日本の核武装はあり得るか? 米国で専門家が議論
(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
日本は独自の核能力を開発する意図があるのか――つい最近、米国のアジア専門家集団の間でこんな議論が展開され、その内容が公表された。
日本は自国を取り巻く国際安全保障環境が厳しさを増すなか米国と離反することをいとわず、核武装へと向かうのではないか、という仮説が提起されたのだ。
日本にとっての国際情勢は、米国から見てもそれほど危険を感じさせる状況だということだろう。
危機に直面した日本の対応を討論
米国で「日本の核武装はあり得るのか」という疑問が取り沙汰されていることについて、日本側としては「なぜ、いま?」と当惑することだろう。だが、米国でこの問題をめぐる討論の舞台となったのは、ワシントンで最も伝統があり、最も規模の大きい民間研究機関のブルッキングス研究所である。しかもその討論に参加したのは、実績があり米国で名前を知られた官民の専門家や学者だった。
ブルッキングス研究所は10月下旬、「パワー大競合時代の日本」と題する報告書を公表した。執筆者は、同研究所副所長で外交政策部長のブルース・ジョーンズ氏を中心とした7人のブルッキングス所属の研究員である。いずれも中国、日本、東アジアなどの専門家だ。
彼らは、東アジアで米国にとって最重要の同盟国とされる日本が、中国や朝鮮半島などの変化に対してどんな対外戦略をとるのかを、長時間討論した。その討論の記録をまとめたのが、報告書「パワー大競合時代の日本」である。
ブルッキングスといえば、ワシントンに数ある民間のシンクタンクのなかでも伝統的に民主党寄り、リベラル系の機関である。研究所としての基本スタンスも民主党リベラルに傾斜している。研究所に集まる研究者、学者、元政府高官、元軍人らもほぼ全員が民主党政権支持を明確にしてきた。だから共和党保守のトランプ政権には批判的な傾向が強い。
そのブルッキング研究所がこの時点で日本の安全保障について論じるのは、日本にとっての国際環境がかつてなく厳しいと見ているからだ。報告書の作成にあたったジョーンズ氏は、日本にとっての安保上の脅威や危険、不安定の要因として以下の諸点を挙げていた。
・中国の軍拡と対外的な軍事的攻勢
・中国の武装艦艇の尖閣諸島海域への侵入
・米国の対中攻勢による緊張の高まり
・北朝鮮の核兵器とミサイルの脅威
・日本と韓国の対立
・トランプ政権の一貫しない対日防衛政策、対アジア政策
以上のような要因により危機に直面した日本が、自国防衛のため、さらには対外戦略としてどんな対応を示すのかを探るのが、討論の主目的だった。トランプ政権の政策を日本にとっての脅威や不安定の要因として挙げるのは、いかにも民主党寄りの専門家たちらしい認識だと言えるだろう。
日本は核武装するのか?専門家の見方
さて、その7人による討論のなかに、「日本の核オプション(選択肢)は?」と題された章があった。
問題を提起したのはジョーンズ氏だ。同氏は「さあ、こうした情勢下の日本は独自の核兵器能力を開発する必要性をどのように感じているだろうか」と問いかけた。その背後に、日本にとってこれだけ安保上の危機や脅威が高まると、自主防衛や、極端な場合、核武装という手段を考え始めても不自然ではない、という推定があることは明白だった。
この問いに対する討論参加者たちの発言を紹介しよう。
◎マイケル・オハンロン氏(日米同盟やアジア安全保障の専門家)
「日本にとって、核兵器保有の決定を下すにはまだ時期尚早だと思う。しかし日本では核武装について会議で語り、論文で論じることはこれまでのような禁断ではなくなったと言える。日本がその方向に実際に動くのは、まだ遠い先のことだろう。ただし日本がいったん核武装の決定を下せば、きわめて早くそれを実行できるだろう。核兵器の拡散を心配する側にとっては慰めにならない状況だと言える」
◎ミレヤ・ソリス氏(日本研究学者)
「日本では、(アメリカに)自国が放棄されるのではないかという懸念が高まっている。トランプ政権が北朝鮮の核兵器保有や短距離ミサイル能力保持を完全に認めてしまい、日本の根幹の安全保障が脅かされるのではないか、という恐れが日本にはある。核兵器保有の選択をめぐる論議も、それに伴い広がる可能性がある。
