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    カテゴリ:科学 > 研究


    実際にネス湖でネッシーとされるものが巨大ウナギだとすれば、それは非常に興味深い発見ですね。しかし、この最新の研究でもその存在は確認されていないようです。ネス湖にはまだまだ未知の生物が潜んでいる可能性もあると思うので、今後の研究結果が楽しみです。

    ネス湖に潜む謎の怪物「ネッシー」は、古くからスコットランドの民間伝承や目撃情報により注目を集めてきました。

    数々の目撃談や研究が行われ、一部ではネッシーは恐竜の生き残りなどと噂されていました。

    とはいえ恐竜の生き残りはあまり現実味がなく、現実的な解釈としてはそれが巨大うなぎの見間違いというものです。

    そこで米国の民俗動物学協会で行われた最新の研究では、以前行われたネス湖全域から採取された環境DNAの調査結果を元に、ネッシーと見間違う可能性のある生物があるか検証が行われました

    今回の記事では、ネッシー探索の歴史や民俗学的発見を探りながら、最新の科学的研究結果を紹介します。

    果たして、科学はネッシーの謎を解き明かすことができるのでしょうか?

    研究内容の詳細は2023年7月21日にプレプリンサーバーである『JMIRx Bio』に「The Loch Ness Monster: If It’s Real, Could It Be an Eel ? (ネス湖の怪物: 本物だとしたら、それはウナギでしょうか?)」とのタイトルでて公開されました。

    目次

    • 6世紀に遡る「ネス湖の怪物」の歴史的記録
    • 巨大ウナギネッシーの正体なのか?

    6世紀に遡る「ネス湖の怪物」の歴史的記録

    6世紀に遡る「ネス湖の怪物」の歴史的記録
    Credit:Canva . ナゾロジー編集部

    ネス湖は、スコットランドグレートグレン断層沿いに位置する十和田湖より少し小さな淡水湖です。

    ネス湖付近の怪物に関する最初の報告は、6 世紀(565年)に書かれたアドムナンの『聖コルンバの生涯』に記載されています。

    アドムナンによると、アイルランドの修道士聖コルンバが仲間たちとともにピクト人の地に滞在していたとき、水獣に襲われて死んだ男の埋葬に立ち会いました。

    その後、コルンバたちも水獣に襲われそうになりましたが、コルンバの言葉により水獣は立ち去り、コルンバの部下とピクト人はこれを奇跡として称えました。

    これはネス湖自体ではなく近くのネス川を舞台にした物語ですが、ネッシーを信じる人達は、これが6世紀にはすでにネッシーが存在していた証拠だと主張しています。

    ただ、水獣は中世の聖人伝説ではよく登場する存在のため、懐疑論者たちはそれが物語の面白さを増すための創作だと考えています。

    また1871年にはひっくり返ったボートに似た物体が「うねって水をかき回している」様子を住民が目撃し、記録に残しています。

    そして1930年代になると、ネス湖では巨大な首長竜のような怪物を目撃したという報告が次々と寄せられ、1934年にはあの有名なネッシーの写真(通称、外科医の写真)が撮影され、新聞に掲載されることになりました。

    この写真は後に、撮影者本人がおもちゃボートに恐竜の頭の模型を付けて撮影したフェイク画像だったことを告白していますが、近代のネッシーブームの火付け役となりました。

    1934年にはあの有名なネッシーの写真(通称、外科医の写真)が撮影され、新聞に掲載されることになりました。ただこの写真は後にフェイクであったことが判明している。
    Credit:Canva . ナゾロジー編集部

    地元の人々にとっては観光客が増えるなど経済効果がうまれましたが、少なくない研究者たちの興味も引き、民俗学的な発見につながります。

    民俗学の研究者が地元の歴史や口伝を調査したところ、ネス湖周辺では古くから水に潜む怪物についての民間伝承が語り継がれていたことが判明したからです。

    一般に「水に怪物が潜む」という伝承は、子供たちが水場に近づくのを防ぐために大人たちの作り出した物語が起源だと考えられています。

    ただネス湖ではその民間伝承が独り歩きし、中世では水獣やケルピー、近代ではネッシーとなって人々の耳に届いていたのです。

    民間伝承が全国的に共有され、それが多くの目撃報告に繋がるという現象は日本の「河童」などにもみられる現象ですが、ネッシーの場合はメディアの急速な普及によって世界規模の話題になりました。

    そのため20世紀後半になってもネッシーの探求熱は収まらず、潜水艇、ソナー調査、水中聴音器、水中写真撮影、水中ビデオ撮影などを使った体系的な捜索が行われるようになりました。

    しかし残念なことに結果はイマイチであり、巨大な怪物「ネッシー」につながる証拠は得られませんでした。

    ですがネッシーに対する興味は21世紀になっても続いており、2018年になるとネス湖の水に含まれる環境DNAの分析が行われました。

    巨大ウナギがネッシーの正体なのか?

