令和の社会・ニュース通信所

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    カテゴリ:政治 > 国防



    (出典 2019.images.forbesjapan.media)


    変わらないと言うことですね。

    「韓国軍は無礼を通り越していた」前自衛隊トップが明かす“安倍総理にお仕えした4年半”激動の舞台裏 から続く

     今日からちょうど8年前、第二次安倍内閣が発足しました(12年12月26日)。今年の9月16日に退陣するまで、総理大臣として歴代最長の在職期間を記録した安倍前首相。日本の安全保障体制に多大な影響を与えたその安倍政権とほぼ同時期に、自衛隊トップである統合幕僚長の立場にいたのが河野克俊さん(14年10月〜19年4月在職)です。

     今年、46年間に渡る自身の自衛隊生活を振り返った書籍『統合幕僚長 我がリーダーの心得』(ワック)を出版した河野さんにとって、日本の「保守」とは何か。また、統幕長時代に一度会ったことがあるという、バイデン次期米大統領に対する評価とは――。前自衛隊トップの“思想”に迫るインタビュー。近現代史研究家の辻田真佐憲さんが聞きました。(全2回の2回目/前編から続く

     

    ◆ ◆ ◆

    そもそも自衛官とは何をやっている人なのか

    ――『統合幕僚長』、大変面白く読ませていただきました。ご自身の人生を回顧しながら、同時に自衛隊の歴史も振り返るという作りですが、そもそもこの本を書こうと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

    河野 2019年4月1日に退官した後、ワックの社長の鈴木(隆一)さんから「何か書いてくださいよ」と言われたんです。でも、私は日記もつけていないし、メモすらとってきていない。終わったら全て忘れて次の仕事に向かう、というのが私のやり方だったので(笑)。だから無理だと思って、ずっと断わっていたんです。

     でも、記録として残せるんだったら、後輩たちの参考になるし、自分が生きた記録にもなる。そう思い直して、ちょっとトライしてみようかなと。そうして書き出したら、けっこう思い出すんですよ。そういやあいつ、あんなこと言いやがったなとか(笑)。それで頭が回転しだしたんです。

    ――こうした回顧録の中でも、非常に読みやすい本だと感じました。

    河野 あまり難しい言葉を使わずに書くことは心がけました。そもそも「自衛官って何をやってるんだろう」と思っている人って、多々いるはずなんですよね。飛行機に乗って、船に乗って、戦車に乗ってとか、そんなイメージしかない人も結構いると思うんです。でも、たとえば私は学校(幹部候補生学校)の教官をやっていたり、時刻表片手に時の海幕長のトラベルエージェントとかもやってるわけです。それから湾岸戦争9・11北朝鮮の問題などで政治との関わりもある。別にこれが典型というわけではないですけど、一般の人に自衛官の人生ってこういうものなんだ、ということも知ってもらいたかったので。

    防大時代に読んだ“人生を変えた本”

    ――そうした話をわかりやすく、物語的にまとめられたのは、やはりご自身のこれまでの読書体験が影響しているのでしょうか。

    河野 自分では意識してないですが、おそらく、それもあると思います。

    ――かなり読書家でいらっしゃいますよね。河野さんが後輩に本を薦めるとしたら、何を選びますか。

    河野 私の人生を変えた本は、防大(防衛大学校)時代に読んだ『坂の上の雲』です。これは明確に言えます。ただ、そうした本はやっぱり自分で見つけてもらわんとダメですよね。私は『坂の上の雲』でしたが、他の人もそうかといったら、違いますよね。

    ――ちなみに『坂の上の雲』については、乃木大将に対するネガティブな評価だけは司馬遼太郎さんに同意しないと、本に書かれていますね。

    河野 同意しない。確かに戦術はあれだったかもしれないけど、乃木大将のために死んでいく人がそれだけいたというのは、すごい統率力、人間力ですよね。最期は自刃したことについても、司馬さんはグロテスクだと言っているんですが、それは言いすぎだと思うし、あの方の一途な生き方というのは決して否定すべきじゃないと思います。

    三島由紀夫の「最期の演説」をどう評価する?

