非難されてもパチンコ屋に通う若者を直撃「ほかに行く場所ない…」(bizSPA!フレッシュ) - yahoo.co.jp 非難されてもパチンコ屋に通う若者を直撃「ほかに行く場所ない…」(bizSPA!フレッシュ) yahoo.co.jp (出典:yahoo.co.jp) |
コロナでどこにも行けない。これではストレスがたまる。
連日発表される感染者数に右往左往する人がいる一方で、コロナなんてまるで他人事かのように自身の欲望に忠実な行動を取っている人もいる。
「コロナで人気台の撤去が遅れた」
まずは大型店の喫煙所でタバコをふかす男性だ。どんなワケがあるのだろう。「コロナなのにパチンコ屋に来てるワケ? ははっ、俺はむしろコロナに感謝してるくらいだよ」
というと?
「もうすぐ撤去される予定だった機種がコロナ自粛の影響で延期されたんだよ。今のうちに射幸心たっぷりの台で遊んどかなきゃ損でしょ? だから自粛期間からこっちはずっとパチ屋に通ってるよ」
5月14日、警察庁はコロナウイルスによるパチンコ店休業の影響をかんがみて、旧規則機の撤去の延期を発表した。これにより本来は今年中に撤去される予定だった出玉性能が強力な台、つまり波が荒い人気台を打てる期間が半年から1年延びたのだ。
「マジでコロナに感謝だよ(笑)」
「他は知らないけど俺はマジでコロナに感謝だよ(笑)。最近は大勝ちできないショボい新台が発表されてばかりだったからパチンコやめようかと思ってたけど、当分は続けることにしたわ(笑)」
まさかコロナに感謝してる人がいるとは……正直かなり驚きだ。
「マスクしなくても何も言われない」
続いては大量のアクセサリーを身にまとった茶髪のイケメン男性だ。「コロナが気になるかって? いやいや、そんなの気にしてたらパチンコ打ってないよ。まあでも、いまのパチンコ屋はいつ感染しても全然オカシクない状況だね」
入店時に店員からの厳しいチェックがあるのでは?
「たしかに自粛があけたころは厳重にチェックしてたよ。体温測定とか。でも最近は結構テキトーだね。マスクだって入店するときだけ着けておけば、パチンコを打ってる最中は外してても店員は何も言ってこないし。あくまで俺の通ってるホールに限ったことだけど、店側も客側も警戒心は薄くなってるね」
たしかに、飲食店でマスクをはずしてしゃべりながら食事するよりは、パチンコ台に向かうほうが飛沫感染リスクは低いかもしれないが…感染のリスクについてはどう思っている?
「それに感染しても重症化しない(笑)」
「俺は若いから感染しても重症化しないよ。まあ、万が一、感染してもわざわざパチンコ屋に行ってました、なんて保健所にも報告しないでしょ。別に罰則があるわけじゃないんだし」
たしかに彼の言う通り保健所からの聞き取りはあくまで任意である。たとえ虚偽の報告をしても罰則はないのが現状だ。しかし、良心は痛まないのだろうか。
「良心なんてあったら、そもそも今の時期にギャンブルなんかやんないよ(笑)」
緊急事態宣言の解除から数か月。警戒を強めていた時期に比べて、パチンコ店も感染リスクは上がっているのかもしれない。
「パチンコ屋以外に行く場所ないです…」
店内のベンチで座るポロシャツ姿の大柄男性に話を聞く。「正直コロナは怖いですね。僕かなり太ってるので感染したらヤバイかもしれないです…」
それなら、なぜ来店しているのか。
「他に行く場所がないんですよ。ぶっちゃけ依存症ですね。ギャンブル依存。コロナは怖いけど、どうしても我慢できないんです。ちょっと前までは自粛ってことで、どこのホールも閉めてたじゃないですか。そのときは我慢できたんですけど、再開してからタガが外れちゃって……」
今回ホールにいるさまざまな人に声をかけた中で、これと同じように語る人が何人もいた。パチンコ店が閉まっている間は強制的に我慢できていたが、店が開いてしまうと結局、依存症がぶり返してしまい、以前と同じ依存症生活に逆戻りだと言うのだ。
自粛のままが良かった?様々な声
病院で治療を受ける予定は?
「いやいや、今まで家族のススメで何度も通院したんですけど結局無駄でした。そのせいで去年離婚しちゃって独り身ですよ(笑)」
ホール側にすれば営業休止は堪ったもんじゃないだろうが、依存症で悩む人にとっては自粛していたままのほうがよかったかもしれない。
「新台に搭載された『遊タイム』を狙う」
最後はスマホ片手に店内を何周も歩いている長身男性(20代後半・男)に聞こう。「つい最近パチンコに『遊タイム』っていう機能が搭載されてさ。これがメチャクチャ熱いんだよ。確実に勝てるからね」
「遊タイム」とはパチンコにおける「天井」機能。簡単に言えば何度抽選しても当たらない台を救済するために、ある一定の抽選回数(天井)を超えてからは、ほとんど玉を消費することなく抽選を受けることができる、というユーザーにとってはありがたい機能である。
「まだ始まったばかりで導入機種も少ないから、詳しくないジイさんバアさんたちが、天井間際の台なのに帰ったりするわけさ。それをいただけば100%勝てるよ」
「100%勝てる」と断言するワケ
「いまコロナのせいで客足が遠のいてるでしょ? 特に中小規模のホールはガラガラ。だからライバルが少ないわけさ。天井に近い台がフツーに転がってるんだよ」
オススメの台は?
「そりゃ『新・必殺仕置人 TURBO』一択だね。こないだなんか隣のバアさんが捨ててくれた天井スレスレ台を打ってたら、5000円の投資で1万発も出ちゃってさ。30分くらいで3万5000円も儲けちゃって笑いが止まらなかったよ」
コロナの影響下でもパチンコ屋に通う若者たち。無鉄砲に見える彼らの行動にも、それぞれの「ワケ」があったわけだ。
<取材・文/野村竜二>
【野村竜二】
1994年生まれ。月刊誌「裏モノJAPAN」編集部。テレクラからハプバーまで、様々なアングラスポットに文字通り裸一貫で突撃するライター(出典 news.nicovideo.jp)
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