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この時期は大変かもしれません。

 新型コロナウイルスの影響で多くの企業の業績が低迷する中、早期退職者、希望退職者の募集を行う企業が増えています。東京商工リサーチによると、2020年に早期退職者、希望退職者を募集した上場企業は前年比2.6倍増の93社に上り、リーマン・ショック直後の2009年に次ぐ水準となりました。募集企業の半数以上にあたる51社が直近の本決算で赤字だったことから、早期退職、希望退職の募集による「赤字リストラ」は2021年以降も続くと見られます。

 早期退職や希望退職で転職を成功させるには、どうすればよいのでしょうか。対策などについて、転職コンサルタントの瀧本博史さんに聞きました。

まずはキャリアの見直しを

Q.新型コロナウイルスによる業績悪化の影響で、勤務先から早期退職や希望退職をすすめられるケースもあると聞きます。もし、勤務先で早期退職や希望退職の打診を受けた場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

瀧本さん「会社から早期退職や希望退職の打診を受けた場合でも、辞めたくなければやめる必要はありません。労働基準法20条では、使用者(会社)側が解雇するためには、『少なくとも30日前にその予告をしなければならない』、30日前に予告をしない場合は『(使用者は)30日分以上の平均賃金を支払わなければならない』などと定められているからです。

一方、『追い出し部屋(辞めてほしい社員に対して問題にならない程度の圧力をかけ、自主退職を促すために設けられる部署や施設の総称)』への異動を打診された場合は、『自分はリストラ候補になった』と受け入れることが大切です。なぜなら、リストラ候補となった時点で、今後の給料や待遇がよくなる可能性は低く、当然、この先も気持ちよく働ける可能性も低くなるからです。

追い出し部屋への異動を提示されたなら、そこで働きながら自身の能力に合わせた転職先を探し、転職先が決まってから勤務先へ退職の話をしましょう」

Q.では、早期退職や希望退職に応じた人がスムーズに転職先を見つけることはできるのでしょうか。そのためには、日頃からどのような準備が必要なのでしょうか。対策について教えてください。

瀧本さん「会社が倒産すると全従業員が路頭に迷います。そうならないようにするため、全従業員への負担を少なくすべく、一部の従業員に対して行うのが『リストラ』です。リストラという不測の事態がいつ起きても対処できるように、『自分の人生は自分で守る』という気持ちを日頃から持っておくことが大切です。

日頃からできる準備として、(1)いつでも転職できるように人脈づくりに力を入れる(2)自分が行ってきた業務に関連する『手に職』となる資格取得に励む(3)転職サイトなどに登録し、キャリアコンサルタントと相談して自分のキャリアの棚卸しを行い、自分の強みを把握する(4)自分の経歴を生かした『ハイクラス求人』に応募してキャリアアップを図る(5)リモートワークにも対応できるような知識とスキルを身に付けておく――などがあります」

Q.新型コロナウイルスの影響で業績が著しく悪化した業界に在籍している場合、異業種への転職も視野に入れなければならないと思います。異業種への転職は可能なのでしょうか。

瀧本さん「『どんな能力が備わっているか、どんな能力が求められるか』にもよるため、一概に異業種への転職は難しいとは言い切れません。しかし、将来的に訪れるかもしれない『仕事上の苦労』を考えると、自分がその仕事に就いたときのイメージが湧かないような異業種への転職活動は控えた方がいいでしょう。

転職のイメージができたとしても、スムーズに異業種への転職を進めたい場合は、異業種に必要とされる能力を身に付けてから、あるいは受給資格を確認した上で『教育訓練給付金』(一定の条件の下、国の指定を受けた教育訓練講座の受講料などの一部が支給される国の制度)の対象講座を受講して、必要な資格を取得してから転職するのがよいでしょう。

教育訓練給付金の詳細は最寄りのハローワークに問い合わせるか、厚生労働省、またはハローワークインターネットサービスで調べてください」

転職に失敗するケースは?

Q.転職活動を始めたものの「転職先がなかなか見つからない」といったケースもあると聞きます。なぜ、うまくいかないのでしょうか。

瀧本さん「早期退職や希望退職での転職に失敗する人の特徴として、以下のものが挙げられます。

(1)『自分の仕事のやり方にこだわる』『新しいものを受け入れない』
(2)『今の能力の範囲でできる仕事はやるが、自分の能力を超える仕事はやらない』『これは私がやるものではなく、違う人がやるものと勝手に対象者を決めてしまう』などと自分で限界を決めてしまう
(3)『なぜ、私がいまさらそんなことをやらないといけないんだ』『これは自分のやる仕事ではない』などと仕事のより好みをする
(4)『以前の職場ではこうだった』などと前の職場のやり方にこだわったり、過去に勤めていた大企業でのやり方を引き合いに出したりする
(5)自分の過去の成功体験にこだわる

一方、転職に成功する人には、変化を恐れない『柔軟性』が備わっています。

(3)や(4)に該当する失敗例を紹介します。大企業の管理職だった人がリストラされた後、ある中小企業の求人に応募しました。採用面接時に面接官から、『あなたが今まで部下に依頼してきたような仕事も普通に自分でやってもらうことになります。できますか?』と聞かれましたが、過去に50人以下の部署で仕事をしたことがなかったため、結果的にその会社に転職できませんでした。

中小企業大企業と違い、1人でさまざまな仕事を担当しなければなりません。大企業に勤めていた人が中小企業に転職するときは、そのことをしっかり意識する必要があります」

Q.無事に転職できた場合、その職場で長く働くためには、どのような姿勢が求められるのでしょうか。

瀧本さん「新しい職場に早くなじもうとする人はその職場で長く働くことができます。仕事に対しては『やり方が分からなかったら何でもすぐに聞く』という姿勢で臨むのではなく、基本的には(1)まずは、その職場で求められる仕事のやり方を学ぶ(2)学んだやり方を実践する(3)実践してみて分からないことがあったら聞く――という順番で、丁寧に取り組むことを意識しましょう。

長く働くためには言葉遣いに配慮したコミュニケーション能力を持ち、自分のやり方にこだわらず、積極的に学ぶ姿勢と、教えてもらったことをいち早く自分のものにしようとする姿勢を心掛けることが大切です。また、年齢や性差、役職などの人間関係に対して気を遣える人は、その職場の上司や同僚から好まれるようになります」

オトナンサー編集部

転職を成功させるには?


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