令和の社会・ニュース通信所

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    いろんな問題があります。そんな中でも女性差別は起きているようだ。

    自衛隊の幹部候補生を養成する防衛大学校には1割ほどの女子学生がいる。防衛大学校を卒業したライターの松田小牧さんは「女子学生は、生理中でも遠泳や行軍などの訓練に参加しなければいけないため負担が大きい。男子学生から『女子のくせに』と言われることも多く、努力することを諦めてしまう女子学生もいる」という——。(第3回)

    ※本稿は、松田小牧『防大女子 究極の男性組織に飛び込んだ女性たち』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

    ■「女子は生理が止まって普通だから」と語る指導教官

    防衛大学校の生活を紹介するうえで、女子特有の悩みにも触れておかねばならない。生理についてだ。

    生理痛は個人差がひどいため、「イライラしてしまうサイクルがあるのが嫌」「生理中の訓練が本当に苦しかった」と挙げる者がいる。ある者は、生理痛が重いため、過酷な行軍時に被らないようにとピルを服用し、副作用に耐えていたのに行軍時に生理が来てしまって泣いたという。

    1学年時の夏の訓練では、東京湾8キロ遠泳がメインとなり、毎日海やプールでの練習が実施される。高校時代までは、「今日あの日だから見学で」が通用するが、私の知る限り、防大では「生理だから」と言って練習を休んだ女子学生はいない。

    訓練期間は約1カ月あるため、大体一度は生理期間が重なる。みんな慣れないタンポンを装着して訓練に挑むことになるが、そもそもタンポンを使ったこともない者がほとんどのため、トイレで悪戦苦闘し、時間にも追われて軽いパニックになることもある。

    ある者は「遠泳本番と生理2日目が重なった。なんとか乗り越えたけど、『こんなキツいことがほかにあるのか』と思った」と振り返る。話を聞く限り、女子学生の生理への扱いは、昔の方がキツかったようだ。

    40期(女子1期)代は、「あまり問題視、重要視されなかった」と振り返る。防大には医務室があり、風邪などの治療はそこで受けられるが、婦人科はないため、外部の病院に通院するには指導教官の許可が必要となる。

    そんな中でピルを処方してもらうため、「男の指導教官に言いたくもないのに申請に行ったら、『女子は生理が止まって普通だから。そういうケースはよく聞くよ』と言われた同期がいた」と話す者がいた。

    また、なんとか横須賀にある民間病院にかかったところで、「『オリンピックに行った女性は血を垂れ流しながら走ってた』って言われたから、あそこ行かない方がいいよ」などという話をしたこともあったという。

    ■医師から「子宮が未熟な状態です」と告げられる

    生理をめぐっては、普段は少ない女子同士の確執があったという意見もあった。

    訓練前になると、ピルの処方の希望の有無を聞かれる。訓練の強度で言えば4学年の陸上要員が最も高いため、下級生がピルを処方してもらおうとすれば「『今のうちからピルを飲むとか信じられない。今からそんなこと言ってたらこれからやっていけないよ』と言われて諦めた」「3学年のときに野営があるから処方してもらおうと思ったら『3年なのにピル使うの』と4学年の女子に言われた」という者もいた。

    私自身、1学年の途中から約2年間、生理が止まった。本来であればすぐに病院に行くべきだということは頭では分かっていたが、ただ「楽だから」という理由で放置していた。

    3学年時、武装走というフル装備で行う障害物競走のような訓練の本番当日に生理がやってきて、「久しぶりに来た」という安堵と「なんで今……」という悲しみの気持ちが入り交じった。その後もかなり周期が不規則で、一度病院で診てもらった際には「子宮が未熟な状態です」と言われ、「将来妊娠できるのだろうか」と不安になったことがある。

    ところが自衛隊を辞した途端周期が安定し、今では二児の母だ。防大在学中は「大体のことは気力でカバーできる」と思っていたが、身体は思ったより正直なんだと妙に感心した。取材の中でもやはり、「生理が止まった」と話す者が複数いた。聞く限り私と同様、「まずいなぁとは思ってたけど、病院には行かなかった」という。

