どら息子が

時事通信社

◆菅首相の「長男」問題
 菅義偉首相の長男と彼の勤める企業が、総務省幹部を繰り返し接待していたことが明らかになりました。最初に報じたのは2月4日発売の「週刊文春」で、長期にわたる取材の成果でした。衛星放送関連会社の「東北新社」の社長と統括部長を務める菅首相の長男らが、衛星放送の許認可権を有する総務省の放送関係の幹部を繰り返し接待し、衛星放送事業について話し合っていたことは、その後の国会で、総務省が認めるに至りました。接待を受けていたのは、谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、情報流通行政局の秋本芳徳局長、同局の湯本博信官房審議官です。

 接待をしていた企業が、接待を通じて何らかの利権を手にしていたとの確証はありませんしかしながら、同社が菅首相の総務副大臣の在任中に放送業務の委託を総務省から受け、接待と時を同じくして放送法で定める認定を更新していたことが「週刊文春」によって報じられています。一方、接待を受けていた側の情報流通行政局は、放送法を所管する許認可権限者です。

 接待を受けた総務省幹部の一部が長男と知り合ったのは、菅首相の総務大臣時代でした。菅首相は、1996年衆議院選挙で初当選し、2005年10月小泉純一郎内閣で総務副大臣に任命されました。総務副大臣の時の上司・総務大臣は、竹中平蔵氏でした。2006年9月に誕生した安倍晋三内閣では、当選4回ながら総務大臣として入閣しました。一般的に、自由民主党の「入閣適齢期」は当選5回以上とされるため、抜擢といえます。

 菅首相の長男は、菅首相の総務大臣の時、総務大臣秘書官に任命されていました。大臣秘書官とは特別職の国家公務員で、国家行政組織法第19条で「各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける」職と規定されています。いわば、大臣の特命を受けて、各部局の政策決定にも関与することができるポストです。総務省組織令では定員1名とされています。

 実際の大臣秘書官としての仕事は、別に任命された官僚によって担われますので、誰が任命されても行政の業務に支障をきたしません。一般的には、課室長になる一歩手前の官僚を「大臣秘書官事務取扱」として任命し、行政に関する大臣秘書官の仕事はその人が担います。その官僚も大臣秘書官と呼ばれ、誰も事務取扱と呼びません。現実には、複数の大臣秘書官が存在するわけです。官僚の大臣秘書官については、経済学者の小峰隆夫氏のコラム「大臣秘書官という仕事」が参考になります。

 そのため、大臣が任命する大臣秘書官は、官僚の秘書官と区別するため、政務秘書官としばしば呼ばれます。たいていの場合、政務秘書官には議員事務所の秘書を任命します。大臣になっても国会議員としての職務や党務、選挙対策などがありますので、それらを円滑に進める連絡役としての役割です。また、議員の跡継ぎとして経験を積ませるため、親族を任命する場合もあります。安倍晋三首相は、国会議員になる前、父親である安倍晋太郎外務大臣の政務秘書官をしていました。稀に専門家を任命し、補佐官のように政策形成に関与させる大臣もいますが、ほとんどすべての政務秘書官は行政に関与せず、議員事務所との連絡調整をしています。

◆父親のコネで大臣秘書官、認可先企業に就職
 長男は、大学を出て定職のないとき、総務大臣秘書官に任命されましたが、その目的は不明です。菅首相は子息を跡継ぎにしないと表明していますので、議員になるための経験を積ませるためではありません。「週刊文春」によると、議員事務所の毎週の定例ミーティングに参加していなかったそうですので、議員事務所との連絡調整をしていたわけでもありません。もちろん、専門家ではありませんので、総務省の政策形成に関与する能力もありません。

 父親の総務大臣の退任後、長男は父親の関係で、問題となった企業に入社しました。いわば、総務大臣が、定職のない子息に総務大臣秘書官という特別国家公務員の職を与え、大臣の退任で定職を失った子息に、総務省の許認可を受けている企業に口利きして、再び定職を与えたことになります。

 つまり、この接待問題とは、菅首相の「ドラ息子」と彼を引き受けた企業が、首相の元部下を接待して、許認可に関する話をしていたのです。元総務大臣・首相の息子の声がけでなければ、国家公務員倫理法に抵触する疑いの強い接待を、わざわざコロナ禍の最中に、総務省幹部が受けることはなかったでしょう。明らかになれば、懲戒処分は免れず、人生を棒に振る恐れもあるからです。

