令和の社会・ニュース通信所

社会の出来事やニュースなどをブログに書いて発信していきます。あと、海外のニュースなども書いていきます。

    カテゴリ:国内 > 評論家


    池上彰さんの言葉には深い意味が込められています。

     8月は日本人には少し特別な月――「死」を想うことの多い季節です。

     お盆に亡くなった人を偲ぶのと同時期に、終戦記念日を迎えるからです。無謀な特攻命令、沖縄の地上戦、広島・長崎への原爆投下などにまつわるストーリーが毎年報道され、悲惨な記憶がえぐり出されます。この時期、戦争にまつわる番組や書籍にふれ、今の平和な暮らしとはかけ離れた時代を想像して不安になるお子さんもいるでしょう。「日本は戦争なんかしないよね?」と聞かれたら、さて、大人はどう答えたらいいのでしょうか。『池上彰のこれからの小学生に必要な教養』(主婦の友社)を2023年6月に上梓した池上彰氏が解説します。

    ◆◆◆

    誰もが納得する「正しさ」はどこにもない

     太平洋戦争の終戦から80年近く。これほど長く戦争をしないできた国は、世界的にも珍しいのです。その礎のひとつは平和憲法であり、もうひとつはアメリカとの友好関係でしょうが、謳われている「戦争放棄」の解釈や評価はさまざまに揺れ動いています。

     戦争・紛争に関する意見の違いはどこにでもあって、世界各地で起きている争いの当事者にもそれぞれに理由があります。こちらの言い分が正しい、あちらの主張ももっともだとウロウロしているうちに、「戦争は悪である」ということすら怪しくなってきます。誰もが納得するスッキリとした正しい答えは、どこにもありません。

     正解はないけれど、よりよい方法は何なのか? 子どもたちには、ぜひそういうことを考えてほしい。親ができるのは、そこにわが子を導いてやることだと思います。それは、自らの人生を豊かにする「教養」を身につけることにつながるからです。

    激動の時代を生き抜くための武器を持たせよ

     ところで、教養とは何でしょうか?

     私はそれを、「知識の運用力」だと考えています。

     世の中には、難しいクイズにすいすい答える人がいます。いろいろなことを知っているのは結構ですが、それが単なる物知りにとどまっているのでは、教養とは言えません。手に入れた知識を暮らしに生かし、よりよい行動につなげていけるのが教養です。

     すんなり東大に合格する頭脳があるのに、まともなご飯を食べることも運動もせず不健康に暮らしている人。正論をふりかざして、相手を思いやることなく論破する人。教養がない人は、知識があってもそれを行動に結びつけられません。

     教養とはいわば、生きる力です。

     新型コロナによるパンデミック、気候変動に伴う数々の災害など、私たちは今まさに、激動の時代を生きています。そういう世の中を、これから何十年も渡っていく子どもたち。長い人生を幸せに生き抜くには、教養という武器が大いに役に立つのです。

    住宅ローンを組むのは生活困窮者!?

     教養は単なる物知りではありませんが、土台になるのはやはり知識です。知識がなければ、それをつなぎ合わせてよりよい行動に結びつけることができません。

     以前、ある大学生に「鉄道会社が新しい車両を買う時は、銀行からお金を借りる」と話したところ、鉄道会社のような大きな会社が銀行からお金を借りていることに驚いていました。銀行からお金を借りるのは貧しいからだと思っていたからです。資産がなければ銀行に借金はできない、銀行からお金を借りられるのは社会的な信用があるからだと説明するとびっくりしていましたが、私の方が驚いてしまいました。住宅ローンを組むのは、困窮した人だと思っていたのでしょうか……。

     知識を得ることは、教養のある人になるための第一歩です。子どもに「なんで勉強しなきゃいけないの?」と聞かれたら、私なら「豊かな人生を送るためだよ」と答えます。いい学校、いい会社に入るのが勉強の目的ではないのです。

    日本1300年以上前から戦争を繰り返してきた

     戦争についても同じ。まずは知識を得るのが教養に至る道です。

     日本で戦争というと、太平洋戦争イメージする人が多いでしょう。もう少しさかのぼって、日清・日露戦争を思い浮かべる人もいるかもしれません。でも実は、1300年以上も昔に朝鮮半島に軍隊を送り込んでいるのです(663年・白村江の戦い)。その後の元寇、秀吉による朝鮮出兵、江戸末期の薩摩藩とイギリス、長州藩とフランスの戦い、日清・日露戦争日中戦争太平洋戦争と、関わってきた戦争の数々を知ると、日本も戦争を繰り返してきたのだと実感します。