    ■いまだに生理不順が続く卒業生も

    訓練期間中、陸上だと山に入ればトイレがないこともある。つまりナプキンを取り替えることもできない。となれば、「生理がない方が楽」と思ってしまうことはやむを得ない。

    「防大、自衛隊はやっぱり女子のリズムには合っていない」と指摘する者もいた。今回の取材ではテーマとして「生理」を問うたわけではないが、複数の女子から生理についての言及があった。おそらく、私が聞いていないだけで不調を抱えていた女子はまだいるだろう。

    部隊に行ってからピルを飲み始めたというある者は、「生理を自分で管理できるし、生理痛も減ったし、なんなら肌も綺麗になった。なんで防大時代飲んでなかったんだろう」と話す。私は運良く女性としてのリズムを取り戻せたが、卒業して自衛隊を退職し、それなりの月日が経過しても「まだ不順のまま」という者もいる。

    生理が来ない、というのは楽なことではあるが、女性の身体にとっては不自然な状態だ。その割を食うのは、子どもを欲したときの将来の自分かもしれないことを、よく認識する必要がある。

    ■「幹部が100キロ歩いて敵陣地に乗り込む時点で戦争に負けてる」

    次に「体力」に関連する事柄だ。これは陸上要員で圧倒的に多かった。

    シンプルに「1学年の時はずっと走らないといけなかったから足が痛くなった」「訓練、学生舎生活は体力的にキツかった」「体力勝負でどろんこになって、という訓練がどうしても好きになれなかった」などという意見はもちろんある。

    腕立て、匍匐(ほふく)前進、銃を持って走る「ハイポート」……どれもしんどい。海上・航空とは少し異なり、体力至上主義のきらいがある陸上要員での退職者の中には、「航空だったらやめてなかったと思う」と話す者もいるくらいだ。

    行軍では「元々靴擦れをしやすかったので1学年のころから半長靴が足に合わなくて本当に嫌だった。眠い中、痛みと共に強制的に歩かされる、黙々と歩いていて何やってんだろうって毎回思ってたし、なんとかこなしてた空しい感じがあった」

    「幹部がこんな100キロとか歩いて敵陣地に乗り込もうとしてる時点で戦争には負けてる。結局精神を鍛えるためだけのもので、それでこんなに心身をすり減らすのって意味あるのかなと思ってた」などの意見が寄せられた。

    余談だが、卒業後、出産を経験した同期たちと「行軍と出産、どっちが楽だったか」という話を何度かした。結果は半々くらいだった。私自身はかなりの安産だったこともあり、断然「出産の方が楽だった」派だ。女子にとっての行軍はそれくらいキツい。

    ■「お前がお荷物なんだから」「これだから女は」

    また、何人かから挙がった「怪我」については、男女問わず防大生は怪我が多いのは確かだが、個人的には比率としては女子の方が多いように思う。

    単に「怪我をして痛かった」からつらかったという意見もあったが、「怪我をすると普通の防大生活が送れなくなる。なんとかついていくのに必死だった」「周りに負担をかけて『何してんだ自分』と落ち込んだ」ことを苦しい思い出として挙げる者もいた。

    ただでさえ、男子に後れを取っていると感じているところ、さらに怪我をすればその心理的負担は増すことになる。「体力がないことで男子についていけないことに起因するつらさ」を挙げる声も多かった。いくつか紹介しよう。

    「自分は足が痛くなったときに受診して走らなくなったけど、周りには足が痛いのに走ってる人がいて、自分が甘えてる感じがしてつらかった」
    「競技会の練習中、『お前がお荷物なんだから』と言われた」
    「行軍中靴擦れを起こし、足の皮はベロベロ。必死に歩いてたが、後ろから荷物を持ってくれた男子にお礼を言ったら『これだから女は』と言われた」
    「どの学年になっても結局体力勝負の競技が多い。どんなに頑張っても自分が足を引っ張っているのが耐え難い。自分の分の荷物を男子に渡して、男子が荷物を二つ持って走っているのに、ビリになってチームの足を引っ張る。それが屈辱だった」