    ――自刃といいますと、三島由紀夫も今年でちょうど死後50年になります。三島の本もほとんど読破されたと書かれていますね。

    河野 しました。好きですよ、三島由紀夫

    ――三島というと最期の演説で、自衛隊と憲法の関係のみならず、天皇の重要性についても言及していました。そうした主張についてはどう思われますか。

    河野 まず、あの行動には賛成しません。明らかにね、あれは行き過ぎだと思うんです。でも、あの方がバルコニーで言っていたことは、私の憲法観に合っているんですよ。私は国のあり方の問題として、自衛隊と憲法について議論すべきだと思っています。どこの国でも軍というのは国家の中心なんですよ。でも日本では、その位置づけがいまだに定まっていない。憲法違反とも言われているこの状態のままでいいのか、ということなんです。

     つまりこれは国家のあり方、国家の骨組み、国家のかたち……それこそ司馬遼太郎でいえば「国のかたち」の話なんですよね。やっぱり今のかたちはおかしいですよ。それで、三島さんの話に戻ると、あの方は「天皇」と言われましたね。天皇を中心とした歴史文化、美的感覚云々の日本を取り戻せ、そのためには憲法だと。その真意は私と一緒だと思う。ようは、国のかたちをちゃんと整えるために、憲法を改正する必要があるんじゃないかと、こういうことなんですよ。

    天皇自衛隊の“あるべき距離”

    ――三島は国のかたちを「国体」と言っていて、その中心部分には天皇が存在すると考えていました。三島の死から50年が経った今でも、天皇と自衛隊との間にはやはり距離があるのかなという気がしています。それは今後、もっと密接になったほうがいいというお考えですか。

    河野 そうなると危険じゃないか、と言う人が多いのではないかと思います。でも、それなイギリスは危険な国なのか、ということです。イギリス王室と軍の関係は密接ですよね。男子は必ず軍に入ります。今のウィリアム王子は軍服を着て結婚式を挙げていますし、チャールズ皇太子は陸海空元帥です。でも、だからといってイギリスは危険な国ではないですよね。オランダだって、スウェーデンだってそうですし。

    ――河野さんとしては、もっとイギリスオランダスウェーデンのような関係になったほうがいいとお考えですか。

    河野 なったほうがいいというか、なって悪くはないでしょ、ということですね。

    産経新聞はここが面白い

    ――新聞は各紙ひととおり目を通されていると本に書かれていますが、いわゆる五大紙はすべて読んでいらっしゃいますか?

    河野 ええ。海幕長、統幕長になってからは、ほとんど全紙、机に置いてくれていたんです。それはじっくり読みましたね。ただ、辞めたらもう、そんなことはないので。

    ――ご自宅だと新聞はどちらを。

    河野 産経です(笑)

    ――それは、共感できるところが多いからですか?

    河野 共感できるというか……産経って下に見られているところもあるんですけど、けっこう特集記事なんて面白いんですよ。「蒋介石秘録」とか、割合掘り下げていていいのがあると私は思うんですけどね。

    文藝春秋」「WiLL」「Voice」……

    ――雑誌もさまざまなものを読むようにされていると伺いましたが、定期的に読まれている雑誌はありますか。

    河野 「文藝春秋」は毎月、辞めてからも読んでます。やっぱり週刊誌よりも月刊誌ですね。話題になった週刊誌はもちろん見ますが。

    ――月刊誌ですと、「文藝春秋」以外では?

    河野 「WiLL」とか「Voice」とか。月刊誌はもうほとんど保守系ですもんね。週刊誌だって、「朝日ジャーナル」はないですもんね。

    ――そうですね。

    河野 私の学生の頃なんて、「朝日ジャーナル」を片手に抱えたら女の子にモテる、という時代でした。インテリとみなされて(笑)

    安倍晋三さんかな。よく勉強されてますよ」

    ――今ではあり得ないですね。「WiLL」などの月刊誌では、河野さんも誌面によく登場されています。色んな方と対談されていますが、印象的な、信頼できる論客はいましたか。

    河野 昔は、岡崎久彦さんとか。ああいう方には教えもいただきました。あと、先般亡くなられた岡本行夫さんとも親しかったんですよ。ただ、岡本さんとは保守観でちょっと違った。どっちかというと昭和20年で線を引かれるほうかと。そこは違ったけれども、とくに9・11後は同志みたいなものだったですからね。

    ――戦前の全否定はよくなくて、もう少し連続して捉えなきゃいけない……。どういった方の本を読んで、そういう歴史観をお持ちになられたのでしょうか。

    河野 それはもう総合的に。

    ――そうすると、現在では「この人」と強く信頼している論客はいないということでしょうか。

    河野 安倍晋三さんかな。よく勉強されてますよ。

    ――なるほど。ちなみに、対談された論客のなかに、吉木誉絵さんがいますね。彼女は、海上自衛隊幹部学校の客員研究員を2年ほどしています。それに関して、内局や防衛大学校から「この人は適任なのか。本当に専門性があるのか」という意見が出たという報道もありましたが、それはご存知でしたか。

    幹部学校に招かれるのは“保守系”ばかり?