◆DX=官僚統制×ドラ息子
 かつてと異なり、現在の公務員が接待三昧の生活を送っていることはありません国家公務員倫理法などのルール整備に加え、報道や住民訴訟などによって実態が明るみに出て、接待を当たり前とする行政の組織文化が変わったからです。地方自治体の幹部職員には、自治会などの懇親会の伴う地域の会合に職務として頻繁に呼ばれる一方、そのたびに5千円などの懇親会費を自腹で払って、100万円単位の多額の支出をしている人がいるくらいです。

 働き方改革ということもあって、企業や利害関係者との意見交換は、平日の昼間に役所の会議室で多数の参加者と共に行うようになっています。飲食を伴わなければ接待を受けようがありませんし、役所の会議室で行えばお土産をもらうこともありません。双方に複数の部下がいて、記録を取っていれば、法令に触れる話もしにくくなります。

 それにもかかわらず、総務省幹部が首相の長男から接待を繰り返し受けたのは、懲戒処分よりも怖いことがあったからです公務員において懲戒処分よりも怖いことは、あり得ないのですが、そうとしか考えられません。

 それは、菅首相の厳しい官僚統制です。菅首相が自らに意見したり、意に沿わなかったりする官僚を厳しく扱うことは、総務省の常識です。総務省の自治税務局長が、菅首相の官房長官時代、菅首相発案の「ふるさと納税」の課題を述べて閑職に飛ばされたのは、典型的な事例です。職務に忠実であっても、意に沿わないだけで飛ばされるならば、逆に菅首相に忠実ならば、多少の懲戒処分を受けても何とかなると思うのは当然です。

◆菅政権の「DX」の正体は……
 一方、有力政治家に近い関係者に対して、政府が優遇することはこれまでも行われてきました。森友学園問題では、安倍首相の妻が名誉校長を務める私立学校に対して国有地を特別に格安で払下げました。加計学園問題では、安倍首相の腹心の友が経営する学校法人に対して特別に規制緩和しました。桜を見る会問題では、安倍首相の支持者が政府主催の親睦会で特別な飲食の提供を受けました。

 菅首相は、厳しい官僚統制によって、有力政治家に近い関係者が、政府から特別な優遇を受ける社会に変化することを加速したのです。それは、安倍首相の時代よりも、さらに強まっていくでしょう。許認可権限や予算執行を担う官僚を意のままにできるからです。

 この菅首相がチャレンジする社会変革は「DX=ドラ息子トランスフォーメーション」です。「ドラ息子」である長男は、有力政治家に近い関係者という人々を象徴する存在です。能力がなくても、経験がなくても、努力しなくても、有力政治家とのコネさえあれば、幸せな生活が送れる社会に変革しつつあります。

自民党は「ドラ息子」政党か
 結党当時の自民党では、大半の議員が親族に国会議員のいない「たたき上げ」でした。初代総裁の鳩山一郎が二世議員であったものの、第二代の石橋湛山、第三代の岸信介、第四代の池田勇人は、政治家の家系ではありません。議員構成は、政党活動を積み重ねて議員となった党人派と、官僚から転身して議員となった官僚派に大きく分かれていました。

 しかし、現在の自民党では親族に国会議員のいる「二世議員」が主流です。菅内閣での自民党所属大臣20人のうち12人が「二世議員」です。この傾向は過去も同じで、2012年12月に成立した第二次安倍内閣においても、安倍首相を含む18人の自民党所属大臣のうち11人が「二世議員」でした。多少の「二世議員」がいても、多数が「二世議員」で占められている政党は他にありません。
 
 「二世議員」であっても、選挙地盤を継がずに議員となった場合は、本人の力と考えられます国会議員になる際、もっとも重要な財産は集票のための組織、すなわち後援会です。それを継いでいなければ、一般的には「親族に国会議員がいたというだけ」の国会議員となります。

 一方、多くの自民党「二世議員」は、親族の培った選挙地盤を引き継いで国会議員になっており、本人の力とはみなし難いのです。本人の資質や能力、経験、努力よりも、担ぎ上げる「御輿」として相応しいから、選挙地盤を引き継ぎ、国会議員になったと考えられます。