    「男子から『体力ないんだから、もっと自分ができることを積極的にした方がいいよ。じゃないと男子とうまくやれない』と言われた」
    「学力ではトップだったのに、戦闘機搭乗訓練の順番決めの際に女だからって理由だけで最後にさせられた」
    「いざ作戦を考えるというとき、当たり前のように『じゃ、お前は見張りな』と言われた。作戦なら私にだって立てられる。でもそこですら戦力外とみなされる。何も来るわけがない山の中で突っ立って涙を流した」
    「『行軍中、女子はLAM(個人携帯対戦車弾、約13キログラム)とか持てないんだからさ、もっと下手に出ろよ』と言われた」など、枚挙にいとまがない。

    体力の部分は、どう頑張っても補えないところがある。それに直面して苦しみ、男子学生からの「何気ない」一言にまた傷付く。おそらく、上記の発言をした男子学生は、自分がそのような発言をしたことを覚えていないだろう。ましてや言われた側の心に傷を付けたことなど想像すらしないだろう。

    ■つらい訓練に追い打ちをかける「アンチ女子学生」の存在

    「つらかったこと」として、「アンチ女子学生の目に留まること」と回答した者もいた。防大には、一定数「女子だから」という理由だけで存在を一段下に見る男子学生が存在する。

    自分に自信を持てない状況下では、自分に否定的な者の存在がより大きくクローズアップされる。個人的な経験としては、女子学生を一段下に見る発言をしがちなのは、普段は「お前は頑張ってるよ!」などと声をかけがちな男子学生で、自身にも余裕がないときには急に「女子サゲ」になる傾向があった。行軍はその最たる例だ。

    行軍では6人ずつ程度の分隊に一つずつ、機関銃(9キログラム)とLAM(13キログラム)が渡され、目的地まで持ち運ばなくてはならない。分隊員で持ち回りをするが、そもそも背のうと呼ばれるリュックも十数キログラムあり、4キログラムの小銃も携行しているので、女子はそれ以上の荷物をなかなか持つことができない。

    男子学生自身も決して楽とは言えない状況の中、「女子学生がいる分こちらに負担が増えている」とイライラし出すと、上記のような発言が飛び出しがちだった。

    取材の中では、「『これだから女学は〜』と言ってた奴に限って、卒業後に会ったら『俺普通の女と結婚したんだけど、めっちゃ弱いしすぐ文句言うし。防大の女子って頑張ってたんだな』とか言う。女関係で痛い目見たのかな(笑)」などという声もあった。

    ■対等に扱われず自己肯定感を失っていく女子学生

    さて、体力差、またこのような発言を許す風潮は、女子学生の意識も変化させる。

    「女子を下に見てる感じ、女子はいらねぇとか、邪魔なんだよとか言われてるような感じがずっとあって嫌だった」
    「陸上の初歩的な戦闘戦技訓練が始まり、肉体的な男女の相違をいやおうなしに実感させられるようになってからが特につらかった。総合的な体力は平均的に男性の72%しかない、関節や骨格、筋肉の構造が異なるという前提を認識していないまま、同期の中で対等に扱われたい、同じ基準を満たしたい、または満たさなければならない、でもできない、という葛藤があった」
    「同期に助けてもらってばかりの自分が情けなく、そんな人間が指揮官になって何ができるのかと卑屈になった」
    「訓練はついていくのがやっと。かといって勉強面で優れているわけでもなく、自分は価値のない人間だと思い込んだ」

    男子学生についていけないことで、自分が「劣った存在」であると捉えてしまう女子学生が多いことが見て取れる。「十分頑張っている、そこまで思い悩む必要はないのに」という女子であってもだ。

