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    カテゴリ:政治 > 国防



    どうなるのかな?

     アジアの海で各国の潜水艦戦力強化の動きが活発になっている。2021年9月15日、韓国政府はSLBM潜水艦発射弾道ミサイル)の水中発射実験に成功した。オーストラリア2030~2040年原子力潜水艦を8隻建造し、保有することになった。これらの背景には何があるのか。元海上自衛隊海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授の伊藤俊幸氏に韓国やオーストラリアアメリカの狙い、そして今後の日本の安全保障について伺った。(吉田 典史:ジャーナリスト

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    韓国の弾道ミサイル搭載潜水艦は中国への対抗?

    ──韓国海軍のSLBMの水中発射実験をどのように捉えますか?

    伊藤俊幸氏(以下、敬称略) 弾道ミサイル搭載潜水艦とは、敵の核攻撃に大量報復するため、深海で待機し続ける戦略兵器です。通常の戦闘に使う戦術兵器ではありません。韓国でいえば、例えば北朝鮮ソウル核ミサイルを撃ち込んだ場合に海から反撃報復として弾道ミサイルを打ち返す。核を保有していないので代用品として1トン爆弾を搭載する。つまり、北朝鮮に核攻撃をさせないための抑止力なのです。

     ただし、報道によると3000トン級潜水艦ですから、弾道ミサイルを発射する潜水艦としては小さい。このトン数で口径が広い垂直発射筒を装備すると、船体強度はかなり弱くなる。対潜哨戒機から執拗な追尾をされた場合、回避行動は相当に制限されるでしょう。本来、弾頭ミサイル搭載の潜水艦は1万トン以上の大きさが必要です。

    ──韓国は、北朝鮮核武装を相当に警戒しているのですね。

    伊藤 この潜水艦は、韓国軍北朝鮮核ミサイルへの対抗戦略の核心と位置づける「韓国型3軸体系」に基づく軍事力整備として保有したものです。2019年にこの名称をやめましたが、考え方は今も変えていません。

     1つめの軸は先制攻撃する「キルチェーン」、2つめの軸は「韓国型ミサイル防衛」、3つめの軸は「大量反撃報復」です。

     3軸系を生み出したきっかけは、2013年北朝鮮が行った3回目の核実験です。この時、韓国軍と米軍は、北朝鮮が1トン程度の大きさの核弾頭を保有できるようになったと確信したのです。次の朝鮮戦争は核戦争になると想定し、2015年に新たな「作戦計画5015」を策定しました。米韓合同軍が北朝鮮による核攻撃の兆候を得たならば、30分以内に約700カ所の北の核ミサイル施設を先制攻撃し壊滅させると言われています。この先制攻撃が1つめの軸であり、潜水艦発射弾道ミサイルは3つめの軸の1つの手段です。

     潜水艦からの弾道ミサイル攻撃のベースとなるのが、核抑止理論。米ソ冷戦はアメリカモスクワを、ソ連がワシントン核ミサイルターゲットにしたことから本格化しました。その後、双方の原子力潜水艦核ミサイルを相手国に打ち込むことが可能になりました。この第2攻撃能力を保有した結果、相互確証破壊(MAD)が確立したのです。MADが確立したことで、米ソ間における核兵器は戦術的には「使えない兵器」として軍事専門家の間では位置づけられました。

    「日本への攻撃」の意図はない

    ──日本の軍事専門家の中には、「韓国は日本への攻撃を念頭に攻撃型の潜水艦を保有しようとしている」と見る人もいます。

    伊藤 韓国軍にそのような意図はないと思います。韓国軍は米軍を無視し、独自で戦闘することができません。米韓合同軍ですから、米軍の作戦指揮システムの中でしか動けない。日本を攻撃するなどと言えば米軍は直ちに作戦システム韓国軍が使用できないようにするでしょう。

