ペットを5年以上飼っている65歳以上の人は認知機能が低下しにくいという研究結果(2023年12月17日)|BIGLOBE ... - BIGLOBEニュース ペットを5年以上飼っている65歳以上の人は認知機能が低下しにくいという研究結果(2023年12月17日)|BIGLOBE ... BIGLOBEニュース (出典:BIGLOBEニュース) |
アメリカ人を対象にした研究で、ペットを5年以上飼っている65歳以上の人は、飼っていない同年代の人に比べて、認知機能が低下しづらいことがわかったという。
咄嗟あるいは後から言葉を思い出す能力が高く、記憶力が良いことがわかったそうだ。
ちなみに65歳以下ではペットの有無で認知機能に違いはなかったという。この研究は、『Aging and Health』誌に掲載された。
2023年01月22日の記事を編集して再掲載してお届けします。
「認知症」は、認知機能の低下によって行動が逆行してしまう、おもに高齢者が発症する、不可逆的な神経学的症候群だ。
現在、アメリカ国民のおよそ580万人が認知症だとだと言われている。近年、高齢者の認知症は減少傾向にあるが、現在の団塊の世代がさらに高齢化すれば、その総数は増加すると予想されている。
認知症のリスクは高齢になるほど増え、患者数は85~89歳の人が22%、90歳以上の人は33%。それに比べて70~74歳の人はわずか3%だ。女性のほうが男性よりもわずかに多い。
なぜ高齢者が認知症になりやすいのか?
教育や学習が、認知症を発症を予防することは知られている。
その他、運動不足、うつ、社会的孤立、心血管疾患、高血圧、慢性ストレスなどの要因を減らすことも認知症予防対策となる。
認知症例のおよそ3分の1が、これらの要因に関連する生活習慣など、修正可能な原因によって起こっているそうだ。
ペットを飼うことと高齢者の認知機能の関連性を調査
ペットを飼うことは、感情的な支えやストレスの緩和によって起こる、さまざまな健康や疾患という結果に影響を及ぼすことがわかっている生活習慣のひとつの側面だ。
多くの高齢者がペットを飼っているが、そういう人たちの潜在的な認知的効果についてはほとんど知られていない。
つまり、ペットを飼うことによって、認知機能の衰えを必ず防ぐことができるとははっきり断定できないということです
ミシガン大学の神経学准教授で研究著者のティファニー・J・ブラリー氏は言う。
そこでブラリー氏は、米国人口の高齢化が健康、社会、経済に及ぼす影響を調査するため、50歳以上の米国成人を対象とした大規模調査データ「、健康と引退に関する研究」を分析した。
ミシガン大学が行ったこの研究は、2010年から2年ごとに2万人の被験者グループを調査した。
飼っている動物に関する質問は、2012年の研究にも含まれていて、この論文では、2012~2016年の間の調査データを分析した。
調査には、「現在、ペット飼っていますか?」、「どれくらいの期間、ペットを飼っていますか?」という質問が含まれている。
この研究では、さまざまな客観テストで認知機能を評価した。
研究者は、これらテスト結果は、総合的な認知評価スコアを作成するだけでなく、被験者を正常な認知力をもつ人、認知障害気味の人、認知症の人に分類するために使用したと説明した。
2010年の研究では、正常な認知力のある人たちのデータのみが分析された。
2012年の結果は、被験者の47%がペットを飼っていると報告されている。その時点で、飼っている期間は、1~5年が19%、5年以上が28%だった。
65歳以上で5年以上ペットを飼っている高齢者は認知機能が安定
その結果、65歳以上の高齢者で、5年以上の長期間ペットを飼っている人は、飼っている期間が短い人や、まったく飼っていない人に比べて、認知能力が優れていることがわかったという。
研究著者である、フロリダ大学ジェニファー・W・アップルバウム氏はこう語る。
「長期間ペットを飼っている人には、認知機能低下を食い止めるなんらかの保護効果があるのかもしれませんが、これがなぜ、どのようにしてそうなるのかを理解するためには、さらに研究が必要です」
ペットを飼うことと、認知能力との関連は、言語記憶においてもっとも強力に表れた。「継続的にペットを飼っている人は、とっさあるいは後からでも言葉を思い出す能力が高い」と研究者は書いている。
ただし65歳以下の若い被験者を考慮した場合は、これらのグループ間で認知スコアの違いは見られなかった。
認知機能以外にも糖尿病や高血圧の発症率が低いことも判明
さらに、ペットを5年以上飼っている人は、ペットを飼っている期間が短い、またはまったく飼っていない参加者に比べて、運動量が多く、BMIが低く、糖尿病や高血圧の発症率が低いという指標が示された。
長くペットを飼うことは、高齢者の認知力格差を縮める可能性があるようです。今回わかったことが、厳密な統計管理の点でも同じ結果であることに驚きました。
社会人口統計要因の統計モデルを調整して、既知の健康格差(例えば、人種、社会経済的地位など)の影響を、少なくとも部分的に説明できるようになりました
とアップルバウム氏は指摘する。
多くの場合、社会的不平等の健康への影響はとても大きいため、ペットを飼っていることによる健康へのプラスの影響が、健康格差を考慮した統計モデルでは消えてしまうことが多いのだ。
ただし因果関係は不明
この研究は、高齢者でペットを飼っている人に関する知見に役立つが、因果関係が明確になっていないことを考慮に入れなくてはならない。
とくに、精神的に安定していて、認知状態が良好な人ほど、よくペットの世話をすることができるため、ペットを飼う余裕があるという事実もある。
その為、観察結果に違いが生じることがあり、必ずしもペットを飼えば、認知機能の低下を防げるとは限らないのだ。
「私たちの研究の長期的な関連性は、確かに説得力がありますが、このやり方では、真の因果関係をはっきりと示すことはできませんでした」ブラリー氏は言う。
「人間と動物の絆の強さや認知的軌跡への影響などの情報や、こうした関係をとりもつことができる
生物学的メカニズムを含んだ、将来的な追加の研究がまだまだ必要です」
References:Owning a pet is linked to having better cognitive health in advanced age, study finds / written by konohazuku / edited by / parumo
(出典 news.nicovideo.jp)
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