しかし安倍晋三首相は日本の非核三原則には変化はないと言明し続けている。日本全体としても、現在は核武装に進むことによるマイナスはプラスをはるかに上回ると考えているようだ。日本の核武装はアジアに軍拡競争をもたらすだろう。しかも日本国民の意見は反核が強く、原子力の平和利用にも反対の立場の人たちが多数いる。まして核兵器を配備して他国に照準を合わせるという計画を受け入れる国民は少ないだろう」
◎アダム・リフ氏(日中安保関係の専門家)
「日本の(被爆国という)歴史の重みを考えると、独自の核兵器保有という道は、たとえ戦略的論理がその必要性を認めていても、きわめて難しいと思う。最近の日本では、核武装の必要性を説く戦略的議論が登場してきた。だが、現状を完全に激変させる一大危機が突然起きたような場合でなければ、核のオプションを選ぶことは難しいだろう。
安倍政権は2012年以来、安全保障面で重要な政策をいくつも採択し、自衛隊を徐々に強化してきた。だが核兵器の開発となると次元は異なる。自衛隊の強化とは根本的に異なる、きわめて政治的な範疇の政策となる。
日本の核兵器への反応は、韓国のそれと比べると興味深い。両国ともに北朝鮮の核兵器の脅威に直面しているが、それぞれの国民の核に対する態度はまるで異なるのだ」
こうした米国の専門家たちの発言は、いずれも、近い将来に日本が核武装する可能性はないという判断を示している。だが、それでもこうした議論が同盟国の米国で真剣に展開されるという現実は、日本側としても知っておくべきだろう。
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(出典 news.nicovideo.jp)
sky 日米安保が日本をどこまで守ってくれるのかが焦点じゃない?日本が核を持っても持たなくてもアメリカが報復するなら核を持つ意味は薄い。持とうと思えば直ぐに作れる位の技術は持ってるんだろうし、意味無い気がするけどなぁ。原発を止めようとする人らは日本から核の原料を無くそうとしてる人らなんじゃないの?あとは放射脳とかかな。 |
はるちか 隣に中国とロシアと北朝鮮とついでに韓国があって、太平洋に蓋をしている状態だからね。核を落とされた唯一の国が日本だし、世界の最前戦と言っても過言ではないし、北の弾道ミサイルが飛び交っていて、了解領空侵犯されまくり、北の不審船が上陸しまくっているし、内部には国民の声になりすました変なのがいるし、無いとは言い切れない。でもまずは防衛とか迎撃の話だね |
マツ 日米安全保障条約がある限りはいらぬリスクを負うべきではない、確かに我が国が核攻撃を受けたとしても相手国に対し米国が核攻撃する保証はない、しかしその逆もしかりでありそれが抑止力として機能している、また地政学的見地から日米同盟は米国にとって太平洋を抑えておくための要であり米国が日米同盟を破棄することはないだろう |
tol 日本が核持っても核の傘で守られてれる現状とメリット変わらずデメリットだけ入るから選択の余地は無いんだよなぁ、かわりに米国の政変とかで中国ラブでじゃあ太平洋の半分中国にあげよう! とか言うレベルではっちゃけたら1月以内に核武装できるように準備は必要だけど、流石に中国に裏切られてぶん殴られた中国大好き勢のアメリカ内部勢力も言わんじゃろーしなぁ |
マツ 日米同盟が存在する限り核武装する必要がない、我が国にとって真に必要なことは自主憲法を制定し自衛隊を国防軍に改編し、富裕税を導入し国防費をGDP比4%(16兆3千億円)規模に増額し国防軍の戦力を大幅に強化し自主防衛の体制を築くことだ |
ヨッシー アメリカが米軍基地駐留費負担の増大を言って来たら改憲と同時に考え無くも無い。世界で唯一の被爆国であるからこそ保有を認めるべきだ。現在でもイザと言う時には米国の核兵器を扱える様に筋道は立てておくべき。しかし、アメリカは現実的だな、普段からこういった状況を想定して議論している。日本なら水面下でコソコソしている程度だからな。 |
マツ >tol殿 日本が中露の軍門に下ることになれば太平洋に中露海軍が大挙進出してくることになり、また中露の軍事力と日本の技術力が合わされば米国の安全保障にとって重大な脅威となることは間違いない米国はそれを恐れていると考えます |
tol 米国わりとそこらへんオバマ時代とか中華汚染食らってるところがトップになると盛大にやらかして、トランプさんところみたいな陣営が後始末する歴史あるからまあ9割方大丈夫だろーけどヒラリーが大統領になるとかなると割とヤベー感じではある |
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