     むしろ、中国への対抗と捉えるべきです。米軍やアジアの自由主義国家の脅威は、グアムまでを射程内に入れている中国の中距離ミサイルです。米韓は今年(2021年)5月にミサイル指針を撤廃し、「韓国軍弾道ミサイルの射程は800kmまで」としていた制限をなくしました。北朝鮮だけでなく、中国本土を射程に入れた中距離ミサイルの保有を米軍が許可したとみるべきでしょう。

    ──海自も、弾道ミサイル搭載の潜水艦を保有することになるのでしょうか。

    伊藤 日本には高い科学技術があるので、製造することは可能です。ただし、憲法9条がある以上、他国の軍用基地以外にミサイルを撃ち込むことはできない。国民が危機を真剣に認識し、改憲されたうえで抑止力として保有すべしとなれば別ですが、現時点で議論すら全く行われていない。

    なぜオーストラリアは原潜保有を認められたのか

    ──韓国は潜水艦戦力を強化していますが、原子力潜水艦も保有するのでしょうか。

    伊藤 頻繁に燃料棒の交換ができない原潜に原子炉を搭載するためには、高濃度ウランが必要となります。これは核兵器の原料になることから、核拡散防止条約(NPT)によってその移転や保有が厳しく制限されています。

     昨年9月に韓国政府高官がワシントンを訪問し、韓国軍が原潜を持つことを打診しましたが、却下されました。米国の戦略上、今の韓国は持つ必要がないと判断したのです。

    ──一方、報道によると、オーストラリアが米英両国の支援を受けて、2030~2040年原子力潜水艦を8隻建造し、保有することになりました。

    伊藤 インドが原潜を造る際にロシアが許可したように、米国がオーストラリアに許可しました。

    ──なぜ、オーストラリアには許可したのでしょうか。

    伊藤 そもそもなぜ今、原潜なのかと考える必要があります。中国は第1列島線と第2列島線の概念をつくり、第2列島線までの間で米海軍を阻止(A2AD)しようとしています。特に空母キラーと言われるミサイルを使用し、米空母を第1列島線内に入れないようにする。このミサイルを米空母に命中させるためには、レーダーなど目や耳となるセンサーが必要です。米海軍の原潜はA2ADをかいくぐり、それらのセンサーを破壊できるので、原潜の重要性が増しているのです。

     米海軍は西太平洋での拠点である横須賀基地以外に、新たな原潜の拠点を西太平洋地域に求めています。オーストラリアに原潜を保有させれば、補給や修理ができる港湾やドックなど米海軍原潜の拠点が西太平洋地域にもできると考えたのだと思います。中国の中距離ミサイルの射程外にあり、東シナ海や南シナ海に比較的短時間でアクセス可能なオーストラリアを新たな「戦略的拠点」と位置付けたというわけです。

     しかし、問題はあります。オーストラリアの造船会社に原潜の製造ができるのか。保有したとしても、原潜を運用する要員を養成ができるか。米英仏海軍では、原潜の機関長になるためには原子力工学大学院修了レベルの知識・技能が求められます。養成だけで10年以上はかかります。

    日本の原潜保有に立ちはだかるのは、国民の意識

    ──日本が原潜の製造、保有の考えを明確に持ち、米国にそれを認めるように申し出た場合、認められるのでしょうか。

    伊藤 日本が要望すれば、米国はすぐに許可してくれるでしょう。しかし、これまでに日本は米国に求めてきてはいません。アメリカに「原潜を製造し、保有したい」と言おうと思えばできるのに、政治家がそのことをアメリカに表明していないのです。それは、世論に配慮して“自己規制”しているからです。

     日本周辺の任務ならば通常動力型潜水艦でも十分対応できますが、「米海軍とともに中国のA2ADを打破し、中国海軍の太平洋進出に対応してほしい」となれば、原潜は当然必要になります。しかし、現実的に原潜を保有できない難しい理由があるのです。