    河野 いや、その報道は知りませんでした。

    ――海自の幹部学校は、櫻井よしこさんなどが頻繁に招かれて、講演しています。そうした人選が保守系に偏りすぎではないかという声もあります。それについてはどうお考えですか。

    河野 私が学生の頃は、政党の話を聞くという授業があって、そのときは共産党とか、社会党の人も来たと思いますよ。

    ――そうですか。今はそんなことはないですよね。

    河野 今はわかりませんが、場合によっては向こうが断わることもあるのかもしれません。ただ、われわれも自衛官として育ってきているので、端的に言えば保守系の人が多いんです。そう考えると、幹部学校ではちょっと違った意見を聞かせたほうがいいんじゃないか、というベクトルは働くはずなんですけどね。そこで意見を交わす訓練をしたほうがいいと、私は思います。

    政権の安全保障政策

    ――次に、今の政治状況についても伺いたいです。まず、国内では菅政権に変わりましたが、安全保障の面では安倍政権を継承していると見てらっしゃいますか。

    河野 ご本人もそう仰っていますよね。だから、そこはそのように見るべきじゃないかと思います。

    ――ご覧になっていて、大きく変わった点などはないでしょうか。

    河野 違う人間ですから、おそらくスタイルは違うと思います。ただ、今の政軍関係はある種、安倍総理パーソナリティによってこういう形になっているので、それを「安倍総理だったから」とはせずに、国家のシステムとしてちゃんと定着させてほしいなと思います。

    ――一方、アメリカでは大統領バイデンさんに代わります。副大統領時代のバイデンさんとは、2015年にお会いされていますよね。

    河野 会ってますよ。

    トラブル続きだったバイデン氏との初会合

    ――バイデンさんはどういう方なんでしょうか。

    河野 2015年の7月かな。アメリカへ公式訪問に行ったときに、バイデン大統領とお会いすることになりまして。そのとき私は、ノースカロライナ海兵隊基地を見学していたんですよ。そこから軍用機でワシントンに行って、バイデンさんとお会いするという、こういう手筈でした。ところがこの飛行機が故障しちゃって、「申し訳ない、予備機を呼び寄せるから待ってくれ」と言われて。相手は副大統領ですからね、こうして時間がずれてしまっては、残念ながらもうキャンセルだと思ったんですよ。

     すると、いやいや、待ってるから来いというわけです。それでワシントンから予備機が来て、それに乗ってアンドリュース(ワシントンに最も近い空軍基地)に着きました。ところが、今度はオバマ大統領が国内出張をする時間にバッタリ重なってしまって。オバマ大統領飛行機が離陸するまでは、セキュリティの関係で1人たりとも機外に出ちゃいかんと言われたんです。これはもう、さすがにダメだろうと思ったんですが、バイデンさんはそれでもまだ待ってると言うんですよ。

    「あなたに会うことが、中国に対する強いメッセージになる」

    河野 で、ホワイトハウスに直行しました。予定の時間からトータルで2時間ぐらい遅れたのかな。でも、待っててくれまして。しかもそのときのバイデンさんは、確かご長男を亡くした直後なんですよ。それもあって、握手して終わりかなとも思ったんですが、いや、座れと。対面のテーブルで、私と佐々江(賢一郎)大使、バイデン大統領とその補佐官の4人かな。そこからは滔々と日米同盟の重要性、日米関係はどうあるべきか、云々ですよ。それでね、私の記憶に間違いがなければ、バイデンさんはこう言ったんです。「私があなたに会うことが、中国に対する強いメッセージになるんだ」と。

    ――では河野さんとしては、バイデンさんは見識のしっかりされている方だなという印象ですか。

    河野 私はそう思いました。少なくとも日米同盟に関しては。

    ――現在の保守論壇では、バイデンさんは日米関係にとっては良くない、トランプ時代のほうが良かったんだという意見が強いようにも見えるんですが。

    河野 あくまで私の個人的体験ですけどね。でも、日米同盟がどうでもよければ、別にキャンセルしたっていいじゃないですか。

    ――バイデンさんはかなり日米同盟を重視されていると?