    ちなみに、訓練の悩みとしては、陸上は上記のように圧倒的に体力だが、海上の訓練では「船にはワッチ(見張り勤務)があり、夜寝られないことがある。しかも夜寝ていないからといって昼寝られるわけではないので眠かった」「シャワーや洗濯が制限されるのがキツかった」という声があった。

    航空からは、「つらかった」経験として訓練の話は一切挙がらなかった(「訓練でつらかったことは何ですか」と聞けば出てきたのかもしれないが、今回は誰に対してもそのような聞き方をしていない)。

    ■「女子のくせに」と言われつづけ頑張ることを諦めてしまう

    そんな環境下では「頑張る前に頑張ることを諦める」女子も出てくる。

    「本当は意見を出したりまとめたりするのが好きなのに、自分が女子だからという理由でそれができなかった。女子がリーダーになったらみんな嫌がるから」
    「同期の女子が学生隊本部で役職に就いた。すると『女子のくせに』とか、『どうせ女子は内恋(内部恋愛)してるからダメだ』という批判が飛んだ」
    「目立つ女子の上級生がいろいろ言われているのを聞いていた。頑張って目立てばこんな風に言われるのかと思って前に出るのをやめた」

    このように、入校ほどなく、「女が目立つのは大変。そして目立ったら目立ったで悪評が立つ」ことを学ぶ。結果、「女性は一歩引く、我慢するものというのが植え付けられた」と話す者もいる。このような状態で「私は頑張って上に立とう」と思うには、相当の気力がいる。

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    松田 小牧(まつだ・こまき)
    ライター
    1987年生まれ。大阪府出身。2007年防衛大学校に入校。人間文化学科で心理学を専攻。 陸上自衛隊幹部候補生学校を中途退校し、2012年時事通信社に入社、社会部、神戸総局を経て政治部に配属。2018年、第一子出産を機に退職。その後はITベンチャーの人事を経て、現在はフリーランスとして執筆活動などを行う。

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    ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AH86


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【「女子は邪魔なんだよ」防衛大で学力トップの女子学生が"自分は劣った存在"と思い込むまで】の続きを読む


    日本は低いです。

    1 haru ★ :2021/09/20(月) 15:39:32.88

    OECDは加盟国を対象に大学などの高等教育機関に2019年に入学した学生のうち自然科学や工学など理系分野における女性の割合をまとめました。

    それによりますと、自然科学分野では女性の割合が加盟国の平均で52%だったのに対し、日本は27%と最も低くなりました。
    65%でトップだったスロバキアの半分以下の水準です。

    また、工学分野では加盟国平均が26%だった一方、日本は最低の16%で、トップのアイスランドより23ポイント少なくなりました。

    OECDは日本の女性の知識や能力は高いと強調したうえで
    「日本では女性の進路に関するイメージの押しつけが強いことに加え、身近に理系分野で具体的な目標となる女性が少ないことが影響している」と指摘しています。

    日本が人口減少の中で技術革新を進め持続的に成長していくためには女性の理系人材を増やすことが急務になっていて、
    政府などが進める女性の活躍推進の対策で具体的な成果が問われています。


    2021年9月20日 6時37分
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210920/amp/k10013268041000.html


    【【リケジョ】理系分野の女性の割合、OECDで最下位 「日本では女性の進路に関するイメージの押しつけが強い」】の続きを読む


    政府の後押しが必要です。

    1 ボラえもん ★ :2021/09/11(土) 21:37:17.25

    日本政府が推進する女性活躍「ウーマノミクス」は、当初の「2020年までに指導的地位に占める女性割合を30%に引き上げる」という目標の半分にも届かず期限を過ぎた。

    昨年12月、政府は目標達成時期を「2030年までの可能な限り早期」に先送りした。

    日本の女性の大学進学率は男性と同じく半数を超える。

    しかし、指導的地位を占める女性の割合はわずか15%以下にとどまり、女性の平均収入も男性より40%ほど低い。

    その主な原因として、多くの女性が家庭のために仕事を離れた場合、離職時よりも低い役職からしか仕事に復帰できない現状があるという。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/4bf6e59d3cd663e228330cc0c178758549c5445b