     こうした知識を教養のレベルに引き上げるには、「その戦争が世の中をどう変えたのか」「戦争の教訓はどう生かされたのか」と、掘り下げていく必要があります。

    教養は知識を深掘りした先にある

     ○○戦争が起きたのは××年という知識から踏み込んで、「なぜ戦争が起きたのか」「日本はこの先も戦争をしないと言えるのか」と考えを深めてゆく。アメリカの基地が日本にあるのはなぜだろう? 自衛隊の役割って何? ウクライナの紛争は自分の暮らしとは無関係なのかな? テレビで観た北方領土問題ってなんだ? 知識がつながり、するとまた次々に知りたいことが出てきます。

     戦争はいけないと誰もが言うけれど、戦争はなくならない。なぜなんだろう。自分なりに突き詰めていく中で、人間の愚かさ・未熟さに気づくこともあるでしょう。そうした発見は、「国を守るために戦え!」といったスローガンを反射的に受け入れる前に、立ち止まって考える人格を作っていきます。

     歴史を掘り下げると、「今」は「過去」のできごとがつながって成り立っているとわかります。そして、自分もまた「今」をよりよい「未来」につなげるための社会の一員だと理解する。それこそが教養だと思うのです。

    教養を身につけた子どもは自己肯定感が高い

     どんなに美しい言葉で飾っても、戦争は人と人との殺し合いです。わが子を“人殺し”にしないために親ができるのは、子どもにものごとを深く考える習慣をつけてやることです。戦争をしない国であり続けるために自分には何ができるのか――そんな風に考えられる教養を、ぜひ身につけさせてほしい。戦争に関する報道が多くなる夏休みは、親子でそういう話をするいい機会かもしれません。

     教養は、人生で困難にぶつかった時、助けてくれる人や情報にたどりつく道しるべになります。教養がある人はバランスのとれた行動をするので社会的に信用され、人とのネットワークが広がります。周囲から好意的に見られることで、自己肯定感も高まります。激動の時代に生きる子どもたちにとって、人生のさまざまな局面で強い武器になってくれるのが教養なのです。

    (池上 彰)

    ©AFLO


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【社会】池上彰が伝えたい「わが子を人殺しにしないために」親がすべきたった一つのこと】の続きを読む



    (出典 www.zakzak.co.jp)


    池上彰氏の反省の姿勢は評価できます。性被害は女性だけではなく、男性にも起こる問題ですから、これを機に社会全体で意識改革が進むことを期待したいです。

    1 Ailuropoda melanoleuca ★ :2023/08/06(日) 23:01:50.63 ID:M5QA02lS9
    2023年8月6日 19:21

     ジャーナリストの池上彰氏が6日、日本テレビ系「真相報道 バンキシャ!」に出演。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長による性加害問題についてコメントした。

     同問題については4日に国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会の専門家が元所属タレント7人や事務所に対して行った聞き取り調査について、会見を行った。

     会見では専門家が「同社のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」「日本のメディア、企業は数十年にもわたりこの不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」と指摘。さらに、日本政府に対して、透明な捜査を確保し、被害者を主体的に救済するように注文をつけた上で、ジャニーズ事務所が設置している再発防止チームの調査についても「透明性と正当性が疑念が残っている」とした。

     池上氏は「これは個人的な反省になるんですけれども、私自身も男性が性被害を受けているという事が、長らくピンとこなかったんですね」と告白。続けて「考えてみますと海外でもカトリック神父による少年への大規模な性的虐待の実態が明らかになり、結構海外では大きなニュースになっていたんですね。性被害ってのは男女を問わず起こることなんだと認識していたにもかかわらず、しかし、どうしてもですね性被害の被害者は女性、あるいは小さな女の子だという昔ながらの固定観念にとらわれていて、深く考えられてはいなかったなという反省がありますね」と心境を吐露した。

     MCの桝太一アナから「女性だけでなく男性の性被害者も声を上げにくい現状があることをどう思うか?」と聞かれた、池上氏は「今回の問題をきっかけに、男性の性被害について社会的な関心が高まっている訳ですね。非常にデリケートで打ち明けにくい話ではあるんですけど、被害に遭った人が悪いわけではないわけですね。だから、被害に遭った人が声を上げやすい、あるいは相談しやすい環境を作ると共に、私たちもですね固定観念にとらわれないようにする、そういう意識を持つことが大事だなと思いますね」と述べた。

     最後に桝アナが「政府が男性に特化したホットラインを開設するなど新たな動きも確かに出てきています。『バンキシャ!』も今後、池上さんがおっしゃった通り、決して固定観念にとらわれることなく、男性の性被害とも向き合って伝えてまいります」と今後の番組のスタンスについて言及した。

