このニュースに関して、オンライン化による免許証更新時講習の分かれる意見は分かると思います。違反運転者が罰ゲームのような扱いを受けるのは一理ありますが、一方でオンライン化によって時間と手間を削減できる利点もあると思います。

 運転免許証の更新。これは「更新時講習」とセットである。更新時講習には、あえて悪い言葉を使えば格差がある。優良運転者、一般運転者、違反運転者、初回運転者、高齢運転者。日本に住む大抵の人は、自分が優良運転者か一般運転者かという点を意識しているはずだ。この更新時講習を自宅で受講できる時代が、遂に到来した。

◆「オンライン更新時モデル事業」が4道府県で実施

 読者の皆様は「オンライン更新時講習モデル事業」をご存知だろうか?

 これは北海道京都府千葉県山口県の4道府県で実施されている実証実験プロジェクトで、文字通り更新時講習をオンラインで受講できる仕組みが整備されている。専用サイトにアクセスし、マイナンバーカードを使ってログインする。

 アクセスWindows OSのPC、AndroidスマホiPhoneから可能だが、端末にインカメラカードリーダーが搭載されていなければならないという条件もある。が、マイナンバーカードを読み取ることができるスマホは今時珍しいものではないはずで、この条件は割とあっさりクリアできる人のほうが多いのではないか。

 ただし、オンライン更新時講習を受講できるのは上述の4道府県の公安委員会からの更新連絡書を持っている人で(在住者全てがこれに当てはまるとは限らない)、なおかつマイナンバーカードを所持している人、そして優良運転者か一般運転者に限られる。今年9月までは優良運転者のみ対象だったが、10月から一般運転者もオンライン更新時講習を選択できるようになったのだ。

◆違反運転者は引き続き「免許センターで2時間講習」

 さて、筆者は「逆に言えば」という言葉を文中によく使用する。今回の話題も、まさに「逆に言えば」という内容だ。

 優良運転者と一般運転者は、講習をオンラインで済ませることができる。逆に言えば、違反運転者はマイナンバーカードを持っていても従来型の講習を受けなければならないのだ。ここで、千葉県警察のQ&Aから文章を引用したい。

<以下、「オンライン更新時講習モデル事業に関するよくある質問集-千葉県警察」より引用>
Q9 講習動画の視聴時間は何分ですか?途中で動画を止めても問題ありませんか?

A9 講習動画の時間は、優良運転者講習は30分、一般運転者講習は40分です。講習動画のチャプターごとに確認テストが出題され、その正誤にかかわらず、解説が表示された後に次のチャプターに進むことができます。チャプターの途中で講習動画を停止した場合、一定の時間が経過するとチャプターの最初から視聴になることがありますのでご注意ください。すでに視聴済みのチャプターは、再視聴やスキップが可能です。なお、一般運転者は講習動画視聴後に、運転適性診断(設問回答と解説動画の視聴)を行います。
<以上、引用終わり>

 一般運転者の従来型の講習は1時間で、それが40分になるというだけでも朗報である。しかもその40分は、自宅や職場で過ごすことができる時間だ。ところが違反運転者の場合はモデル事業の対象外、即ち従来型の2時間講習を免許センターで受ける必要がある。これは字面で書く以上に絶大な落差!

 一度でも違反運転者講習を経験した人ならわかるはずだが、講習指導員に「居眠りしたら最初から講習し直してもらいます」などと言われつつ、睡魔と戦う憂鬱な2時間……。前半終了後の中休みで机に突っ伏する人もいるほどだ。

 平和な自宅で過ごす40分と、免許センターで講習指導員と顔を突き合わせる2時間。マイナンバーカードモデル事業で更新時の手間と時間に大きな格差が生まれ、違反運転者向けの講習の“罰ゲーム感”が増しても不思議ではないだろう。

天国と地獄

 このオンライン講習が全国的な制度になったとしても、違反運転者の2時間講習に近代文明の恩恵が与えられる可能性は少ないだろう。

 もちろんこれは、我々個人が常に心がけているべき事柄である。一般運転者と違反運転者の境目は「5年以内に3点以下の軽微な違反を1回行っているか、それ以上行っているか」。最もやってしまいがちな一時停止違反を5年の間に1回であればオンライン、2回以上は実地の2時間講習。これを認識するようになれば、一時停止を面倒くさがるということはなくなるだろう。

 が、ここで誤解のないように断っておかなければならないのは、オンライン講習を済ませたあとは新しい運転免許証を入手するために免許センターに行かなければならないという点だ。

 ただ、このあたりも「マイナンバーカード運転免許証との一体化」という構想の実現で大きく変化するだろう。マイナンバーカードのICチップ運転免許証のデータが紐付けされるということだが、これが実現すると「免許センターに行って新しい運転免許証を受け取る」という行動自体が不要になる。徹頭徹尾自宅にいながら更新手続きを完結できる、という環境がやがて整備されていくはずだ。

 しかし繰り返すが、違反運転者に対して「完全オンライン」の門戸が開かれることはまず考えられない。さらにオンライン組と実地組との間に更新手数料の差が発生すれば(実地組の手数料がより高額に設定されたら)、違反運転者に対して待ち受けるプログラムは「罰ゲーム」を通り越して「懲罰」にすら感じられるかもしれない。

<文/澤田真一>

【参考】
オンライン更新時講習モデル事業に関するよくある質問集-千葉県警察
オンライン更新時講習(優良運転者及び一般運転者)モデル事業の拡大実施について-北海道警察

【澤田真一】
ノンフィクション作家、Webライター1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジーガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログたまには澤田もエンターテイナー

※写真はイメージです。


(出典 news.nicovideo.jp)

ゲスト

ゲスト

まるでというか・・・当然の罰ゲームなんだが。

T-Rex Hi

T-Rex Hi

「グロ鬱映像」から始まらないだけマシじゃないんでしょうか?(ボブは訝しんだ

0C4

0C4

どうせ待ち時間にビデオ見るからオンラインの有難みはないかな。寧ろ時間を持て余す