    河野 そう思います。

    後輩の自衛官たちへ“贈る言葉

    ――最後に、後輩の自衛官たちに対して、ひと言いただければと思います。今後は、河野さんが経験されたような不遇の時代は知らずに、国民に支持された自衛隊しか知らない方々が入ってくることになると思いますが。

    河野 そうですね。これは離任の辞でも申し上げましたが、やっぱり本当に厳しい時代があったんですよ。それを絶対忘れちゃいけませんね。この30年にわたる、ペルシャ湾を皮切りにした積み重ねの上に、先輩たちが培ってきた歴史の上に、「国民の9割が支持」という数字はあると思っていまして。それは元をただせば、国民にとって顔がわかる自衛隊員でなければならないということなんです。国民と自衛隊の距離が縮まれば、絶対に信頼していただけると思うので。

     そして、ここまで自衛隊が歩んできた道は、絶対に間違っていなかった。だからこの道を、自信を持って進んでもらいたい。ただし、「築城十年落城一日」という言葉があるように、営々と積み上げられた信頼も、一瞬にして崩れ去ることがあります。そこは心して前に進んでほしいということを、離任の辞では申し上げました。まさに、それが後輩に残したい言葉ですね。

    写真=末永裕樹/文藝春秋

    (辻田 真佐憲)

    河野克俊さん


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【前自衛隊トップが目撃した“バイデン氏の対中戦略”「5年前、ホワイトハウスで言われたのは…」】の続きを読む



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    目的がある。

    (北村 淳:軍事社会学者)

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     防衛省は、「スタンドオフミサイル」の開発を決定した。日本政府の説明によるとスタンドオフミサイルとは、日本を攻撃しようとしている敵のミサイル射程圏外から、自衛隊員がそれらの敵を攻撃することができる兵器である。要するに、“長距離巡航ミサイル”のことを意味している。

     時を同じくしてアメリカでは、海兵隊総司令官が48セットBGM-109G長距離巡航ミサイル(およそ30年前まで運用されていた核搭載型と
    は一線を画した非核弾頭搭載型の新規開発モデル)の予算を請求している。海兵隊によると、BGM-109Gすなわち地上発射型トマホーク長距離巡航ミサイルは、「日本に前方展開している部隊をはじめとする海兵隊が、アメリカの主仮想敵となった中国軍と対決するために必要としている」兵器ということになる。

     強力な中国軍事力と対峙している日米両軍が長距離巡航ミサイルを調達しようとしているわけだ。ただし両国にとって中国軍事力と対峙する意味合いは異なり、長距離巡航ミサイルの配備目的も大いに異なる。

    バーガー司令官が進める“革命的”大改革

     トランプ政権がアメリカの国防戦略を大転換し、アメリカの主たる仮想敵の筆頭を中国、続いてロシアと設定したため、軍当局はそれぞれの基本戦略や組織編成それに装備調達方針などを大幅に変更し始めた。

     海兵隊でも総司令官デイビッド・バーガー大将が陣頭指揮を執り、戦略・組織・装備の抜本的改革を進めている。

     この大改革を一言で言うならば、水陸両用能力という機動力に秀でた海兵隊の特性を生かして、中国との対決に勝利するための“革命的”大改革ということになる。

     中国との間で想定される戦闘では、これまで海兵隊が“表看板”に掲げてきた強襲上陸作戦は不可能である。この意味では、在沖縄海兵隊は、現状では対中抑止にはなっていない(参考:『沖縄のアメリカ海兵隊は抑止力にはならない』)。

     そこでバーガー総司令官が採用した方針の1つは、地対艦攻撃兵器(長射程ロケット砲や地対艦ミサイル)を装備した海兵隊部隊が、第一列島線(九州~南西諸島~台湾~フィリピン諸島~ボルネオ島)上に緊急展開して、地上から東シナ海や南シナ海の中国艦艇を攻撃する態勢を固めて、中国艦隊の接近を阻止する方針である。

     海兵隊はこのような任務を遂行する部隊の編成を進めており、これまで保有していなかった地対艦攻撃兵器の調達を開始した(その反対に、戦車部隊は全廃されることとなり、近い将来には海兵隊から戦車が消滅することになっている)。