     ジャニーズ事務所の性加害問題については4日にも、国連人権理事会が会見を開き「政府が主な義務を担う主体として透明な捜査を確保し、謝罪であれば金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性」があることを示唆する声明を公表するなど、問題は長期化している。 

    https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/272121

    【【社会】池上彰氏 ジャニーズ性加害問題で反省「男性が性被害を受けているという事がピンとこなかった」】の続きを読む


    この記事を読んで、少子化問題に対する政府の対応の甘さが感じられます。若者が結婚や出産に踏み出しやすい社会環境づくりが急務であり、それに対応するための政策が必要です。現実を無視せず、課題に真剣に向き合ってほしいと思います。

    1 首都圏の虎 ★ :2023/08/04(金) 21:21:21.57 ID:aZV9MzVl9
    本気でやる気がない
    日本の少子化の原因は、既に結婚した夫婦が子どもを産まない(産めない)ことではなく、そもそも婚姻数の減少であることは何回もお伝えしている通りだが、最近SNS上の書き込みを見てもその認識が広まっているように思う。

    「子育て支援はそれはそれとして大切だが、それをどれだけ充実させても出生数は増えない」という事実も以前に比べればかなり認知度は高まっていると思う。

    にもかかわらず、相変わらずその事実を頑固なまでに無視し続けているのが政府とこども家庭庁なのだが、先月22日にキックオフした「こどもまんなかアクション」が的外れすぎて大いに炎上したことは記憶に新しい。

    「こどもまんなかアクション」とは、政府が子育て支援に対する国民の理解を深めるために取り組む国民運動だそうだが、その中身はあえてここで記載することも憚れるほど無意味なものであり、政府とこども家庭庁は少子化対策に本気で取り組む気がないということを世間に十分にアピールした結果となった。

    先延ばし体質と永田町的スピード感
    担当の小倉大臣は「子どもや子育てに優しい社会に向けた機運醸成のため、取り組みを継続的に進めていきたい」と述べたらしいが、随分と悠長な話だと思う。

    第三次ベビーブームが起きなかった時点で、ただでさえ今から先の婚姻対象年齢人口は減り続ける。

    結婚には年齢制限はないが、結婚して出産し子育てをするということには年齢の限界がある。つまり、出生数云々をいうのであればタイムリミットがある話なのである。政治がよくやる「先延ばし」をしていては、もう取返しのつかない状況になるし、岸田首相のいう「永田町のスピード感」が一体時速何キロの話をいっているのかと問いたいものである。

    晩婚化なんて起きていない
    以前にも、「日本では晩婚化など起きていない。晩婚化ではなく結婚が後ろ倒しになったがゆえの結果的非婚化なのである」という話を書いた。

    再度、確認のために、最新のデータを示すと、2000年と2021年の男性の年齢別初婚数の推移をみていただきたい。

    男性の初婚数は、2000年の61.5万組から、2021年は29.9万組へと激減した。実に半減以上である。初婚だけではなく全体の婚姻数の比較でいえば37%減なので、いかに初婚ができなくなっているかがわかると思う。

    しかも、問題はもっとも初婚が多い25-29歳の初婚数の激減ぶりなのだ。

    男性の平均初婚年齢は31.0歳だが、中央値は29.5歳である。初婚する男性の半分以上は20代のうちに初婚しているのである。裏返せば、日本の婚姻数が激減しているのは、この29歳までの初婚が減っていることに大きな要因があるのだ。

    そして、この20代のうちに結婚したくてもできなかった層が、30代以上で結婚できるかといえばそうはなっていない。30代全体でもマイナスだし、その分40代以降の初婚が増えているかといえばまったく増えているとは言えない。

    要するに「晩婚化など起きていない」ということだ。これは女性でも同様である。

    出生減は婚姻減
    そして、初婚数が減少すれば出生数はそれに完全に比例して減少するということも明らかな話である。25-29歳というもっとも初婚の多い年齢帯における、初婚数と出生数の2000年と2021年の比較をすれば一目瞭然だ。

    比較のために両方とも25-29歳女性とする。

    初婚数

    2000年308790組→2021年131006組(▲58%)

    出生数

    2000年470833人→2021年210433人(▲55%)

    つまるところ、この25-29歳を核とした「結婚したいのに結婚できなくなっている若者の不本意未婚問題」が出生数の減少に直結しているのであり、それにはまず今まさに何が20代代の若者に起きているのかを正確に把握しないといけない。安易に「官製婚活支援」とか「マッチングアプリ業者と組めばいい」などという話ではない。