    巨大ウナギがネッシーの正体なのか?
    Credit:Canva . ナゾロジー編集部

    通常DNAは皮膚や毛、骨など生物の体の一部から直接DNAを採取されます。

    しかし近年のDNA分析技術の進歩により、空中や水中など環境中に拡散した生物のDNA「環境DNA」を回収し分析することが可能になってきました。

    そこで2018年には、ネス湖の環境DNAを分析することで、ネッシーの正体を確かめようとする調査が実施されました。

    もしネッシーが噂通り恐竜ならば、ネス湖には爬虫類パターンを示す環境DNAが豊富に含まれているはずです。

    しかし結果は残念なものになりました。

    ウナギのものと思われる大量のDNAが検出された一方で、チヨウザメやナマズなど他の大型魚や爬虫類DNAはほとんど検出されなかったからです。

    そのため研究者たちは、中世から現代に至るまで語り継がれてきたネッシーの正体は、巨大ウナギであると結論づけました。

    ウナギの体の構造と機能は、細長い体形、一対の胸鰭、強力な筋肉組織と高振幅の曲がりくねった動き、厚い表皮と暗い色素胞を備えた耐久性のある外皮によって特徴付けられます。

    要するに、黒っぽくクネクネでヌルヌルしています。

    そのためもし暗い水の中で巨大ウナギが泳いでいる様子がみられた場合、水の下に巨大な怪物がいると錯覚してしまっても、おかしくはないでしょう。

    古くから伝わる民間伝承も、もしかしたら巨大ウナギをみたひとびとが怪物だと勘違いしたせいかもしれません。

    このネッシーの正体が巨大ウナギだとする説はその後、一般の人々にも知られるようになり「ウナギ仮説」の認知は広がっていきました。

    しかし、民俗動物学協会の研究者フロー・フォクソン氏による新たな研究は、ウナギ仮説に疑問を持っていました。

    というのもヨーロッパウナギで記録された最大体長は0.932メートルであり、ヨーロッパウナギ生理学的に考えられる最大体長は1.3 メートルと推定されています。

    一方、フェイクではあるものの外科医の写真で撮影されたネッシーサイズは2.4 メートルほどで、一般的に目撃されるネッシーの推定サイズは約 6.1 メートルほどとされます。

    そこで今回、フォクソン氏はネス湖やヨーロッパの他の淡水域からの漁獲データから2万匹以上のウナギについてサイズの分析を行いました。

    結果、ネス湖で記録に並ぶ1メートルの大型ウナギがみつかる確率は5万分の1であり、メディアで騒がれているような6メートルを超える大きさがみつかる確率は本質的にゼロであることが判明します。

    この結果は、ネッシーの正体は巨大ウナギではないことを示唆しています。

    また研究論文の唯一の著者であるフォクソン氏は「新しい研究では、うなぎのように滑りやすいテーマに科学的厳密さがもたらされている」と述べています。

    うなぎの滑りやすい性質と、ネッシーについての疑似科学が蔓延して科学的事実が滑りやすい状況をかけたユーモアなのでしょう。

    正直ネッシーに関する研究は、社会心理学の方向から行う方が妥当に思えますが、興味深いことにネッシーの追跡は潜水艇、ソナー調査、水中聴音器、水中写真、ビデオ撮影、そして環境DNAなど、それぞれの時代の最新技術を投入して、繰り返し実施され続けています。

    ここで利用されている技術はどれも民間や軍事において革命的な変化を起こしたものばかりです。

    事実がどうあれ、ロマンあふれるネッシー捜索は科学技術が通る、ある種の登竜門になっているのかもしれません。

    全ての画像を見る

    参考文献

    What if The Loch Ness Monster Was Actually a Giant Eel? https://www.sciencealert.com/what-if-the-loch-ness-monster-was-actually-a-giant-eel

    元論文

    The Loch Ness Monster: If It’s Real, Could It Be an Eel? https://xbio.jmir.org/2023/1/e49063
    ネス湖にネッシーと見間違える巨大ウナギは実在するか?最新の検証研究


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    経口補水液は水分補給に最適だと思っていたのですが、この記事を読んで驚きました。

    健康を保つにはどんなことに気をつければいいのか。腎臓専門医の髙取優二さんは「沈黙の臓器と言われる腎臓をいたわることが大切だ。スポーツ飲料や経口補水液、牛乳、赤身の肉、サプリメントなど腎臓に負担をかける食材・飲み物は避けたほうがいい」という――。

    ※本稿は、髙取優二『人は腎臓から老いていく』(アスコム)の一部を再編集したものです。

    ■「ペットボトル症候群」は腎臓の大敵

    夏の暑い時期はスポーツドリンクを飲む機会が増えます。

    スポーツドリンクにはミネラルが含まれており、発汗によりミネラルが失われがちになる夏場に人気の飲み物です。なかには、意識してスポーツドリンクを飲んでいる方もいるかもしれません。

