宇宙はあまりにも広大で、どこかに文明を持つ宇宙人が存在していてもおかしくない。なのになぜ見つからないのだろう?この「フェルミ・パラドックス」に対して新たな説が提唱された。
それによると、高度な知的生命体である宇宙人にとって、地球人はあまりにもレベルが低すぎる為、わざわざ連絡をする必要すらないと思われているらしい。
高度な知的文明を持つ宇宙人は、単純な生命体と見なしている地球人を、いちいち調査しているヒマなどないのだという。
この解答は、エルサレム・ヘブライ大学のアムリ・ワンデル氏が『arXiv』(2022年10月27日投稿)で公開した査読前論文で詳しく解説されている。
それによると、高度な地球外文明を持つ宇宙人にとって、ただ生命が宿っているだけの惑星には、それほど関心がないのだという。
というのも、広大な宇宙には単純な生命ならどこにでもあるのだという。もしそうなのだとしたら、いかな高度な宇宙文明であっても、そうした惑星すべてを探索するだけの時間やリソースはないことだろう。
そのような状況において、直接探査機を送り込んでの調査はきわめて難しいし、ずっと楽に行えるメッセージの送信ですら、ほとんどの生命がそれを理解できない原始的な存在なのだとしたら、時間の無駄だ。
人工的なサインを検出すれば知的文明が発見できる
だがそこに高度な知的生命体がいるのなら話は別だ、宇宙人にとっても興味のある対象となる。
「フェルミのパラドックス」が問うているのは、なぜ”知的生命体”は見つからないのかということだ。
だから、確かにこの銀河に知的生命体は比較的まれな存在なのだろう。ならばただの原始的な生命ではなく、知的生命体ならば、高度な宇宙文明はきっと興味を抱くと思われる。
そして遠方の惑星で暮らす知的生命体を探すのならば、人工的な電波などのサインを検出するのが一番手っ取り早いだろう。
これは我々地球人が現在「地球外知的生命体探査(SETI)」でやっているのと同じことだ。
ここでは宇宙人の立場に立って、彼らが地球の知的生命体を探そうとしていると考えてみよう。

地球から発したサインはあまりにも稚拙すぎた
彼らにとって一番見つけやすいのは、100年ほど前から地球人が発信し始めた電波だろう。
理論上、そうした電波はこの100年間で1万5000個の星に届いたはずだ。その場合、現在までにその電波に対して返答できたのは、50光年以内にある星だけということになる。
その範囲にある星は、天の川銀河にある1000億~4000億の星系のうち、1300星系だけだ。銀河レベルではほんの一握りだが、それでもゼロではない。
、ここで考えねばならないのは、これまで地球から宇宙へ向けて飛んだ電波は、意図的なメッセージというよりも、むしろたまたま宇宙に放たれたテレビ放送の電波がほとんどということだ。
SETIの科学者によれば、こうした電波は1光年も移動すれば、背景ノイズと区別できなくなると考えられるという。
つまり、仮に地球から50光年内にある1300の星系のどこかに高度な宇宙文明が存在したのだとしても、たまたま飛んだ地球からの電波をキャッチしておらず、地球に知的生命体がいることに気づいていない可能性はかなり高いのだ。

すでに述べたように、宇宙に単純な生命が豊富にいるのだとしたら、彼らが時間と労力と資源を費やして、わざわざ地球とコンタクトをとる理由は今のところない。
なぜこの広大な宇宙に宇宙人が見つからないのか? このフェルミのパラドックスに対する解答は、地球人が知的であるというサインを宇宙人が発見できていないからということになる。
果たしてこの説が正しいのかどうかはわからない。数ある説のなかの1つにすぎないか、それともそれが真実なのかは、40万年後と予測されている未知との遭遇で確認できるかもしれない。
References:Maybe we don't see aliens because they're waiting to hear a signal from us first / Aliens haven't contacted Earth because there's no sign of intelligence here, new answer to the Fermi paradox suggests / written by hiroching / edited by / parumo

(出典 news.nicovideo.jp)
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