    ★1が立った時間:2021/09/11(土) 17:56:07.19
    ※前スレ
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1631350567/


    【【ジェンダー】専業主婦からの正社員復帰は「ほぼ無理」 女性活躍が進まない日本の労働環境】の続きを読む


    夫が変わらないといけないかも。

    多くの先進国で女性の大学卒業率が男性のそれを上回っています。それを受け、日本でも「夫より学歴が高い妻」が増加し、2割を超えました。拓殖大学准教授の佐藤一磨さんは「夫より学歴が高い妻の幸福度を調べたところ、他の学歴の組み合わせの中で最も幸福度が低かった」と指摘。その理由とは――。

    ■男女逆転劇

    みなさんは『大奥』という漫画をご存じでしょうか。

    よしながふみ先生の作品で、江戸時代の大奥を舞台としています。物語のポイントは、多くの男性が謎の疫病によって死んでしまったため、「男女の立場が逆転」している点です。

    徳川家の将軍をはじめ、多くの男性の地位が女性によって担われています。男女の立場が逆転する中、大奥という特殊な環境を舞台に、政治や跡継ぎなどやや大人向けの話題が描かれていきます。ストーリーはどれも秀逸で、つい読みふけってしまいます。

    さて、この物語は「男女の立場が逆転すると、どうなるのか」という疑問に対して、新たな視点を与えてくれます。ただ、これはあくまでも「漫画の中のお話」です。

    現実の日本では、依然として男性の優位性が残っています。

    年収や社会における指導的地位につく割合等、さまざまな面において男性の方が高く、男女間の平等が達成できているとは言い難い状況です。このような状況下では、男女の立場が逆転している例を頻繁に見かけることはありません。

    しかし、世界に目を向ければ、『大奥』までとはいかないまでも、男女の立場が逆転した例が存在しています。

    ■世界で進む高学歴者比率の男女逆転

    図表1はOECD諸国における30歳以下の男女の大学卒業率を示しています。

    図表1が示す事実は、「OECD諸国のほとんどの国において、女性の大学卒業率が男性よりも高い」というものです。

    従来、大学へ進学し、卒業する割合は男性の方が高かったのですが、1990年代以降、女性の大学進学率が伸び、現在では多くの国で女性の大学卒業率の方が高くなっています。このような男女間の大学卒業率の逆転は歴史上初めてであり、多くの国で注目を集めています。

    ■夫婦の「学歴組み合わせ」にも異変あり

    男女間の大学卒業率の逆転は、家族の在り方にも影響を及ぼします。

    中でも興味を集めるトピックの1つが「夫婦の学歴組み合わせ」の変化です。夫婦の学歴組み合わせとは、その名のとおり、「どのような学歴の男女が夫婦になっているのか」を見たものです。

    実は現在、女性の高学歴者比率の増加を受け、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」がOECD諸国で増加しています。そのかわりに「夫の方が妻よりも学歴の高い夫婦」が減少傾向にあるのです(※1)

    このような変化はこれまで見られなかった傾向であり、夫婦の在り方の歴史的な転換点にさしかかっていると言えるでしょう。

    では、日本の現状はどうなっているのでしょうか。

    結論から言えば、日本でも「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」がじわりと増えています。

    国立社会保障・人口問題研究所の福田節也氏らの分析によれば、日本における「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の割合は1980年で全体の12%程度でしたが、1990年には16.1%、2000年には16.2%、そして2010年には21%にまで至っています(※2)

    この日本の動きは、世界のトレンドと一致したものだと言えるでしょう。

    [1] Esteve, A., Schwartz, C., Van Bavel, J., Permanyer, I., Klesment, M., & Garcia, J. (2016). Theendofhypergamy:Globaltrendsandimplications. Population and Development Review, 42, 615–625.
    [2]福田節也・余田翔平・茂木良平(2017)日本における学歴同類婚の趨勢:1980年から2010年国勢調査個票データを用いた分析, IPSS Working Paper Series (J) No.14.