    ただし、腎臓専門医の立場からすると、水の代りに多量にスポーツドリンクを摂取するのは、決して健康にいいとは言えないのです。

    ペットボトル症候群」という言葉をご存じでしょうか。ペットボトルに入っている清涼飲料水をたくさん飲んで起こる高血糖(血液中の糖分量が多い状態)です。

    症状として、のどが渇く、尿量が増える、疲れやすい、吐き気がするなどが挙げられます。そんなペットボトル症候群を引き起こしやすいのが、スポーツドリンクです。

    スポーツドリンクには、100ミリリットル当たり6gほどの糖質が含まれています。のどが渇くたびにスポーツドリンクを飲んでいたら、糖質の取り過ぎとなり、血糖値がぐんぐん上がります。そして、さらなるのどの渇きが起こるのです。この悪循環が高血糖を引き起こします。

    ■水分補給にスポーツドリンク、経口補水液は逆効果

    高血糖になると、なぜ腎臓がダメージを受けるのか。実は、腎臓は毛細血管の塊といっていいくらい、びっしり血管が詰まっています。血糖値が高くなると、血管が傷つきもろくなるため、腎臓の機能も低下するのです。

    また、含まれている塩分の量も多いので、飲みすぎると腎臓に負担をかけます。「のどが渇いた」という理由だけで飲むには適していません。

    スポーツドリンクを飲む必要があるのは、すでに脱水になってしまった場合です。脱水のときは、細胞の中と外の体液のバランスが崩れていて、水分だけを補給しても回復しません。ですから、塩分と糖質を含む経口補水液や、スポーツドリンクを飲むわけです。

    それから、コーヒーや緑茶では水分補給になりません。利尿作用があるカフェインが含まれているので、水分が排出されてしまい、逆効果です。

    水分補給には、特別な飲料ではなく、水を飲みましょう。

    ■「健康にいい食材」が40歳以上の人には負担になる

    患者さんとお話しする中で気づいたのですが、「健康によい」と思い込んで行っていることが、実は腎臓にダメージを与えている場合は少なくありません。

    例えば、しょっぱくて脂っこいラーメンなどは、年齢を重ねると胃腸が受けつけなくなります。加えて、「いかにも体に負担をかけそう」と見た目で判断し、避けるようになるでしょう。

    では、健康にいいというイメージが強く、子供時代に「栄養がある」などと勧められた食品については、どうでしょうか。

    たとえ食べたくなくても、「健康のために」とがんばって取り入れている人もいるかもしれません。しかし、子供の頃に推奨されていたことを、40歳を過ぎてからも続けているケースは、実は健康を損なっている可能性もあります。

    悲しい現実として、私たちの知らないところで、内臓などの機能は少しずつ衰えています。健康のために食べたはずのものが、子供の頃とは違って体の中で利用されず、蓄積して有害な物質になってしまうことがあります。

    そのダメージを受けるのが、腎臓です。

    ■牛乳の飲み過ぎはかえって危険

    一般に「牛乳は健康によい」というイメージがあります。そんなイメージができた背景には、学校給食で牛乳が提供されてきたことがあるでしょう。

    文部科学省が策定した「学校給食摂取基準」では、学校給食でのカルシウムの摂取量は、1日に必要な量の50%が基準値とされています。牛乳はカルシウムを多く含んでいるだけでなく、栄養のバランスも優れているため、学校給食に取り入れられたのだと考えられます。

    ですから、子供たちの骨の成長のために牛乳が推奨されることは、十分理解できます。しかし、比較的年齢の高い人が健康のため、あるいは骨がもろくなる骨粗しょう症を予防するために、牛乳を飲むことはお勧めしません。

    牛乳は、数ある飲み物の中でもリンの量が多いからです。

    リンを過剰に摂取すると、血液中のリンが血管に入り込んで、血管が硬くなる石灰化が起こります。それだけでなく、リンとカルシウム、血液中のたんぱく質が結びつくと、血管の内側を傷つけて炎症を起こしたり、石灰化を誘導したりします。

    こうして、動脈硬化を引き起こすのです。腎臓は血管の塊のような臓器です。動脈硬化が起きるということは、腎臓の機能が低下することと同じ意味だといえます。

    ■植物性の食品を勧める理由

    日常的によく食べられている料理には、牛乳や乳製品が使われていることも珍しくありません。

    チーズヨーグルト、生クリームアイスクリームなどは、乳製品です。ですから、こうした食材を使ったクリームシチュークリーム系のパスタグラタンドリア、ピザにも、リンが多く含まれます。