     1つは原子力船「むつ」の放射能漏れ事故(1974年)によって、「原子力推進機関」という学科が大学からなくなってしまった。1970年代、船舶工学を教える日本の一般大学には「原子力推進機学科」がありましたが、今や「その他の機関」の1つとしてしか扱われていません。

     もう1つの理由は、日本人原子力に対する世論です。広島、長崎の原爆投下(1945年)、東海村の臨界事故(1999年)、東日本大震災発生時の原発事故2011年)と続きました。日本人の核アレルギーは強く、今も原潜や原子力空母の保有を認める世論にはなっていない。原潜は憲法9条を改正しなくとも、保有することは可能なのです。日本政府や国民がその意思を持つか否か、なのです。

    ◎伊藤 俊幸(いとう・としゆき)氏

    1958年生まれ。防衛大学校機械工学科卒、筑波大学大学院修士課程(地域研究)修了。海上自衛隊潜水艦乗りとなる。潜水艦はやしお艦長、在米国日本国大使館防衛駐在官、第二潜水隊司令、海上幕僚監部広報室長、同情報課長、情報本部情報官、海上幕僚監部指揮通信情報部長、海上自衛隊第二術科学校長、統合幕僚学校長海上自衛隊呉地方総監を最後に2015年退官。2016年から金沢工業大学虎ノ門大学院でイノベーションマネジメント研究科教授としてリーダーシップ論を教える。

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  米国も注目する潜水艦技術、日本が直視すべき韓国海軍の快挙

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    突然降って湧いたオーストラリア原潜保有の舞台裏

    北朝鮮の新型対空ミサイル発射で見えた防空能力

    韓国の3000トン級潜水艦「安武」進水式の様子。安武はSLBM垂直発射管を6基搭載する(資料写真、2020年11月10日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)


    (出典 news.nicovideo.jp)

    【日本は原潜を持つべきか?持つことができるのか?】の続きを読む


    国際法に触れないようにして、通過した。

    1 夜のけいちゃん ★ :2021/10/18(月) 23:45:41.39

    10/18(月) 23:41

     防衛省は18日、中国海軍とロシア海軍の軍艦計10隻が同日午後、津軽海峡を通過したと発表した。

     領海侵入はなかった。中ロの艦艇が同時に津軽海峡を通過するのを確認したのは初めてという。

     同省統合幕僚監部によると、確認されたのは中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦など5隻と、ロシア海軍のウダロイI級駆逐艦など5隻。中国軍艦艇の同海峡通過は2017年以来、ロシア軍艦艇は19年以来。

     18日午前8時ごろ、北海道奥尻島の南西約110キロメートルの海域を東進している船団を、海上自衛隊のP3C哨戒機などが発見。警戒監視していたところ、10隻は午後3~4時ごろにかけ津軽海峡を抜け、太平洋へ航行した。中国軍の5隻は11日に対馬海峡を北東に通過していたという。

     津軽海峡は国際海峡に指定され、沿岸から3カイリ以上離れた中央部は公海扱いとなるため、通過に国際法上の問題はない。 

    ソース
    https://news.yahoo.co.jp/articles/9e171af44d2c7beceb91ae66ec0b6cc21b8b895b


    【【防衛】中ロ軍艦が津軽海峡通過 計10隻、同時確認は初 防衛省】の続きを読む


    実際に持てるのかな?

    1 影のたけし軍団 ★ :2021/09/26(日) 11:15:50.26

    自民党総裁選の4候補は26日のフジテレビ番組で原子力やエネルギーに関する政策を議論した。

    原子力潜水艦の保有について河野太郎、高市早苗両氏は検討の必要性を主張した。

    岸田文雄、野田聖子両氏は慎重な姿勢を示した。

    河野氏は「能力的には日本が原子力潜水艦を持つのは非常に大事だ」と話した。
    「母港として受け入れてくれる地域があるかどうか、運用に関する能力やコストが現実的かどうかは検討していかなければいけない」と語った。