 もし、彼ら・彼女ら「二世議員」が、一般の人と同じく国会議員の家に生まれなかったら、はたして国会議員になっていたでしょうか。若くして当選回数を重ねて、大臣や党幹部になっていたでしょうか。安倍晋三さん、甘利明さん、石原伸晃さん、小渕優子さん、竹下亘さん、平井卓也さんたちは、今ごろ何をされていたでしょうか。

 たまたま国会議員の家に生まれるというコネがなければ、資質等の面から国会議員になれなかったのであれば、それは「ドラ息子」です。もう一つの人生を誰も見ることはできませんから、誰が「ドラ息子」に当たるのか、不祥事でその資質等が発覚しない限り、分かりません。それでも、国会議員の親族が国会議員になる率は、異常に高いといえますので、そこには一般の人々と同じくらい、国会議員として不適正な人がいると考えられます。

 要するに、自民党には、かなりの人数の「ドラ息子」が紛れ込んでいる上に、菅首相のように「たたき上げ」も「ドラ息子」を優遇しているならば、コネを大切にする政党となります。「ドラ息子」の「ドラ息子」による「ドラ息子」のための自民党です。

◆ドラ息子トランスフォーメーションか、デモクラシートランスフォーメーションか
 菅首相の「ドラ息子トランスフォーメーション」を推進したい人は、来たる総選挙で与党に投票しましょう。能力はない、努力もしたくない、でも美味しい思いをしたい、自慢できるのは有力者へのコネだけという人にとっては、天国のような社会になるでしょう。

 他方、コネが横行する社会にうんざりする人は、民主主義を発展させる「DX=デモクラシートランスフォーメーション」の担い手になりましょう。本を読み、SNSで異議を唱え、家族や友人と政治について対話し、関心のあるテーマのデモに参加し、政治家に意見を送り、投票に行く。これが「デモクラシートランスフォーメーション」です。

 「ハーバービジネスオンライン」などのメディアで、気になった論考を友人にシェアするのも、有効な「デモクラシートランスフォーメーション」です。気に入った記事があれば、シェアして「デモクラシートランスフォーメーション」を推進しましょう。

<文/田中信一郎>

【田中信一郎】
たなかしんいちろう●千葉商科大学准教授、博士(政治学)。著書に著書に『政権交代が必要なのは、総理が嫌いだからじゃない―私たちが人口減少、経済成熟、気候変動に対応するために』(現代書館)、『国会質問制度の研究~質問主意書1890-2007』(日本出版ネットワーク)。また、『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(扶桑社)では法政大の上西充子教授とともに解説を寄せている。国会・行政に関する解説をわかりやすい言葉でツイートしている。Twitter ID/@TanakaShinsyu

時事通信社


(出典 news.nicovideo.jp)

ななな

ななな

赤松口蹄疫とか、昭和の頃から社会党でも世襲だったけどね

どー

どー

仕事できない二世議員がいるくらいで日本が滅ぶなら民主党政権時代にとっくに国体が崩壊してるでしょ

講タロー

講タロー

ドラ息子トランスフォーメーション?あの頭大丈夫?何だその漫画のコマにあった台詞をそのまま持ってきたような謎フレーズは?

UE

UE

能力はない、努力もしたくない、でも美味しい思いをしたい、自慢できるのは有力者へのコネだけという人にとっては、天国のような社会になるでしょう。って権威主義大好きな夜盗とその支持層の話?www

あはははは

あはははは

これって生まれで差別してるよな?お前らが大嫌いなヘイトスピーチだよな?ひどい言葉ズラズラ並べて、最低だと思わないのか?

トージ

トージ

妙な言葉作るなよ。盛大に滑ってるぞ

ラピスラズリ

ラピスラズリ

日本を滅ぼしかけたのは民主党だが、今は立憲にその残党がいっぱいいますよ。もしコロナ中に民主党だったら2、3度滅んでたな。

hinode

hinode

こんな記事ばっかでハーバーに金出して読んでる人って採算獲れるくらい居るのかな?

201609E

201609E

総理の息子は二世議員と関係ないんだが。無関係なことを無理矢理並べた意味不明な記事。 子供の文字数水増し作文かよw