    ■専門学校・短大妻と高卒夫の組み合わせが最多

    「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の増加は、新しい動きであり、その実態は興味深いものです。ここで気になるのは、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」はどのような夫婦なのかという点です。

    先ほどの福田節也氏らの研究では、夫婦の学歴組み合わせの詳細な内容も示しています。その結果を見ると、2000年2010年において妻:専門・短大卒&夫:高卒が50%以上の割合を占めていました。

    これに対して、大卒の妻と高卒、専門・短大卒の夫の組み合わせは徐々に増えているものの、その比率はまだ少ないと言えます。要は「夫よりちょっとだけ学歴の高い妻」と「妻よりちょっとだけ学歴の低い夫」がマッチングしているというわけです。

    ■「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の世帯所得は低い

    次に見ていきたいのは夫婦の学歴組み合わせと「お金」の関係です。図表2は夫婦の学歴組み合わせ別の平均年収を示しています。

    「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」では、ほかの組み合わせの中で最も妻の年収が高くなっています。しかし、その差はあまり大きいと言えません。

    これに対して、夫の年収を見ると、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の値が最も低くなっています。夫の年収がこのように低くなる背景には、夫の学歴構成比の違いがあります。

    「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」では妻よりも相対的に学歴の低い夫の比率が高まります。この結果、どうしても大卒割合が低くなります。学歴と平均年収は連動するため、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」では夫の年収が低めになるというわけです。

    次に、世帯年収を見ると、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の値が最も低くなっています。これは一家の大黒柱である夫の年収の違いをダイレクトに反映しています。

    ちなみに、夫婦の学歴組み合わせと妻の1日の家事・育児時間の関係を見ると、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の世帯と他の場合でほとんど差はありませんでした。いずれの夫婦の組み合わせでも、妻は1日の家事・育児の7割以上を実施しており、その負担は重いと言えるでしょう。

    ■「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の妻の幸福度は低い

    「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」は世帯所得が相対的に低くなっています。そして、妻の家事・育児負担も他の場合と変わらず重いものです。これらの状況は、決して良いものではありません。

    この影響は幸福度の指標にも顕著に表れています。

    図表3は妻の幸福度、日常生活全般に対する満足度(生活満足度)、夫婦関係に対する満足度を5段階で評価したものを夫婦の学歴組み合わせ別に示しています。

    この図では値が大きいほど各満足度が高いことを意味しますが、いずれの指標でも「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の値が一番低くなっていました。この結果は、学歴組み合わせの中でも、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の妻の幸福度、生活満足度、夫婦関係満足度が最も低いことを意味しています。

    背景には、妻が直面する相対的に低い世帯所得や重い家事・育児負担が大きく影響を及ぼしていると考えられます。

    ■2つの格差の解消がカギとなる

    女性の大学進学率上昇による「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の増加は、グローバルなトレンドであり、日本も例外ではありません。しかし、日本の現状を見ると、必ずしも色よいものではありません。

    相対的に低い世帯所得と、他の場合と変わらない家事・育児負担を背景に、妻の幸福度が低くなっています。これは夫婦の在り方に関する1つの課題だと言えるでしょう。

    この課題への解決策は、男女間賃金格差と夫婦間における家事・育児負担格差の解消です。

    もしこれら2つの格差が解決できた場合、「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」の妻の幸福度が向上すると予想されます。これは、結婚している夫婦全体の幸福度の底上げにつながっていくことになるでしょう。

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    佐藤 一磨さとう・かずま)
    拓殖大学政経学部准教授
    1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259–1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247286 (2020)がある。

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    ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kyonntra


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【急増する「夫より学歴が高い妻」の幸福度が低い"深刻な事情"】の続きを読む


    女性の地位がもっと向上してほしいです。

     東京五輪の開催前のすったもんだの影響でしょうか。「意思決定の場に女性を!」「若い人は男女平等は当たり前!」「昭和おじさんは撤退させるべし!」といった空気が息を吹き返してきました。

