帰れない事情がある。

今や283万人の在留外国人が暮らす日本。コロナ禍で多くの人々が困窮するなか、外国人が置かれた環境は、さらに過酷なものだった。仕事もできず、帰国もできない…そんな彼らの極貧生活に迫る。今回は、難民申請中で働くことができない実態を取材した。

◆食事は一日1回夕食のみ。もらい物の白米と野菜が頼り

「母国では施術をしてくれるはずだった呪術師からレイプを受けました。そういうことは珍しいことじゃない。初めて日本に来たときは感動しました。安全で自由に歩き回れるから」

 4年前にアフリカの某国から来日したハネリーさん(仮名・32歳)はそう言って涙ぐんでいた。

 日本に来た理由はもう一つある。母国でエステの学校を卒業したハネリーさんには、日本で美容関係の仕事をするのが夢だった。

「日本で黒人向けのメイクを開発してみたいんです。日本語学校と美容学校に通うために、学費を稼ごうと就労ビザを取って清掃の仕事を始めました。毎年、就労ビザを更新していたのですが、3年目に在留ビザの保証人だった勤め先の雇い主が故郷の国に帰国してしまい、保証人も仕事も失いました」

 ビザが切れる前、雇い主に雇用延長を相談すると、「あとで連絡する」と言われた。しかし、連絡がないままビザは切れてしまう。母国は治安が悪化しており、危険で戻れないと考え難民申請をした。

「どうしたらいいかわからず、オーバーステイのまま貯金を崩して生活していました」

◆警察に行ったら逮捕され…

 そんなある日、苦しみを紛らわすために知人の飲食店でお酒を飲みまどろんでいたハネリーさんを3人の日本人が襲い、強姦されかけるという事件が起こる。

「助けを求めるために警察に行ったら、『在留カードを持っていますか?』と聞かれました。持っていないと答えると、保護ではなく逮捕されてしまったんです」

 東京入管に収容され、昨年11月に仮放免となったが、就労許可はなく、現在の収入はゼロ。現金が必要な場合は友人から借りている。

◆毎日フェイスブックを眺めて過ごす

「今は知人の好意でゲストハウスに住まわせてもらっていますが、ここも家賃がかかる。働けずお金もないし、コロナも怖いので毎日フェイスブックを眺めて過ごしています。食事は一日1回夕食のみ。支援者からもらう白米と野菜が頼りです」

 自室の冷蔵庫には乾いてすっかり硬くなってしまった大盛りのご飯と、わずかな野菜が入っていた。

◆帰国したら、見知らぬ人と望まぬ結婚

 自らの命と人生を守るために、難民申請中のハネリーさんだが、日本の難民認定率は平均すると年1%。先進国では異例の狭き門だ。

「家族はコロナが落ち着いたら帰ってきなさいと言うけれど、30歳を過ぎた私は見知らぬ人と望まない結婚をさせられます。本当は日本で夢を叶えて自由に暮らしたいのに、今の生活ではその気力も削がれていきます」

 就労も認められぬまま、難民認定を待つ日々が続く。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[[緊急ルポ]在留外国人の極貧生活]―


アフリカ訛りの英語を話すハネリーさん。この日は自分で作ったドレッドヘアのウィッグをつけていた


(出典 news.nicovideo.jp)