    高市氏は「今後の国際環境で最悪のリスクを考えると少し長距離に対応できるものはあってもいいのではないかと思う」と述べた。
    原子力の平和利用を定めた原子力基本法との関係を巡っては「整理が必要だ。憲法違反にはならないと考える」と主張した。

    岸田氏は「日本の安全保障体制を考えた場合にどこまで必要なのかなと思っている」と消極的な姿勢をみせた。
    「秘匿性が求められ長期間勤務につかなければならない。処遇改善、人員の確保をまず優先的に考えるべきだ」と説明した。

    野田氏は「保有するつもりはない。非核三原則を堅持する国だと明確にしたい」と訴えた。
    「すぐに買って使えるような話ではない。国民の合意をしっかりと作っていかないといけない」と説いた。

    原子力潜水艦は従来の潜水艦に比べて速度が速く長距離を移動できるといった利点がある。
    すでに保有する中国への抑止力強化を念頭にオーストラリアが米国などの支援を受けて導入を調整する。

    4氏は「日本も検討すべきか」との質問に答えた。
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA260D10W1A920C2000000/


    【【自衛隊】河野・高市氏、原子力潜水艦保有「検討を」 岸田・野田氏は慎重】の続きを読む


    いつものように挑発している。

    1 マスク着用のお願い ★ :2021/09/12(日) 08:26:29.28

    https://twitter.com/tv_asahi_news/status/1436826276518453250?s=21

    【速報】中国とみられる潜没潜水艦の航行確認 10日奄美大島付近の接続水域で 防衛省

    7:57 2021/09/12
    https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)


    【中国とみられる潜没潜水艦の航行確認 10日奄美大島付近の接続水域で 防衛省】の続きを読む


    中国のこともあるみたいです。

    (数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

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     昨年(2020年)はコロナの影響で1カ月遅れとなりましたが、今年は例年通り8月31日に防衛費の2022年度予算概算要求が公表されました。

     以下では、その防衛予算の概算要求についてレビューしてみたいと思います。

    大幅増額になるのか?

     今年は、事前のインタビューにおいて岸防衛大臣がGDP比1%枠にこだわらないと言っていたことなどから、一部の報道などで大幅増額もあるのではないかと言われていました。まず、大幅増額になるのか否かを見てみたいと思います。

     予算の総額は5.48兆円です。しかし、この概算要求額は、この後の財務省との折衝で削られ、実際に予算化されるのはこれよりも減少します。

     昨年公表された今年(令和3年)の概算要求(上段)と実際の予算(下段)を比べて見ましょう。

     昨年も大幅な増額が要望されるも、実際に予算化された額は微増でした。今年も同様の微増に終わるでしょう。しかも、金額をよく見ていただけば分かるとおり、今年の要求額は昨年の要求額5.49兆円よりも少ないのです。この予算額では、中国をはじめとした東アジアの急速な軍拡の中で埋没する可能性があります。

     ただし、今年の概算要求は少し特殊です。次の項で詳述しますが、実際の予算では、今回の概算要求にいろいろと加えられる可能性があるので、大幅増額となる可能性が残っています。

    考え方の変化と中期防の見直し

     次に、OB自衛官の視点で、他の方はさして注目しないであろう資料冒頭の“考え方”を見てみたいと思います。

     書かれている順序や表現方法の違いはありますが、内容は昨年の概算要求と大差ありません。目新しい表現としては「ゲームチェンジャーとなり得る技術等の研究開発や防衛産業基盤を強化」と記され、アゼルバイジャンアルメニアの紛争で多用され注目を集めたドローンレールガンなど、新たな分野への投資が盛り込まれたくらいです。

     ただし、注意しなければならいないのは、中期防衛力整備計画(以下「中期防」)への言及です。

     昨年の概算要求では「中期防の3年度目として」という表現がありました。中期防およびその元となる防衛計画の大綱(以下「大綱」と記述)は、5年ごとに見直されます。大綱および中期防は年度ごとの短期計画をコントロールする中期計画という位置づけです。この通りならば、今年の概算要求は、大綱および中期防の4年度目の要求ということになります。