    牛乳や乳製品が使われている料理はあまりにも多いので、避けるのは非常に大変です。飲み物としての牛乳は、あまり頻繁に飲まないほうが賢明です。

    40歳を過ぎてから、骨の健康のために飲むとしたら、豆乳を私はお勧めします。植物性の食品に含まれているリンは、あまり吸収されないからです。

    ■赤身の肉は避けたほうがいい

    脂肪が少ない良質なたんぱく源として、赤身の肉を勧められるケースは少なくないようです。しかし、腎臓の機能を守るために、赤身の肉は避けたほうがいいでしょう。

    理由の一つは、たんぱく質量の割に、リンが多いからです。リンの過剰摂取は、腎機能低下、慢性炎症の引き金となることがわかっています。

    それから、赤身に限らず、動物性たんぱく質を多く含む肉類を食べると、体内で尿素窒素やクレアチニンなどの体のゴミ(老廃物)が増えてしまいます。こうしたゴミを排泄するために、腎臓への負担が大きくなります。

    この2点が、腎臓の機能が落ちた場合に、たんぱく質の制限が行われてきた理由となっています。

    ただ、たんぱく質を制限し過ぎれば、筋肉が弱って、全身の筋肉量が低下するサルコペニアなどの問題が起こります。そのため、含まれているリンが体に吸収されにくく、クレアチニンなども発生させにくい植物性の食品で、たんぱく質を積極的に補給してください。

    大豆を使った大豆ミートなど、代替肉を利用するのもいいでしょう。代替肉にも加工度によって添加物の量に差があるので、できるだけ添加物の少ないものを選ぶよう心がけてください。

    ■サプリメントの過剰摂取はNG

    私たちの生活ですっかり身近になったサプリメントですが、薬とは違って、気軽に利用する人は多いでしょう。注意したいのが過剰摂取です。

    40代以降で腎機能が低下していると、成分によっては血中濃度が上昇します。そのため、過剰摂取になりやすいのです。

    ビタミンAビタミンCビタミンEについては、体を活性酸素の害から守る抗酸化作用があるとして知られています。確かに適量であればプラスに働きますが、過剰に摂取すると、逆に酸化を促進させます。

    また、「骨を強くする」とされているビタミンDカルシウムを過剰摂取すると、血液中のカルシウム濃度が非常に高い「高カルシウム血症」を引き起こし、消化管の不調やのどの渇き、多尿が現れます。

    また、ビタミンB群とビタミンCは水溶性なので、体内に蓄積されずに排泄されます。そのためでしょうか、まったく量を気にせずに取っているケースがあります。

    加えて、「体に優しい」などとうたわれている漢方薬も、日常的に服用している人は珍しくありません。ただ、サプリメント漢方薬も、精製の段階で無機リンが加えられています。無機リンは食品添加物として数多くの加工食品に使われているため、過剰摂取になりやすく、腎臓に負担をかけます。

    ■腎臓がなくなると体の中がゴミだらけになる

    そもそも、腎臓が悪くなると、あなたの体に何が起きるのでしょうか。

    想像してください。もしもあなたの住む町で、下水処理場やゴミ焼却施設といったライフラインストップしたら、いったいどうなるでしょうか。キッチンで皿を洗った水も、浴室でシャンプーした後の水も、トイレで使った水も、排水口でたまったまま、流れていきません。

    そして下水管が詰まってしまったら、何かの拍子で下水が逆流して、家じゅうの排水口から一気に吹き出します。こうして家の床は、臭く濁った生活排水で水浸しになります。

    また、ゴミ焼却施設の操業が止まると、ゴミを載せた収集車は行き場をなくします。ゴミ捨て場のゴミも徐々に増えていき、道路にまであふれてきます。カラスや猫がゴミ袋をあさり、生ゴミがまき散らされて異臭を放ちます。その結果、町はどんどん汚れ、不潔になります。

    ライフラインについては「あって当たり前」なので、普段はほとんど意識が向けられていません。しかし、町の衛生を保って、住民が健康に暮らすために必要不可欠な存在なのです。

    そして人間の体が町だとしたら、住民が全身の細胞で、ライフラインの役目を果たしているのは腎臓です。もしも体から腎臓がなくなれば、細胞の活動で出てきたゴミ(老廃物)は排泄されません。そのために、体の中はゴミだらけになってしまうのです。

    ■「沈黙の臓器・腎臓」をいたわることが長生きの秘訣

    「腎臓は血液をおそうじするフィルター

    このたとえ話、多くの人が耳にしたことがあると思います。

    車の場合は、ガソリンを燃料にして動く際に、排気ガスを外に出しています(電気自動車を除く)。それと同じように、人間は空気と水と食物を体内に入れて活動していますが、その結果、体内で発生する有害なゴミ(老廃物)や毒素は、体外に排出しなくてはなりません。

    人間の体の細胞の数は、およそ37兆個といわれています。一つひとつの細胞が、血液で運ばれてきた栄養と酸素を受け取り、ゴミや二酸化炭素を戻しています。

    体のゴミには、次のものがあります。

    ●尿素窒素……たんぱく質が分解された後にできるゴミ
    クレアチニン……筋肉が運動するためのエネルギー源の燃えカス
    ●尿酸……遺伝子の構成成分であるプリン体が、肝臓で分解されてできるゴミ

