即位したエドワード7世(在位期間は1901年~1910年)以来のことになる。

    エドワード7世が即位した時は「男系」によって、それまでのハノーヴァー朝からザクセン=コーブルク=ゴータ朝へと改称した。このザクセン=コーブルク=ゴータ朝が、英国とドイツが戦った第1次世界大戦中に、当時の英国内の反ドイツ感情に配慮して、ドイツ系の王朝名から現在のウィンザー朝に名前を改めた事実は、比較的よく知られているはずだ。ウィンザーは王室の離宮の所在地の地名に基づく。したがって、現在の王室はハノーヴァー朝から血統そのものが断絶したのではないため、その“直系”と見なされている。

    「女系」とは女性の系統、つまり母親の血筋に属することを指し、チャールズ3世は母親のエリザベス女王の血統によって王位を継承されたので、「女系の男性君主」ということになる。

    一方、「男系」は男性(父親)の血筋に属することで、たとえばわが国の敬宮(としのみや)(愛子内親王)殿下が即位される場合は天皇陛下の血統に基づくので、「男系の女性天皇」という位置づけになる。

    その上で、もし敬宮殿下のお子様が皇位を受け継がれるとしたら、女性天皇である母親の血筋によって即位されるから、その方は「女系の天皇」ということになる。

    ■「女系継承」は皇位の正統性を脅かすのか

    ところで日本国内では、「女系」による皇位継承は、王朝の断絶・交替を招き、皇位の正統性が失われ、国民の分断を惹(ひ)き起こして、日本はもはや日本ではなくなる……などという穏やかならざる主張が一部でなされている。

    果たして、このたび「女系」の新国王が即位した英国でそのような事態が起きただろうか。

    もちろん、エリザベス女王という偉大な存在が失われた結果、それまで目立った動きを控えていた英国内の「共和主義者」たちが声を挙げ始めたり、英連邦王国から離脱しようとする国が現れたりしても、不思議ではない(「産経新聞9月14日付ほか)。

    しかしそれらは、おもにチャールズ3世自身の資質や人柄、実績などによるものであって、血統が“女系だから”という理由で、「国王」の地位そのものの正統性や権威が揺らいでいるわけではない。

    ■日本は世界の潮流から外れている

    日本の一部では、イギリスで女系継承により王朝交替が起こって、チャールズ3世の父親だったフィリップ王配の姓(ファミリーネーム)であるマウントバッテン朝に改まるという臆測もあった。だが、そのようにはならなかった。

    女系継承に基づく国民の分断や英国が英国ではなくなる――などに至っては、誇大妄想としてもあり得ない。

    そもそも21世紀の現代に、伝統ある立憲君主国の中で「女系」継承によって君主の地位の正統性や権威が左右されるなどと大騒ぎする国が、一体どこにあるだろうか。

    今どき、「一夫多妻」制を採用しているヨルダンサウジアラビアなどを除き、君主の地位の継承資格を「男系男子」に限定しているような国は、日本以外には“ミニ国家”のリヒテンシュタイン(人口わずか4万人弱)ぐらいしか存在しない。

    ■無理筋な「男系男子」限定

    このように見ると、わが国での皇位継承の在り方をめぐる議論において、一部の人たちが、明治の皇室典範で新しく法的ルールとして採用された、皇位継承資格を「男系男子」に限定する“縛り”を頑なに維持しようとする姿勢は、かなり奇異と言わざるをえない。

    もともとそのような縛りは、明治典範に規定されていた、正妻以外の女性(側室)から生まれた子供など(非嫡出子・非嫡系子孫)にも継承資格を認めるという旧時代的な仕組みと“セット”でなければ、決して維持できないルールだった。

    今の皇室典範では、非嫡出子・非嫡系子孫には皇位継承資格以前に、“皇族”としての身分自体も認めていない。だから、もし本気で皇室の存続と皇位の安定的な継承を願うならば、皇室典範がルールを変更した時点で、それとセットで「男系男子」限定の縛りも解除しておくべきだった。