    結論からいえば、それは若者にのしかかっている経済問題なのである。

    全文はソースで
    https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/70fd83d6b492a43e29e1c9eaf441744a17fe06b9

    【【荒川和久氏】少子化は「20代が結婚できない問題」であることを頑固なまでに無視する異次元政府】の続きを読む


    苦言を呈する。

    1 首都圏の虎 ★ :2023/08/01(火) 17:37:44.68 ID:gOqYwlfT9
     脳科学者の茂木健一郎氏(60)が1日「X」(ツイッター)を更新。自民党の松川るい参議院議員、今井絵里子参議院議員ら同党女性局員38人が7月末にフランスで観光旅行のような写真をSNSに投稿し、炎上した問題に言及した。

    松川氏と今井氏は自民党女性局のフランス研修中に撮影したとされる写真をSNSに投稿。パリ・エッフェル塔の前でポーズを取る写真などにネット上では「浮かれすぎ」「社員旅行か」「反感しかない」などの声が多数上がっている。

     これについて茂木氏は「写真一枚で目くじらを立ててそのような底の浅い義憤とやらが通ってしまう世相の方がよほど問題だと思う」と過剰反応だと指摘。

     その上で今回の問題で騒いでいる人たちに対し「みんな余裕なさすぎ」といさめている。

     松川氏は「誤解を与え反省。軽率だった」と謝罪している。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/638d9061b6e0dea711ad4ba393b90d00cbbf6521

    【【社会】茂木健一郎氏 今井絵理子氏ら叩くネット民に苦言「みんな余裕なさすぎ」】の続きを読む


    ロシアの「機構」がスターリン主義へ回帰するのは非常に懸念すべきことです。過去の歴史を見る限り、スターリン主義は人権侵害や政治弾圧を伴うものであり、民主主義や自由を尊重する国際社会との協調関係が難しくなる可能性もあります。

    武装蜂起したワグネルのプリゴジン氏だが、プーチン大統領にとっての「中立化」が達成されていれば、どうやら殺されることはないようだ
    武装蜂起したワグネルプリゴジン氏だが、プーチン大統領にとっての「中立化」が達成されていれば、どうやら殺されることはないようだ

    ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。本連載「#佐藤優のシン世界地図探索」ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく!

     * * *

    ――去る6月23日ワグネルのブリゴジン氏が武装蜂起しました。これは、プーチン大統領プリゴジン氏が密かに組んで、ロシア軍の中の反プーチン勢力を駆逐するための罠だったのではないか、という予測もできるのではないでしょうか?

    佐藤 全然、違いますね。ブリゴジン氏はそんなに頭が良い人じゃないですよ。

    ――では、ブリゴジン氏は今後、殺されてしまうのでしょうか?

    佐藤 彼を殺して何かプーチン大統領に利益がありますか?

    ――やはり暗殺はプーチン大統領の得意技の一つじゃないですか。放射能核物質・ポロニウムを寿司にふりかけたり、政敵の帰宅した家のドアノブに劇薬・ノビチョクを塗って殺してしまうとか...。

    佐藤 プーチンの目的はプリゴジン氏の「中立化」です。歯向かう気のないブリゴジン氏には関心がないですし、殺す価値もありません。殺せば西側諸国が騒ぎ立てるので、ロシアにとってマイナスになるだけです。だから、プーチンはそういった非合理なことはしません。

    ――では、いまプーチン大統領ロシア国内でやっている事は何なのでしょう?

    佐藤 それは、ロシアの経済システムとして資本主義を維持しつつ、機構を「スターリン主義」に回帰させていくことです。

    ――なるほど。西側メディアは「プーチン体制は揺らいでいる」と大騒ぎしているようですが...。

    佐藤 ロシアの論理を理解していないから騒ぐのです。対して、日本政府は全く揺れていませんよね?

    ――岸田首相は悠々と、深海を泳いでいるようにもみえます。

    佐藤 ワグネルの乱ウクライナ問題と関係のない「内政問題」なので、プリゴジン氏を煮て食おうが焼いて食おうがロシアの勝手です、というのが日本政府の立場です。

    だからこれは、欧米メディアと米国政府やドイツ政府がぶれているだけの話で、プーチンの権力基盤に全く関係のない話です。

    軍とプーチンの間の亀裂も全くありません。だから、日本を含む西側メディアが勝手にから騒ぎしているだけなのです。

    ――『から騒ぎ』はシェイクスピアの喜劇にありますよね。

    佐藤 プリゴジン氏をめぐる「から騒ぎ」はかなりレベルが低い話と思います。

    ――話を戻すと、ワグネル叛乱後にロシア民間軍事会社、要するに傭兵部隊を全て、ロシア連邦軍参謀本部情報総局・GRUの傘下に組み込むと、プーチン体制がさらに強化される事になりますか?