    【その他の画像】

     といっても、残念なのは社会全体に「女性を!」という空気があるわけではないってこと。

     女性活用の数値目標や、クオーター制へのアレルギーはいまだに強く、

    「女性だから優遇されるとか、逆差別では?」「女性だからって能力不足の人をリーダーにするのは、会社にとってマイナスでしょ?」「優秀な男性がやる気をなくす」

     などの意見は、むしろ以前よりも多くなったのでは? と感じることもしばしばあります。

     女性軽視発言やセクハラについては多くの人たちが問題にするのに、いったいなぜ、「女性リーダーの数を増やす」ことには否定的なのでしょうか。

    「だって若い女性の専業主婦志向、高まってるし」「だって女性は管理職になりたがらないし」「まずは女性の意識改革でしょ?」

     といった声が聞こえてきますが、「日本」が女性活躍後進国であって、「女性」が問題ではないのです。

    ●「社会の問題」と「個人の問題」は違う

     「社会の問題」から「個人の問題」にすり替えてしまうことは、問題の本質に向き合っていません。

     女性は人口の半分いるのに、衆議院議員に占める女性の割合が9.9%なのは明らか不自然です。

     労働力人口総数に占める女性の割合は 44.4%なのに、管理職に占める女性の割合が8.9%なのも明らかにおかしい。

     入社したときには「4割超」が女性なのに、管理職になると「1割以下」になってしまう正当な理由を、私はいままで聞いたことがありません。結局、階層組織の「上」の人たちが、女性に期待していないのです。

     その結果として、「金メダルがじり事件」やら「女性の会議は長い発言」、さらには「女性でも殴り合い発言」といった事態が相次いでいる。ありとあらゆるジェンダーランキングで、日本は先進国中の最下層を爆走し続けている。

     教条主義、前例主義が横行し、世界の波に完全に乗り遅れ、女性=非正規、女性=低賃金、女性=ケア労働という理不尽に加え、男性社員が育児休暇や介護休暇を取りたくても取れない状況が続いているのです。

     女性問題は多岐にわたり、その都度コラムでは取り上げていますが、「数」は極めて重要です。

     世界の先進国が「クオーター制」を取り入れているのも、「数」の重要さを理解しているからに他なりません。

     クオーター制は、ポジティブアクション(アファーマティブアクション)の一つで、もともとは、米国のリンドン・ジョンソン大統領の演説がきっかけとされています。人種差別を禁じた1964年成立の公民権法の精神を基本とし、これに実効力を持たせるため、主として大統領令に基づき推進されてきた「差別を積極的に是正する措置」です。

     どんなに「人種差別はいけません」「肌の色の違いで機会が奪われるようなことがあってはいけません」と啓蒙したところで、差別を根絶することは難しい。そこで強制的に差別される人たちが抱える“重し”を見える化し、それを軽減するための措置や、不利な立場に置かれる人たちの視点がしっかりと生かされるような法令や制度を作りました。

     時代の移り変わりとともに、人種などのマイノリティーへの施策から、ジェンダーの視点がクローズアップされるようになり、女子差別撤廃条約が国連で採択されました。ここでは、「事実上の男女の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置」と定義し、これが国際的なジェンダー視点におけるポジティブアクションの定義と理解されています。

     要は、「仕方がない」と諦められていたり、「そこに何もない」かのごとく無視されたり、ないがしろにされたりしていた問題点を是正し、「全ての人がより良く生きられるために、全ての人の尊厳を守る」ための、強制的な動きを意味している。

     「女性だから」「小さな子どもがいるから」「結婚しているから」といった理由で、雇用や昇進の機会が失われてしまうことがない、全ての人の自由と幸福のための強制的な措置こそが、クオーター制なのです。

     ところが、日本ではクオーター制の議論すらまともに行われてきませんでした。掲げられた数値目標は、「実態に即した形」という聞こえのいい言葉で、実質的には消滅しています。

