後手に回ったコロナ対応などで、支持率ジリ貧状態の菅義偉首相。自民党内からも「菅さんで選挙を戦えるのか」といった声も漏れ聞こえるが、この夏、首相のお膝元の市長選も荒れに荒れそうだ。
8月22日投開票の横浜市長選挙。最大の争点とみられているのが、首相肝煎りのカジノを含むIR(統合型リゾート施設)、その横浜誘致の是非だ。
これまでに同市長選では過去最多の9人が立候補を表明。すでに大乱戦の様相を呈している。
「IR賛成」を明確に打ち出している立候補予定者は、現職・林文子市長(75)と、元衆議院議員の福田峰之氏(57)の2人。
一方、「IR反対」を掲げる立候補予定者は数多い。なかでも俄然、注目を集めたのが当時、国家公安委員長という現職閣僚だった小此木八郎氏(56)の出馬表明だ。
「小此木氏の父は通商産業大臣、建設大臣を歴任した大物政治家・故小此木彦三郎氏。首相はこの彦三郎氏の秘書を務め、政治の“いろは”を教わりました。当然、息子とも40年来の付き合い。彦三郎氏の地盤を二人はそれぞれ引き継ぐなど、首相にとってみれば小此木氏はいわば“弟分”。その弟分が、このたびの出馬表明では“IRについては市民の信頼が得られていない”と反対を高らかに宣言し“兄貴”に反旗を翻したというわけです」(地元紙記者)。
他方、以前から「カジノ断固反対」を訴え続けるのが“ハマのドン”こと横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長。この、首相も足を向けて寝られないとされる実力者が、市長選で「全面支援」を約束したのが、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)。山中氏も当然のごとく会見で「IR誘致は断固反対」を宣言した。
「さらに、現職の参議院議員で前神奈川県知事の松沢成文氏(63)、元検察官の弁護士で、市のコンプライアンス顧問を務めていた郷原信郎氏(66)、市議・太田正孝氏(75)、作家で、長野県知事や国会議員も務めた田中康夫氏(65)、水産仲卸会社社長の坪倉良和氏(70)が、それぞれ“IR誘致反対”を掲げ出馬を表明と、候補予定者の頭数だけ見れば『反対』が断然リードしている状況です」(同・地元紙記者)
市が行ったアンケート調査では市民のおよそ6割が反対というIR誘致。さらに横浜のIR計画で事業者の有力候補と目されていたアメリカや香港の企業がコロナ禍で相次いで参入見送りを表明するなど、横浜のIR計画は風前の灯と言えそうだ。
とにもかくにも、青息吐息の菅首相にとって今度の選挙、弱り目に祟り目なんてことにならなければいいが……。
(出典 news.nicovideo.jp)
コメント
コメントする