    血液に乗って運ばれてきたゴミは、腎臓の糸球体という組織でふるいにかけられて、不要なものは尿として排泄されます。つまり、尿は血液からできているわけです。

    腎臓の働きが低下してふるいがザルになると、血液中にゴミが残るだけでなく、必要なものは尿に混ざってどんどん出ていきます。

    ■自覚症状が出てからでは手遅れである

    体のゴミの排泄というと、便を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、便に含まれるのは食べ物の残りカスや腸内細菌の死骸など、ほとんどが腸のゴミです。

    一方、尿については、血液に乗って運ばれてくる、全身のゴミを排泄しているのです。便秘が数日続いても不快な程度ですが、尿が出なくなることは生命の危機につながる深刻な事態です。

    この状態が続いたら、体にはゴミがたまっていきます。先ほどお話しした「ゴミ焼却施設のない町」「下水処理場のない町」のような状態になってしまいます。そして、心臓など全身の臓器は本来の働きができなくなり、命の危機にさらされます。

    もしも体から腎臓がなくなれば、汚れ切った血液が全身を巡り、脳や心臓、肝臓などはゴミだらけです。そのために、全身の臓器は本来の機能を果たせなくなるのです。

    腎臓は「沈黙の臓器」と言われます。病状の変化は少しずつ起こるので、自覚症状はなかなか現れません。むくみや頭痛、だるさを感じるようになっているときには、すでに腎臓の機能低下はかなり進行しているので、「非常にまずい状態」になっています。

    拙著『人は腎臓から老いていく』では、腎臓を元気にする「食」「運動」「呼吸」について詳しく解説しています。これを参考にしながら、普段から自覚して、腎臓を傷めつけない生活習慣を心がけてほしいです。

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    髙取 優二(たかとり・ゆうじ)
    医学博士、腎臓専門医
    1975年生まれ、鳥取大学医学部卒業後、岡山大学病院腎・免疫・内分泌代謝内科などを経て、現在は埼友クリニック外来部長。抗加齢医学(アンチエイジング)の観点から、腎臓病を捉えなおす新たな手法に取り組んでいる。日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医。「世界一受けたい授業」「林修のレッスン!今でしょ」など、人気番組の医療監修を多数手がける。

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    ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/somethingway


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    じつは「休肝日」は意味がない…肝臓専門医がアドバイスする"早死リスク"を最小限にするお酒の飲み方


    休肝日が意味がないとは驚きました。普段、アルコールを控えめに摂取しているつもりでしたが、これからはもっと気をつける必要がありそうですね。

    健康を守りながらお酒を楽しむにはどうすればいいのか。肝臓専門医の浅部伸一さんは「酒好きの人はアルコール性肝障害になるリスクが高い。必要なのはお酒を飲まない『休肝日』を作ることではなく、お酒の総量を抑えることだ」という――。

    ※本稿は、浅部伸一『長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい』(アスコム)の一部を再編集したものです。

    ■肝臓はひっそりと悲鳴を上げている

    お酒が好きで、しかも飲むときには揚げ物や糖質の多いものを一緒に食べることが好きな人。加えて肥満の人は、「アルコール性肝障害」になるリスクがとても高いでしょう。

    アルコール性肝障害とは、お酒の飲みすぎが原因の「アルコール性脂肪肝」、それが高じた「アルコール性肝炎」、さらにひどくなった「アルコール肝硬変」です。

    もともと肥満の人は、肝臓の細胞にも脂肪がたまっているのです。つまり「脂肪肝」です。脂肪肝によってアルコールを解毒する力が弱っているのに、そこにさらにアルコールを注ぎ続ければ……、当然ですが肝障害は進んでしまいます。

    また、ついつい深酒をして、深夜まで飲み続けるようなことはありませんか。もちろん飲み始める時間帯にもよりますが、一般的には深夜まで飲み続けるのは肝臓に負担をかけます。夜というのは、体内の代謝としては脂肪をためる時間帯だからです。

    ■アルコールの毒を分解する重要な臓器

    お酒を飲むとアルコールの成分はすぐに腸で吸収されて、血液の中に入ります。その9割は肝臓の代謝機能で分解され、1割は尿や息で排出されます。肝臓で分解されたアルコールは、「アセトアルデヒド」という物質に変わります。

    このアセトアルデヒドが、実は体にとっては有害物質。体内にアセトアルデヒドが長時間あると、二日酔いや悪酔いの原因になります。アセトアルデヒドも水や二酸化炭素などに分解されて、やがては体の外に出て行きます。

    ところが、このアセトアルデヒドを分解する時間が人によってかなり違います。アセトアルデヒドを分解する能力が、高い人と低い人がいるのです。

    分解能力の高い人は、いわゆる「お酒に強いタイプ」。飲んでも全然変わらない人です。分解能力が低い人は「お酒に弱いタイプ」。飲めばすぐに顔が赤くなる人です。その中間に、まあまあの能力で「そこそこは飲めるタイプ」がいます。