    ここで注目すべきなのは、そうした無理筋な「男系男子」限定に固執する人たちが敬意を払っていた故・安倍晋三元首相の生前の発言だ。

    ■安倍元首相は「『男系男子』固執派」だったのか

    安倍元首相は、小泉純一郎内閣の官房長官として、女性天皇女系天皇を可能とする皇室典範の改正を目指していた同内閣の方針を転換させて、「凍結」(問題解決の先延ばし)へと舵を切った。

    また、野田佳彦内閣で検討を進めていた「女性宮家」プランについても、同内閣の後をうけて第2次安倍内閣が発足した直後に「白紙」(問題解決の先延ばし)に戻してしまった。

    さらに、自民党が政権を失った野党時代、安倍氏自身の個人的見解として以下のように述べていた。

    「敗戦という非常事態で皇籍を離脱せざるを得なかった旧宮家の中から、希望する方々の皇籍復帰を検討してはどうだろうか」(『文藝春秋平成24年2012年]2月号)

    いずれも、「男系男子」固執派の人たちに寄り添った姿勢だ。

    しかし、いささか意外かも知れないが、実はそのような立場で一貫していたわけではなかった。

    ■安倍氏の“手のひら返し”の理由

    いくつか発言を紹介する。

    「(被占領下に)皇籍を離れた(旧宮家の)方々はもう既に……70年以上前の出来事でございますから、今は言わば民間人としての生活を営んでおられる……それを私自身がまたGHQの決定を覆すということは全く考えていないわけでございます」(平成31年2019年3月20日、参院財政金融委員会での答弁)

    これは、先に引用した『文藝春秋』誌上での自らの発言を全面的に覆した答弁だった。この答弁については安倍氏が後日、周囲に「本意」は「違う」と釈明したという報道もあった(産経ニュース平成31年[2019年]4月1日、18時48分配信)。だが、国民への責任を伴う国会での答弁の方がもちろん重く、それを見る限り後の報道内容は苦しい言い逃れにしか聞こえない。では、なぜこのような“手のひら返し”が起こったのか。その謎解きは次の発言が参考になる。

    「(旧宮家の当事者の中で皇籍取得の意思がある人は)いないんです」

    これは私が直接、首相経験者の方から伺った安倍氏の発言だ。その方が安倍氏とサシの場で率直に「旧宮家で実際に皇籍取得の意思がある人はいるのかどうか」を尋ねたところ、安倍氏は正直に上記のように答えたという。

    安倍氏は先の文章でも「希望する方々の……」と書いていた。しかし、「希望する」人が誰も「いない」のであれば、手の打ちようがない。それを国会の場で明け透けに語るのもはばかられるので、先のような答弁になったのだろう。

    振り返ってみると、政府はこれまで旧宮家の当事者への意思確認について、不自然な答弁を繰り返してきている。たとえば次のような答弁だ。

    「そうしたみなさんに(皇籍取得の意思を)確認したことはないし、していく考えもない。これは(今後も)変わらない」(令和3年[2021年3月26日、参院予算委員会での加藤勝信内閣官房長官の答弁)

    しかし、まず当事者への意思確認をしなければ、養子縁組その他の方法で、それらの人たちを皇室に迎えるわけにはいかない。だから不可解な印象を免れなかった。

    これも先の首相経験者の方への安倍氏の回答によって、その“裏事情”を察することができる。つまり、政府は当然ながら旧宮家の対象となるべき人たちへの“非公式な”意思確認をすでに済ませていて、その結果、「(誰も)いない」ことが明らかになったので、先のような答弁を繰り返すほかなかった――ということだろう。

    ■「憲法を改正しなくても女系・女性天皇は可能」

    「憲法においては、憲法第2条に規定する世襲は、天皇の血筋につながる者のみが皇位を継承することと解され、男系、女系、両方がこの憲法においては含まれるわけであります」(平成18年2006年1月27日、衆院予算委員会での内閣官房長官としての答弁)