    佐藤 それが進行していると思います。ただ順番が逆で、GRUの傘下に傭兵部隊を一元化しようとしてプリゴジン氏が傷付けられたことで、ワグネルの叛乱が生まれただけの話です。そんな難しい話ではありません。

    ――では、プーチン体制がより強固なものになったら、プーチン個人が判断を誤り、暴走するという危険性はないですか?

    佐藤 ありません。なぜなら、ロシアは個人による独裁国家ではありません。いま進めているのは「システムの強化」です。たとえば、暴走を抑える装置としては、正規軍、国内軍、それから、国内連邦保安庁の軍があります。

    武装叛乱の時、ワグネルによって国内軍のヘリが撃たれましたが、それでそばにいた国内軍が反撃しないのは、軍人の常識から考えられますか?

    ――確かにおかしいですね。

    佐藤 それはおかしいのではなく、「絶対に反撃するな」というプーチンの命令があるのです。つまり、それにきちんと従っているのであり、すなわちシステムが機能しているのです。

    プーチン個人の暴走はあり得ません。そもそもプーチンシステム中の人間ですから、システムの中にいるトップが暴走する事はありません。それがシステムなのですから。

    ――佐藤さんは、プーチンが政権内のエリートを飛ばして、直接テクノクラートと結びついていると指摘されていますが...。

    佐藤 その傾向は強まっています。特に経済エリートです。その経済閣僚たちの影響力がプーチンを支えているのですが。そして、もう一つの力の象徴はKGBと軍隊です。

    いまプーチンは、その後段に権力がシフトしていて、政治に関しては前段の人たちをあまり信頼せず、経済人や技術者に関しては、直接現場と結びつく傾向が強まっているのです。

    なのでいま、プーチンの周辺にいるリベラルな人たちを排除していくのが基本的な流れだと思います。そして、政治に口出しする軍人たちを整理していく。この二つの流れが急速に進んでいます。

    ――ワグネルの叛乱発生の後に、軍の高官が続々逮捕されていなくなってます。彼らがすなわち「言う事を聞かない連中」なんですか?

    佐藤 そうなりますね。ただこれは、軍の政治的判断ではありません。ロシア革命後にレーニンの命令を受けたジェルジンスキーが、KGBの前身機関・チェーカーに在籍したときからの流れです。

    言われた事だけをやるのが「赤軍」の軍人の伝統です。そもそも赤軍は党の軍隊ですから。
    でもいまは、民間軍事会社の傭兵や軍が金を持つようになってきました。すると、様々な場所に軍政に口を出す軍人が現れてきます。そんな彼らがブリゴジン氏とくっついたというわけです。こういう軍人は全員整理されてしまうでしょう。

    いまロシア軍は、赤軍の伝統に回帰しています。政治が優位なのです。赤軍の場合、各部隊に党から送られる政治将校(コッミサール)がいましたよね?

    ――いましたね。恐ろしい方々です。共産党の言う事を聞かない兵士たちを震え上がらせる存在でした。

    佐藤 いま政治将校は存在しませんが、軍は政治に絶対に従属する。これを徹底しようとしているんですね。

    ――今のロシア軍は"鋼鉄の軍隊"・ソ連軍に回帰しているのですね。

    佐藤 そういうことです。だから、軍が政治的な動きをすることは絶対に許さないのです。

    ――では、逮捕されてしまった軍人の方々は、全員シベリアで整理されてしまうのですか?

    佐藤 それは違います。年金生活に入るだけですよ。

    先ほども言ったように、プーチンの目的は「中立化」です。逮捕でも、国外追放でも、年金生活でも、プーチンに歯向かってこなければ、中立化は達成された事になります。であれば、あとは構わないのです。

    ――つまり、殺されることはないと。その証の一つが、ワグネルのブリゴジン。そこがスターリンプーチンの違うところですね。

    佐藤 そうです。

    次回へ続く。次回の配信は8月4日(金)予定です。

    佐藤優さとう・まさる)
    作家、元外務省主任分析官
    1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。
    『国家の罠 外務省ラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

    取材・文/小峯隆生 写真/©Pool/Wagner Group/Planet Pix via ZUMA Press Wire/共同通信イメージ

    武装蜂起したワグネルのプリゴジン氏だが、プーチン大統領にとっての「中立化」が達成されていれば、どうやら殺されることはないようだ


    (出典 news.nicovideo.jp)

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