    3つのうちのどのタイプなのかは遺伝で決まっています。つまり、生まれながらの体質です。日本人の約1割は「弱い」タイプだといわれています。

    ■毒の処理能力は生まれながら決まっている

    遺伝で決まっているのは、アセトアルデヒドを代謝する「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きです。この酵素が強い人と弱い人がいるわけです。

    お酒に強いタイプなのか、弱いタイプなのかは生まれつきの体質で決まっているので、体質改善でお酒に強くなることはありません。「飲む機会が増えて、ずいぶんお酒に強くなったよ」と言う人もいますが、根本的な体質が変わったわけではありません。

    その一方で、肝臓の一般的な解毒作用でもアルコールやアセトアルデヒドは分解されます。こちらの解毒作用は、飲んでいれば多少は鍛えることができます。「そこそこは飲める」中間タイプの人が「お酒に強くなる」ことはあり得るわけです。

    ただし、もともと下戸(げこ)の人は、それも鍛えることはできません。

    ■「お酒に強い=肝臓が丈夫」はウソ

    ところで、ここが大切なポイントですが、「お酒に強い人」「そこそこ飲める人」=「肝臓が丈夫な人」というわけではありません。お酒が強い人でも大酒を飲み続けていれば、アルコール性肝障害や肝硬変になる可能性はあります。

    肝機能を下げないために、どのタイプの人も「適量」を、それも時間をかけて飲みましょう。

    では、「適量」とはどのぐらいの量でしょうか。厚生労働省は「一日20g(純アルコール換算)」を適量としています。これは、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインなら2~3杯に相当します。

    ただし、適量には個人差があります。アルコールやアセトアルデヒドの分解能力に個人差があるからです。また、男性のほうが女性よりもアルコールに強いとされています。女性のほうがアルコールによるリスクが高いということです。

    「1時間で処理できるアルコールは体重1kgで0.1g」ともいわれます。ただし、これはあくまでも目安です。また、現在の体重ではなく「適正体重」で計算しなければいけません。体重が90kgの人でも、適正体重が60kgなら、60kgで考えるということです。

    なぜ体重がひとつの目安になるかといえば、「肝臓の大きさ」が処理能力に関係があるからです。ただし、肝臓が大きい人のほうが処理能力も高いことは事実ですが、アルコールを代謝する酵素がどれくらい活発に働いているかでも違ってきます。

    ■休肝日は必要ない

    なお、男性のほうが女性よりアルコールに強いとされているのは、一般的に女性よりも骨格や体格が大きくて体重もあるからともいえますが、性ホルモンの影響もあるようです。

    アルコールの処理能力は本当にかなりの差があります。「二日酔いしない」「気分が悪くならない」「悪酔いしない」ことを適量のひとつの目安にしてください。

    「週に1日は休肝日をとりましょう」と聞いたことがあるかもしれません。そうかと思うと、「週に2日は休肝日を」と説く本や、「休肝日なんていらない」と主張する専門家もいます。

    いったい、何が正しいのでしょうか。

    実は、大事なのは「総量」です。たくさん飲む人なら、ときには飲まない日を設けるほうがいいでしょうし、いつも少ししか飲まない人には休肝日がいらないかもしれません。

    大酒を飲む人に必要なのは、肝臓を「休ませる」ことではありません。必要なのは、お酒の「総量規制」です。

    ■「醸造酒」と「蒸留酒」、肝脂肪のリスクが高いのはどちらか

    お酒にも、糖質が多い種類と少ない種類があります。糖質が少ないほうが、肝臓には優しいお酒です。

    糖質が多いお酒には、梅酒などの果実酒のほか、紹興酒、日本酒発泡酒ビールワインなどがあります。いわゆる「醸造酒」です。逆に、焼酎、ウイスキーブランデー、泡盛、ウオッカ、ジン、ラム、テキーラなどの「蒸留酒」には、糖質が含まれていません。そのため、蒸留酒の方が脂肪肝のリスクが小さくなると考えられます。もちろんアルコール自体にリスクがあることも忘れてはいけません。

    一回に数種類のお酒を飲むつもりなら、アルコール度数の低いお酒から飲み始めるといいでしょう。「とりあえずビール!」はその点、理にかなっているということです。

    ですが、ビールは糖質が多いので、ウイスキーを炭酸で割ったハイボールなどを「とりあえず!」に採用するのがおすすめです。なお、ウイスキーストレートで飲むときなどに「チェイサー」としてお水が供されますが、ウイスキーに限らず、お酒の合間にはお水を飲むといいでしょう。

    なぜなら、お酒を飲むと体内の水分量が足りなくなりがちだからです。その原因の一つは、アルコールに利尿作用があること。もう一つはアルコールの分解に体内の水分が使われるからです。お酒の合間にお水を飲めば、減ってしまった水分を補給することができます。