     しかし、政府・自民党は、中国の急速な軍拡に鑑み、現在有効となっている大綱と中期防を、早ければ今年中にも前倒して見直す方針としています。つまり、今回の概算要求が実際の予算として認められる前に、その前提であるはずの大綱と中期防が改定される予定なのです。

     ただし、このあと自民党の総裁が替わり、総理大臣も替わります。その上、衆院選があるため、政党の議席数も相当に変わる可能性があり、この大綱と中期防の前倒し見直しが予定通りに進むかどうかは不透明です。

     今回示された概算要求の内容は、例年と同じく一部が削られ、大半が予算化するものと思われます。その上で、もし大綱および中期防が見直しされれば、改定された大綱および中期防で示された重点項目が別途予算に組み込まれてくる可能性が高いだろうと思われます。その結果として、来年度の防衛予算には大幅増額となる余地が残されているのです。

     これ以降は、筆者が注目した部分を見ていきたいと思います。若干、細かい内容になるので、興味のある項目だけ見ていたければと思います。

    ゲーム・チェンジャーとなり得る技術

     考え方の項で新たに言及された「ゲームチェンジャーとなり得る技術」関連の施策を見てみましょう。

    (1)ゲームチェンジャーの早期実用化に資する取り組み

     93億円をかけ、細部不明ながら、何らかのスキームを構築するようです。

     革新的技術は、関連する構成技術も未成熟な場合があります。例えば、ステルス技術の萌芽だったF-117攻撃機は、人間だけで飛ばせることができる飛行機ではありませんでした。それを可能にしたのは、コンピュータによる飛行制御とフライバイワイヤです。

     必ずしも秘匿度の高くない関連する構成技術を民間主体で短期間に獲得することで、ゲームチェンジャーを早期に実用化することを目指すようです。従来の自衛隊には見られなかった発想で、少々意外ですが、本気でゲームチェンジャーの実用化を目指すのであれば必要です。

    (2)高出力マイクロ波(HPM)

     昨年は基礎研究だった高出力マイクロ波(HPM)の実証研究が行われるようです。

     これは、強力な電波を照射することで、ドローンUAV)に動作異常を起こさせるものです。電波の高出力化が難しい上、国内では他の電波利用機器に悪影響を与える可能性も否めません。

     現状では、ホビークラスUAVには対処できるところまで来ています。実証では、偵察用途の軍用小型UAV程度までは、対処できる性能を目指しているようです。

    (3)レールガンの研究

     以前も行っていたレールガンの基礎研究を押し進め、実用化を視野に入れた研究を行います。

     攻撃する目標は、対空を中心に据えているようで、極超音速のミサイルなどを迎撃できる性能を目指すようです。アメリカが研究していたものは、大口径で対地攻撃を考えていましたが、こちらは中口径で対空を狙います。方向としては、こちらの方が正しいように思えます。一応、対艦も視野に入れているようです。

    (4)水中無人機による洋上監視モジュールの研究

     水中無人機(UUV)を使い、通常の潜水艦が潜望鏡などで行っている偵察活動を行うための研究になります。潜望鏡画像から艦艇の種類を判別し、行動を追えるような機能を目指しているようです。

    (5)次期戦闘機に随伴する戦闘支援無人機コンセプトの検討

     次期戦闘機関連として、新たに戦闘支援無人機コンセプトの検討が加えられています。シミュレーションにより、次期戦闘機に随伴・連携する戦闘支援用無人機コンセプトを導出します。