     こうした接近阻止戦略は、敵艦艇が接近してくるのを待ち受けて反撃するという受動的防衛策、日本的に言うと専守防衛策ということになる。逆に言うと、敵が迫ってこなければ何もできない防衛策である(参考:『トランプと自衛隊の対中軍事戦略講談社α新書参照)。

     ところが、アメリカの軍事戦略は伝統的に「攻撃は最大の防御」であって、専守防衛的な接近阻止態勢にとどまることはしない。

     万が一にもアメリカが中国との戦闘に踏み切った場合には、アメリカの先鋒部隊である第一列島線上に緊急展開した海兵隊が、中国艦隊の接近を待って長射程ロケットや地対艦ミサイルで応戦する以前に、BGM-109Gを発射して中国本土の戦略要地を叩き潰す作戦を実行することになる。

     この海兵隊による接近阻止用地対艦攻撃兵器の予算は、連邦議会によって承認される見込みであるが、BGM-109Gの予算請求の承認は難航しそうな状況である(この問題についても、稿を改めて論じたい)。

    日本の長距離巡航ミサイルは報復攻撃用

     かねてより長距離巡航ミサイルの必要性を主張していた筆者としては、日本国防当局が開発する長射程ミサイルは、BGM-109Gトマホークミサイルと同等かそれ以上の性能を有するミサイルが望ましいと考えている(参考:『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない講談社α新書)

     同時に日本国防当局に求めたいのは、「スタンドオフミサイル」などという表現を用いてコソコソと装備化を進めるのではなく、「なぜ自衛隊が中国本土や朝鮮半島を攻撃可能な長距離巡航ミサイルを装備する必要があるのか?」を明解に説明して、堂々と開発と調達を進めることである。駆逐艦フリゲートを“護衛艦”、ヘリコプター空母を“ヘリコプター護衛艦”と呼ぶような姑息な手段を用いるべきではない。

     日本が中国本土や朝鮮半島を射程に収める長距離巡航ミサイルを保有する目的は、中国本土を先制的に攻撃しようというアメリカ海兵隊とは全く異なる。日本にとっての目的は、限定的とはいえ報復攻撃力を手にすることによって、対日攻撃を躊躇させる抑止力を自ら手にするためである。

     もし日本が中国、北朝鮮ロシア、韓国といった隣接国に軍事攻撃された場合、「専守防衛」ならびに「アメリカが矛、日本は盾」といった方針の下に整備が進められてきた自衛隊には、効果的な報復攻撃を実施する戦力はほぼ存在しない。それらの隣接国は全て日本全域あるいは大半を射程圏に収めている対地攻撃用長射程ミサイルを運用中だ。そのミサイルを撃ち込まれたとしても、あくまで報復攻撃はアメリカ軍の役割であり、アメリカが代理報復をしてくれない場合には日本は「やられっぱなし」という状態である。

     だが今後、日本が高性能長距離巡航ミサイルを開発して、数百発を配備した場合(同時に自前の衛星測位システムや早期警戒監視衛星網などを整備させる必要もあるが)、いずれかの近隣国が対日軍事攻撃を行った際には、自衛隊はそれらのミサイルで敵の政治軍事的指導部に対するピンポイント報復攻撃を実施して敵の指導神経中枢を麻痺させることが可能になる。もし敵が卑劣にも日本の原発を攻撃した場合には、こちらも敵の原発に対する報復攻撃を敢行できる。

     このような報復攻撃能力は、核報復攻撃能力に比べれば限定的と言わざるを得ない。だが、「やられっぱなし」で、唯一の望みはアメリカによる代理報復攻撃、といった惨めな現状に比べれば、確実に「ある程度の抑止力」を自ら手にすることになる。

     報復攻撃というのは、敵が日本を攻撃しない限り絶対に発動され得ない。ということは、報復攻撃のためのスタンドオフミサイル、すなわち長距離巡航ミサイルは「専守防衛」の原則をも満たしていることにもなるのである。

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    (出典 news.nicovideo.jp)

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    (出典 news.1242.com)


    中国は強硬に出る可能性もありえます。

    1 納豆パスタ ★ :2020/12/24(木) 12:08:20.50

    尖閣と大和堆の警備~ここまで開いてしまった中国と日本の「防衛装備の差」
    ニッポン放送2020-12-22  抜粋
    https://news.1242.com/article/264075

    ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月22日放送)にジャーナリストの有本香が出演。(略)
    ■菅総理が尖閣警備のため大型巡視船を整備したいと述べる(略)
    ■大型巡視船を「整備したい」ではなく、「整備しなくてはいけない」(略)

    ■尖閣を守ることで限界になってしまい、大和堆の対応ができない
    有本)振り返ってみるとこの10年の間に、中国側は尖閣諸島に関しての状況を変えて来ました。
    最初は漁船で来て衝突事故などを起こしたりしていました。
    その後、海警の船が来るようになって接続水域に滞在するようになり、船を大型化させて来ているから、
    波が高いときも来ることができるようになってしまいました。
    そして滞在もできる状況になってしまい、領海域内にいる時間も増え、
    いまや日本の漁船を追いかけるという状況です。
    11月には、中国側が海警法という草案を出しました。
    つまり中国の海警が自分たちの管轄する海だと主張し、
    おかしな船を見つけたら武器使用を許可するということです。
    このように中国側が大きく状況を変えて来ているなかで、
    日本はどうなのかと言うと、船の数だけは向こうと同じ数を揃えているようです。
    これがまたとても負担で、石垣にいる海上保安庁の状況を聞くと、
    4隻の中国船が待機していれば、4隻で行くわけです。
    しかし、その状況をつくるだけで限界になってしまい、それ以上のことをされてしまうとどうにもならない。
    大和堆のほうの対応も十分にできない状況になっているのです。

    ■中国の海警法が通れば海保の船では対抗できない
    有本)さらに先日、海上自衛隊の関係者の方が言っていたのですが、
    「いまの海保の船はペラペラだから」という言い方でした。
    「もし武器使用が許可されて、撃たれるということが起これば沈んでしまいます」ということです。
    そういう状況になって来ているわけですから、日本側の対応が遅すぎますよ。

    飯田)武器使用を許すという法案が出ている状況で、
    先日、王毅外相が来て記者発表したときに、
    日本船のことを「不審船」と言っていましたからね。
    その定義で現場にいる海警の船は、法律が成立すれば射撃をして来る可能性があります。
    そこまでの裏を読むと、あの発言はものすごく恐ろしいですよね。(略)

    ■国会で議論が進まなければ中国のエスカレーションは止められない
    有本)まったく違いますね。すべて既成事実下のシナリオのなかの1つです。
    もちろん日本も海上保安庁の船は増やしていますが、向こうが武器使用を許して来るとなると、
    装備としてまったく不十分です。
    この問題は国会でもっと大きな議論になって先に進むような状況にならなければ、
    中国のエスカレーションは止められないと思います。
    昨日(21日)、たまたま自民党の何人かの議員とお話ししましたが、
    ここのところ、尖閣に関しては党内の部会でもそれほど議論が活発でないそうです。
    安倍政権のときのほうがこのような話は活発にしていたというようなニュアンスでした。
    個々の議員は問題意識を持っているはずです。
    その問題意識を大きな声にして与党内から政府にぶつけて欲しいですね。
    (略)

    ■安全保障庁のようなものを創り、一体化して中国に向かうべき
    飯田)中国は海警といっても、中央軍事委員会の傘下で一体としてやって来ているではないですか。
    ところが日本は、海保は国交省の外局にあって、防衛省があって外務省があって……と。

    有本)おまけに、漁業船の取り締まりは水産庁ですから。丸腰の船ですから、
    海保よりもっと下のレベルになってしまいます。
    本来は、これを一体化しないといけないわけです。
    特に海の安全保障に関しては、EEZまで含めると日本の面積は世界第6位なのです。
    これを取り締まるというところを、ある意味シームレスにするという意味合いで、
    本来は安全保障庁というようなものを創って全部入れるべきですよね。

    飯田)本来は国家安全保障局(NSC)がそれをやらなければいけないですよね。

    有本)それを目指すための指令塔を創ったということだったと思うのですけれども、
    「国家安全保障局だけ創ってOK」となってしまっているのは違いますよね。

    関連
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    漁師が海警に付け回されスマホ撮りした動画と解説
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1608677533/


    【【尖閣】ここまで開いた「防衛装備の差」大和堆お手上げ「日本で王毅が海保を不審船と宣言+海警法改悪」→尖閣の海保へ射撃可能】の続きを読む



    (出典 news.biglobe.ne.jp)