    お水を飲めば、アルコールが薄められるばかりでなく、お酒を飲む量を抑える効果もあります。

    ■肝臓を守る「酒の肴」の基本はこれだ

    空腹なままお酒だけを飲むと、アルコールの吸収が早いので、アルコールの解毒作用にいそしんでいる肝臓に負担をかけます。ですから、お酒を飲むときには、何か「酒の肴(さかな)」になるものを食べてください。

    肝臓がアルコールを分解するときには、タンパク質ビタミンミネラルが使われるので、補充する意味でも、そういう栄養素をたくさん含んでいる食品がいいでしょう。一言で表せば「高タンパク・高ビタミン・低糖質」です。

    具体的にいえば、豆腐、枝豆がおすすめです。さらには野菜、キノコ類、果物、魚介類、脂身の少ない肉、ナッツ類、チーズなども合格です。ただし、カロリーオーバーは避けましょう。

    お酒の席でも、栄養のバランスを考える癖をつけてください。

    とはいえ、いちいち「これには、どんな栄養素がいいのか」などと考えるのはめんどうかもしれません。そういう人は、大豆のような豆製品、チーズのような乳製品、魚や脂身の少ない肉など、タンパク源になりそうなものをまず食べてください。

    そして、野菜など、ビタミンを含んでいそうなものも、忘れずに食べます。野菜なら「レタスよりもブロッコリー」などと、色の濃いものを選びましょう。

    いろいろな色を食べれば、自然にバランスがとれていくものです。

    ■果物が毒出しを促す

    果物に含まれている「果糖」には、アルコールの分解を助ける働きがあります。また、果物の水分やカリウムは、アルコールの排出を促します。

    特に「柿」にはタンニンの一種である渋み成分があり、アセトアルデヒドの作用を抑えることができます。果物の効果は、それだけではありません。肝臓がアルコールを分解するときには、タンパク質ビタミンミネラルが消費されるので、ビタミンCが豊富な果物はビタミン補給になるのです。

    また、果物には食物繊維もあります。さらに、果物であればゆるやかに血糖値が上がっていくので、お酒を飲む前後でも、飲みながらでも、食べることをおすすめします。アルコールそのものから糖はできません。糖質の少ないお酒だけを飲んで、何も食べずにいると、血糖値が上がらず空腹感をおぼえます。

    その結果、飲んだあとにラーメンライスのようなものを食べてしまう人が出てくるわけですが、そのコースはいただけません。梅酒などの甘いお酒やビールのようにたくさんの糖質が含まれているお酒でなければ、血糖値をゆるやかに上げる果物をお酒のお供にするのは理にかなっています。

    逆に、できれば避けてほしい酒席の食べ物も知っておきましょう。一言で表せば、避けてほしいのは「高糖質の食べ物」です。高糖質とは、たくさん砂糖が入っている食べ物だけではありません。穀類なども糖質です。

    その観点から言えば、健康によさそうなイメージのある「春雨サラダ」や「お寿司」にも要注意です。春雨の成分は糖質がとても高いのです。お寿司もお米という糖質が主成分で、しかも酢飯には少なからぬ量の砂糖が入っています。

    もちろん、少し食べる分には問題ありません。ただ、糖質の多い日本酒を飲みながら、お寿司をお腹いっぱい食べるようなことは、あまりおすすめしません。

    ■体が悲鳴を上げるころにはもう手遅れ…

    もしかすると、「実は脂肪肝なんです」という方が身近にいるかもしれません。脂肪肝とは「肝臓に脂肪がたまった状態」です。これもまた生活習慣病です。

    詳しくは本書で解説しますが、実はすでに「脂肪肝の予備軍」になっている人はとても多いのです。脂肪肝は、お酒が原因のタイプを除けば、30歳ぐらいから増えてきます。

    統計によると、現代の日本では、成人男性の3人に1人、女性の5人に1人が脂肪肝になっています。そして、脂肪肝の予備軍は2人に1人ともいわれています。もはや「国民病」と言ってもいいのが現状です。

    怖がらせたくはないのですが、「自分は大丈夫」と思い込むのはとても危険です。なぜなら、肝臓は自覚症状が出ない「沈黙の臓器」だからです。「痛くもかゆくもない」ので安心している間に、体の中では着々と脂肪肝が……、という事態になっていないとは限りません。

    そして、体が悲鳴を上げる頃には、肝臓はすでに末期的な状態に陥っているのです。

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    浅部 伸一(あさべ・しんいち)
    肝臓専門医、自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授
    1990年東京大学医学部卒業後、東京大学附属病院、虎の門病院消化器科等に勤務。国立がんセンター研究所で主に肝炎ウイルス研究に従事し、自治医科大学勤務を経て、アメリカサンディエゴのスクリプス研究所に肝炎免疫研究のため留学。帰国後、2010年より自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科に勤務。現在はアッヴィ合同会社所属。専門は肝臓病学、ウイルス学。好きな飲料はワイン日本酒ビール

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    ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ViewApart


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    確かに水分補給は大事ですが、ただ無理に2リットルもの水を飲むのは必ずしも健康に良いわけではありません。適切な水分摂取量を守ることも大切な要素です。

    50代を超えると健康の悩みは尽きない。世は健康食ブームだが、良かれと実践していた食事法や健康食品でカラダに害が及んでいたとしたら……。最新研究で導き出された食の新常識を総ざらいするとともに、健康寿命を伸ばす最強の食事術を徹底リサーチ。120歳まで長生きできるカラダを手に入れろ!