     クオーター制を逆差別とする根強い意見がありますが、実際には、国内外の研究でクオーター制を導入した方が「男性の能力が引き出される」ことが示されています。

    ●男性の能力を引き出すワケ

     多くの実験研究で、男性の場合、競争相手がいる方がパフォーマンスが向上することが分かっていますが、同じグループに女性がいることで「僕は絶対に競争に勝てる」という自信が高まり、潜在的な能力を発揮しやすくなる可能性が分かっているのです。

     日本では、大阪大学などの研究者たちが興味深い実験を行っています(「自信過剰が男性を競争させる」2009年)。

     この実験では、グループの男女比にバリエーションをつけ、「全員男性」「全員女性」「男性3人女性1人」「男性2人女性2人」「男性1人女性3人」という5つのグループで、メンバーたちの競争への自信にどのような変化が生じるかを調べました。

     その結果、男性は「全員男性」のグループで競争するときは、自信がなくなる傾向が認められたのに対し、女性が競争に加わったとたん競争に勝つ自信が出ることが分かりました。一方、女性では「全員女性」のグループで競争するときには、「勝つ自信」を持てるのに対し、男性が競争に加わった途端、自信がなくなることが分かったというのです。

     「勝つ自信」は自分への信頼なので、自己効力感を高めます。人は「自分はできる」と信じる(=自己効力感)からこそ、能力を最大限に発揮できる。集中して、タスクに取り組むことが可能になります。

     もっとも、これらは「実験」という特別な環境での結果です。

     しかし、男性の自信が「女性が加わることで出る」という傾向は極めて興味深い結果ですし、女性が「全員女性でこそ自信が持てる」というのは、私の経験からも至極納得できます。

     長年、女性管理職たちのセミナーをやっているのですが、最初は牽制(けんせい)しあっている女性たちが時間と共に距離感を縮め、悩みを言い合い、互いに励まし合う姿を何度も見てきました。自分より上をいく“同志”に刺激を受け、「もっと頑張らなきゃ!」と自らを鼓舞していました。

     そして、最初は「自分がリーダーなんて無理。期待には応えられない」と自信喪失し、管理職になったことを悔やんでいた“女性リーダー”が、同じ立場の女性たちと一緒に過ごすことで、一回りも二回りも成長する姿を目の当たりにしました。

     男性の言動が「紅一点」により強化されることは以前から分かっていたのですが、その男性性の強化は「女性を排除することにつながる」という文脈で語られてきました。しかし、それが「クオーター制」を目指す上での男性性の強化ならば、話は別です。「僕は今までだってがんばってきた。女性に負けたくないし、負けるわけがない」と自己効力感を高められれば、男性だけの競争で「自信を失い能力発揮できない」という問題解決の期待にもつながります。

    ●「意見が言える組織」の作り方

     いずれにせよ、女性が多い組織はザワザワしていて、元気がいい。組織を変えたければ「若者、よそ者、バカ者を入れよ!」といわれるように、男社会特有の教条主義や前例主義に「よそ者」である女性が風穴をあけ、「意見が言える組織」が出来上がるのです。

     ただし、マイノリティーである「女性」が意見を堂々と言えるには、最低でもグループに「3割の女性」が必要不可欠です。1割=紅一点だと、男性に排除されるか、同化させるかのどちらかになり、2割だと遠慮して言いたいことが言えません。やっと3割になって意見が言えるようになり、4割になると「女性の視点って面白いね! もっと意見を聞きたい! みんなももっと意見だそうよ!」という空気が熟成され、性別などの属性の壁が崩壊します。

     さて、あなたはいつまで「男だから~」「女だから~」と言い続けますか? あるいは、「壁崩壊」に向かうための「変革の担い手」を目指すか?

     どちらが「自由」な社会なのか? 是非とも考えてみてください。

    ●著者:河合薫

     東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。

     研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)がある。

    女性リーダーの数が増えない


    (出典 news.nicovideo.jp)

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