    警戒が必要です。

     尖閣諸島周辺での中国の動きが活発化している。

     今年4月14日尖閣諸島周辺の接続水域に中国当局の船が侵入。そこから8月2日まで、111日連続で尖閣諸島周辺で中国公船が確認された。これは2012年尖閣諸島の国有化以来、最長の連続日数となる。さらに今年5月には中国の警備船が日本の漁船を追いかけ回すという事件があった。同様の動きは7月と10月にもあり、10月には過去最高となる連続57時間39分にわたって中国公船が領海内に留まった。

     今、尖閣で何が起こっているのか――。

     海洋学者として長年尖閣の問題に携わり、現地でのフィールドワークを続けてきた東海大学海洋学部教授・山田吉彦氏が、「文藝春秋12月号のインタビューでその実態を語った。

    中国が仕掛けてきた“罠”

    「中国は尖閣での攻勢において、物量作戦に入りました。船も人員も数で圧倒的に劣っている日本の海上保安庁は、ギリギリのところで踏ん張っている状態です。

     海上保安庁は、2016年から、沖縄地区を管轄する第11管区海上保安本部の石垣海上保安部に600人、巡視船12隻体制からなる尖閣領海警備専従部隊を配置し、尖閣の警備を推進してきました。

     その石垣保安部が、機能不全に陥っているのです。通常は12隻のうち4隻が海に出て、4隻が出動準備、残る4隻は待機となっています。10月中旬に石垣島を訪ねましたが、専従部隊はフル稼働でした。中国の船が大正島と魚釣島に分かれて押し寄せてくるようになったので、広範囲に展開しなければならない。この2島は100キロ以上も離れていて、カバーするのは大変なことです。現在は8隻が海に出て、4隻が出動準備状態。隊員たちは休みなしの状況です。

     さらに中国は、8月に尖閣に出動させるつもりで集めていた船を、日本海に差し向けています。海保は日本海カバーにもリソースを割きたいけれど、尖閣で手一杯――逆に言えば、これが中国の罠なのです」

     これまでを振り返ると、中国の日本に対する“宣戦布告”は、2010年9月7日の「尖閣諸島中国漁船衝突事件」だった。

    「今は最終段階に突入しています」

    「この2010年の事件以来、中国は十分な時間をかけて、サラミを薄く切るように状況を変えてゆく『サラミ戦術』を続けてきました。まずは、一番外側の排他的経済水域まで船を入れて、そこでの滞在時間を延ばしていく。それに日本が慣れっこになったところで、次は最も近い領海に入る――。徐々に既成事実を積み上げることで、有利な立場を得ようとしてきたのです。今は最終段階に突入しています。今後は領海内への侵入が恒常化した状態を作り上げていくつもりでしょう。

     さらに中国は、尖閣諸島で中国海警局が活動している映像を、中国中央電視台CCTV)の国際テレビ放送を通し、世界に向けて積極的に発信しています。この宣伝によって、在日メディアの特派員の中には、尖閣が中国の施政下に置かれていると誤解している人も少なくありません。今後も、尖閣諸島の領海内に中国船が留まることができているというエビデンスを積み上げ、『尖閣は中国の施政下にある』と、世界に向かって発信していくことでしょう」

     中国の勝手な主張に対抗するためにも、日本は尖閣諸島を実効支配しているという根拠を積極的に示していかなければならない。そのためには何が必要なのか――。

     他にも山田氏が、中国が今年に入り活動を活発化させた理由などについて語った「『尖閣奪取』中国に王手をかけられたインタビュー全文は、「文藝春秋12月号及び「文藝春秋digital」に掲載されている。

    (「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年12月号)

    尖閣諸島


    (出典 news.nicovideo.jp)

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    戦争になることもあり得ます。

    (北村 淳:軍事社会学者)

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     日本の主要メディアの報道によると、日本時間の11月12日菅義偉首相と次期大統領就任が確実となりつつあるバイデン前副大統領が電話で会話を交わした際、バイデン氏は「尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象である」と明言したとのことである。