    ◆水を飲みすぎると代謝不良による肥満の原因に

    「水は一日2ℓ飲むと健康にいい」――。

    老廃物の排出促進や血栓予防、美容効果が謳われているが、多くの人にとって一日2ℓの水は不要だとか。

    むしろ腎臓による水の処理能力が追いつかず、むくみや代謝不良による肥満の原因になってしまう。

    デスクワーカーの目安は夏に1ℓ、冬に500ml

    デスクワーカーなら夏に1ℓ、冬に500mlが目安で十分です。必要以上に飲むと、冷え症、腹痛、低ナトリウム血症による頭痛や吐き気も引き起こしてしまいます。

    ただし、運動時は別で喉の乾きを感じる前にしっかり水を飲んでおくことを忘れずに」(ボディワーカー・森拓郎氏)

    ◆水の飲みすぎでカラダが冷えると…

    また、水の飲みすぎでカラダが冷えると白血球の活動が悪くなって免疫力が低下。肺水腫や、胸水、腹水などにもつながる恐れがある。

    喉が渇いたと感じたときにコップ1杯の水を飲む。これ以上は毒でしかない。

    【ボディワーカー 森拓郎氏】
    大手フィットネスクラブを経て、’09年スタジオrinatoを設立。ダイエットやボディメイクを指導。著書は50冊で累計100万部超

    取材・文/週刊SPA!編集部

    ―[120歳まで生きる食の新常識]―


    写真はイメージです


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【【健康】「水は一日2リットル飲むと健康にいい」は間違い。むしろ肥満の原因になることも】の続きを読む


    スマホを使う時間を減らすことで、集中力や創造力が向上するというのは興味深い研究結果ですね。

    1 はな ★ :2023/07/16(日) 17:49:18.88 ID:xQcmd9WL9
    「スマホを1日3時間以上使う子は偏差値50に届かない」脳科学研究者が教えるスマホ時間短縮の奥の手
    7/16(日) 13:17 PRESIDENT Online
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c9ad3ef32ff4fd87d515523e18c536f193877fb1?page=1


    スマホを1日3時間以上使う子どもはどんなに勉強しても、偏差値50にも届かない。そんな衝撃の調査結果を発表した東北大学加齢医学研究所の榊浩平さんは「追跡調査をしたところ、スマホの使用時間を減らせば子どもの学力は着実にアップするということがわかった。しかし、実際に自力で減らすことができたのは1割程度という問題がある」という――。

    ■「スマホを3時間以上使用していると偏差値50未満」の衝撃

    私たち東北大学加齢医学研究所では、子どもの「スマホの使用時間」と「学力テストの成績」の因果関係を解析するため、仙台市の小学生および中学生を対象に、2010年度から毎年、大規模調査を行ってきました。

    調査を通じて、「スマホをたくさん使っている子は明らかに学力が低い」という衝撃的な結果が出ました。スマホの使用時間が1時間未満、1~2時間、2~3時間と増えていくにつれ、偏差値はどんどん低くなっていき、3時間以上使用している子どもたちでは、偏差値50を超える勉強時間と睡眠時間の組み合わせがひとつもなかったのです。

    ※「研究者が思わずゾッとした『子どものスマホ使用時間と偏差値の関係』小中学生7万人調査でわかった衝撃の事実」

    この結果からは、スマホを1日3時間以上使用していると、どれだけ勉強時間や睡眠時間を確保していても、成績が平均未満に沈んでしまうということがわかります。

    ただ、もともと学力の低かった子が、スマホをたくさん使っていたのではないかとも考えられたため、その可能性を排除するために、さらに複数年度にわたってデータを集める追跡調査を行ったところ、図表1のような調査結果が出ました(2015年度における仙台市の小学校6年生および中学校1年生を対象)。

    ■使用時間を減らせばスマホ依存は軽くなり成績が上がる

    スマホを「使用しない」「1時間未満」の子は、「1時間以上に増加」すると成績が下がる一方、「1時間以上」使っていた子が「1時間未満に減少」したり、「使用しなくなった」りすると、成績は上昇に転じていたのです。

    つまり現時点でスマホ沼に浸かっている子も、使用時間をなんとか減らすことができれば、学力をプラスにもっていくことができる。非常に希望のある結果が出ました。

    ただ、ひとつ落とし穴があります。実際に、この調査で使用時間を自力で減らせた子は、全体の1割程度しかいなかったということです。


    ※全文はリンク先で

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