    これは、安倍氏が政府の一貫した立場を表明したものだ。

    内閣法制局の執務資料にも「憲法を改正しなくても、皇室典範を改正することにより、女系または女性の皇族が皇位を継承する制度に改めることができる」と明記している(『憲法関係答弁例集(2)』平成29年2017年])。

    ■巧妙に本音をぼかした国会答弁

    「安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題であり……男系継承が古来例外なく維持されてきた重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」(平成31年2019年3月13日、参院予算委員会での答弁)

    これは一見、「男系男子」固執派に寄り添った発言という印象を与える。しかし内実は、そのような印象を狙いながら、「男系男子」限定を“必ず維持する”という断定を巧みに回避し、フリーハンドの余地を広く残した、よく工夫された答弁になっている。

    まず「重み“など”」という言い回しで、男系継承の重み“以外”にも考慮すべき材料があることを示唆し、しかも答弁全体の力点は、あくまでも後段の「慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」に集約され、男系の「重み」から一直線に結論に短絡“しない”ことが明言されている。

    文脈上、「検討」の結果次第では、目的として明示された「安定的な皇位継承を維持する」ための現実的な方策が優先されることを含ませた言い方になっている(接続助詞の「ながら」では前段と後段は並行的な関係にとどまり、前段が後段を規定することはない)。

    ■皇位安定継承の唯一の解

    以上の安倍氏の発言をつなげると、皇位継承問題に対しておのずと一つの解答に導かれる。それは、安倍氏本人がかつて“凍結”したはずの小泉内閣の時に設けられた「皇室典範に関する有識者会議」の報告書の結論部分に書かれていた内容だ。

    「非嫡系継承の否定、我が国の少子化といった状況の中で、古来続いてきた皇位の男系継承を安定的に維持することは極めて困難であり、皇位継承資格を女子や女系の皇族に拡大することが必要である」(報告書20ページ)

    「男系男子」固執派のリーダーと見なされていた安倍氏だったが、旧宮家の当事者に皇籍取得への意思を持つ人が「いない」という現実に直面し、非嫡出子・非嫡系子孫の皇位継承可能性が排除された条件下では、「男系男子」限定への固執は皇室の行き詰まり以外の結果をもたらさないことに気づいたのだろう。

    ちなみに、国民である旧宮家系男性だけが“特権的”に婚姻を介さずに皇籍を取得する制度は、憲法第14条第1項が禁じた「門地(もんち)(家柄、家格)による差別」にそのまま該当する。だから、万が一それを“希望する”当事者がいたとしても、結局は認められない。

    ■「女性」というだけで継承資格が認められない日本

    このたび英国で女系の国王が即位され、今後もベルギーオランダスペインスウェーデンなど各国で女性君主の即位が相次ぐことが予想される。現代の普遍的な価値観に照らして、女性・女系君主を排除するルールは、明らかに異例となっている。

    そうした中で、今の制度のままでは次世代の皇位継承資格者はわずかお1人(秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下)だけという危うさを抱えるわが国が、いつまでも問題解決に後ろ向きの姿勢を続けるわけにはいかない。

    天皇・皇后両陛下のたったお一人のお子様でいらっしゃる敬宮殿下がすでに成年を迎えられたにもかかわらず、そのご将来がいつまでも宙ぶらりんなままという残酷な状態は、一刻も早く解消されねばならない。単に「女性だから」というだけの理由で、皇統の直系に当たる両陛下のお子様に継承資格が認められないことの異常さに、私たちはとっくに気づいているはずだ。

    ----------

    高森 明勅(たかもり・あきのり)
    神道学者、皇室研究者
    1957年岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録

    ----------

    公務でスコットランドを訪問中の、生前のエリザベス女王(右)とチャールズ皇太子(新国王)=2022年6月30日、イギリス・エディンバラ - 写真=PA Images/時事通信フォト


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【皇室】イギリスでは"女系"チャールズ国王が即位…日本でいまだ女系天皇が認められない不可解】の続きを読む

    このページのトップヘ