    またも繰り返されたパターン

     国防とりわけ尖閣諸島防衛に関しては、菅首相も歴代政権の悪しき前例から一歩も脱却しようとはしていないようである。

     すなわち、アメリカ政府高官たちに「尖閣諸島は日米安全保障条約第5条の適用範囲である」と明言させ、日本の主要メディアに「アメリカ○○○○○は、アメリカによる日本の防衛義務を定めた日米安保条約第5条が、尖閣諸島に適用されることを確認した」といった報道をさせる。それによって、「尖閣諸島において中国が何らかの形で武力を行使した場合には、アメリカ軍が出動して日本を救援してくれる」というイメージ日本国内に流布させる、というパターンを繰り返しているのである。

     日本の歴代政権にとっての尖閣諸島防衛戦略は、このようなパターンを繰り返すことだけと言っても過言ではない。

    日本に広まっている願望的期待

     昨今の現状はどうあれ、中国によって尖閣諸島が占領されているといった事態がいまだに生じていない限り、日本政府が「尖閣諸島の施政権は日本にある」と公言している以上、第三国間の領土紛争には介入しないことを基本原則としているアメリカ政府(とりわけ国務省や国防総省)としては「尖閣諸島は安保条約第5条の適用対象である」と判断せざるを得ない。したがって、米政府高官たちが日米安保条約と尖閣諸島との関係に触れる際に、「尖閣諸島は安保条約第5条の適用対象である」との立場を表明することは当然である。

     もちろん日本政府は、この事情は百も承知だ。そこで日本政府はアメリカ側にそのような「当然の表明」を述べさせることによって、日米同盟が対中牽制になっているかのごとき印象を日本国内向けに宣伝するのだ。

     そして“仕上げ”は日本メディアの報道である。多くの報道が「日米安保条約第5条はアメリカの日本防衛義務を定めている」と表現してしまっている。そのため、日本社会では「中国が尖閣諸島を占領したり、何らかの形で軍事力を行使した場合には、同盟国アメリカが強力な軍隊を投入して中国軍を追い払い日本を護ってくれる」という願望的期待が広まってしまうのだ。

    米軍人たちの危惧

     本コラムでも幾度か触れたことがあるが、「日米安保条約第5条はアメリカの日本防衛義務を定めている」という表現は正確ではない。この点に関しては、筆者周辺の東アジア戦略環境それに日米安保条約に精通している米軍将校や軍関係法律家たちも、筆者同様に大いに危惧している。

     菅首相とバイデン氏の電話会談のニュースを受けて、日本で「日米安保条約第5条はアメリカの日本防衛義務を定めている」と考えられている状況を是正するために「アメリカ軍や国務省関係の法律家の間では常識とも言える“事実”を日本の人々に理解してもらわねばならない」といった声も寄せられてきている。

    日米安保条約第5条の本当の中身

     日米安保条約第5条からは、尖閣諸島を巡って中国が軍事攻撃を仕掛けた場合、米海軍第7艦隊は直ちに横須賀や佐世保から南西諸島に急行し日本の敵勢力を撃退する、といった解釈が自動的に生ずることは決してありえない。

     日米安保条約第5条が取り決めているのは、このような事態が発生した場合、アメリカ側(国務省、国防総省、太平洋軍司令部など)としてはアメリカ合衆国憲法や各種法令・手続きに従って行動する、ということである。

     具体的には、尖閣周辺で進行中の軍事的状況を分析し、米側としての対処策を討議し、おそらくはホワイトハウスや連邦議会は、「尖閣諸島(という無人岩礁群)での日中間のトラブルに対してアメリカ軍を投入することは、核保有国である中国との軍事衝突の可能性を勘案すると、アメリカとしては価値を認められない」と判断することになるであろう。

     もちろん、日本はアメリカにとり重要な同盟国の1つである。しかし、そうだからといってアメリカとしては、核戦争へとつながりかねない危険を冒してまで、日本の“岩”のために軍隊を投入する価値は見出せない、というのが現実の姿である。

     上記のような解釈は、東アジア情勢ならびに日米安保条約に精通している米軍関係者などに尋ねれば、ごく普通のものであることが容易に理解できるであろう。

     要するに、日本社会に浸透してしまっている「日米安保条約第5条はアメリカによる日本防衛義務を定めたものであり、万が一にも尖閣諸島を巡って日中軍事衝突が発生した場合には、強力なアメリカ軍が中国侵攻部隊を撃退し日本を防衛してくれる」などというシナリオは、日本だけで信じられている手前勝手な都市伝説にすぎないということなのである。

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    尖閣諸島の魚釣島(出典:内閣官房ホームページ)


    (出典 news.nicovideo.jp)

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