    無人機(ドローン)関連

     無人機関連は、アゼルバイジャンアルメニア間の紛争で多用され、予算が取りやすくなったためか、UAVドローン)を中心に新規案件が一気に増えました。

     UAVからの防護用としては、車両搭載用の探知・迎撃装備の研究がある他、基地警備におけるレーザーシステムの運用要領研究が盛り込まれています。“基地防空”ではないのかと思い、空幕に問い合わせましたが、“基地警備”で間違いないとの回答を得ました。運用要領の研究ということなので、以前から研究されている高出力レーザーではなく、個人運用できるような小型の市販品(といっても官しか買えない特殊装備と思われます)を購入した上で、実地でのテストを行うのだろうと思われます。

     UAVの導入については、攻撃型UAVの運用要領研究、艦艇用滞空型UAVの試験運用、艦載型小型UAVの研究、ミサイル防衛のための滞空型無人機研究、基地警備用の偵察用UAVについての実証研究と、盛りだくさんです。

     ミサイル防衛用滞空型無人機については、従来の弾道ミサイルよりも低高度を飛行する極超音速滑空兵器(HGV)を早期に発見するための手段となります。

     艦艇用UAVについては、彼我ともに海上にあることで地形上ではイコールコンディションであることがUAVの有用性に直結しています。上空にセンサーとしてのUAVが存在するアドバンテージが非常に大きいのです。太平洋戦争当時、空母以外の戦艦などにもフロート付きの航空機を搭載し、偵察を行っていたことに通じています。

     また、海自の新型護衛艦FFMによって機雷処理をおこなうためのUSV(水上無人機)も取得する予定です。

    不足している自衛官

     自衛隊では隊員の不足が伝えられ、人材確保および人材の流出防止施策が重要なはずです。しかし、概算要求では、新規の施策が何点か見受けられるものの、数百万円レベル、せいぜい1000万円レベルの施策であり、どの程度有効かは少々疑問です。

     ただし、これにも関係してくる働き方改革の一環として、勤務時間管理システムを整備する案件が盛り込まれています。自衛官は、有事には24時間連続だろうと勤務しなければならないという建前があるため、今まで残業という概念さえなく、サービス残業が蔓延していることが実態でした。実効性は疑問ですが、勤務時間を管理しようという動きが出てきたようです。

     また、自衛官以外にはあまり興味がない内容と思いますが、栄養摂取基準を見直し、糧食費の充実を図るという案件が出ています。つまり、支給される食事の材料費を上げることで食事が美味しくなるはずです。

    防衛産業基盤の強化

     防衛省は防衛産業基盤の強化を図るため、結構な予算をかけて以下のような各種の施策をスタートさせる模様です。防衛産業大手の一角であったコマツが防衛事業から撤退するなど、防衛費は増大しながらも防衛関連事業から手を引く企業が増えていることから、やっと対策に乗り出した感があります。参考ですが、従来の施策は1億、2億円規模でした。

    ・製造工程の効率化支援制度(9億円)

    ・米軍装備の維持整備事業へ参画するため、米国法令などについての相談体制を整備(4億円)

    ・グローバルサライチェーン進出に向け、米国企業が支援を行う体制を構築(2億円)

     また、自衛隊が使用する装備品の輸出についても、態勢強化が図られます。

    ・維持整備に関する教育支援(2億円)

     その一方で、セキュリティ態勢も強化しないと頓挫することになります。

    サイバーセキュリティ向上のための支援制度(8億円

    ・情報セキュリティの強化(0.5億円)

     また、防衛産業で遅れ気味なデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための調査研究も実施します。(2億円)

    その他の注目施策

    (1)SSAレーザー測距装置

     SSA(宇宙状況監視)用に車両移動可能なレーザー測距装置を189億円で取得します。これは、レーダーだけでは観測精度が不足するため、低軌道衛星の位置をレーザーで観測するための装備です。時折発生する衛星などの落下に際しても、落下位置や落下時刻を正確に割り出すことに役立つでしょう。

    (2)RC-2クルー用電波収集シミュレータ

     珍しい装備として、電波情報収集機(RC-2クルーの訓練用として電波収集シミュレータを取得するようです。電波情報収集機能の高度化とともに要員にも高い能力が求められ、実任務中でなくとも訓練する機材が必要になっているのでしょう。収集機材のマンマシンインターフェイスが良くないのかもしれません。

    (3)JADGE用AIアシスト

     航空自衛隊の指揮統制中枢である自動警戒管制システム(JADGE)の能力向上として、AI機能を付加し、指揮官の状況判断の迅速性および確実性を向上させることになっています。

     もともとは管制を自動化させるためのシステムで、得られた情報の全てを分かりやすく提示していますが、クラウヴィッツが言う“戦場の霧”、つまり作戦・戦闘における不確定要素を見通すことはできません。恐らく、AI機能によって、まだ見えていない目標の存在を推測して表示するなどの機能の実装を目指しているのではないかと思われます。なかなか意欲的です。

    (4)サイバーにおける部外力の活用

     サイバー関連の部外力活用は以前から施策がありますが、もっと部外力を使わないとどうにもならない状況のようです。諸外国での予備役などの活用について調べた上で、我が国の施策を考えるための研究が行われます。

    (5)新規建造艦艇

     新規建造艦艇は、複数ありますが、その中でも注目なのは、海洋観測艦と音響測定艦各1隻の追加建造です。どちらも、潜水艦に備えるための基礎データを収集するための艦艇です。それだけ中国潜水艦の静粛性が増し、捕捉が困難になってきているのでしょう。

    (6)SM-6の取得

     艦艇用装備として、イージスシステム用のミサイルSM-6が取得されることは、注目すべきです。イージスが使用する弾道ミサイル防衛用でないミサイルは、現在のところSM-2ですが、スタンドオフ化が進む対艦ミサイルの迎撃しかできないのが現状です。SM-6の装備により、空対艦ミサイルを発射する航空機にも対処できるようになります。

    (7)F-15の能力向上(事項要求)

     現有戦闘機に関してはF-35AF-35Bの追加取得の他、報じられていたF-15の能力向上が事項要求として盛り込まれています。事項要求というのは、簡単に言えば、やるつもりでいるものの必要な予算額がまだ不明なものです。紆余曲折がありそうですが、これを行わないと、F-15の多くは、今まで相当の改造・維持費用をかけたのに、性能が中途半端で前線に出せない航空機になってしまいます。

    (8)12式地対艦誘導弾の能力向上

     スタンドオフ兵器の開発として、12式地対艦誘導弾の能力向上型を、地上発射型だけでなく、艦艇および航空機からの発射型バリエーションを含めて開発を開始することになっています。

    (9)クルーズミサイル対処SHORAD

     クルーズミサイル対処用として、空自の短SAMと陸自の近SAMの後継を共通化するミサイルの開発が盛り込まれています。

     実はこの案件、昨年も概算要求に盛り込まれながら、予算に入れられなかったものです。後継開発は必要なのですが、筆者としてはかなり疑問に感じている案件です。

    (10)衛生関連

     遅れを指摘する声が大きい衛生関連としては、コロナ対処が契機となり感染症対処能力に関する調査研究が行われる他、原則的に装甲化されていない救急車に応急的な装甲を付与するための研究が行われます。

    (11)災害派遣関連

     災害派遣に有用な各種装備の取得が挙げられています。一部、特筆すべきものだけピックアップしてみました。

    ・資材運搬車の取得(13両)

     装軌式(いわゆるキャタピラ)のダンプです。先日の熱海での土砂災害でも土砂瓦礫の除去に活躍していました。近年頻発する水害・土砂災害用です。

    ・18式個人用防護装備の取得(8500組)

     昨年取得量の約8倍を一気に取得します。化学兵器だけでなく、危険な感染症に対しても使用可能です。こうしたものは十分な数が必要です。

    ・災害用ドローンの整備(15機)

     熱海でも偵察に活躍していました。

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    (出典 news.nicovideo.jp)

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