フィンランドの冬戦争を見れば、スナイパーも必要になってくる。

 ロシア軍によるウクライナでの軍事攻撃が続いている。

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 これまで、戦略的インフラ(軍隊や軍事施設)が主なターゲットだったが、最近になって戦略に変化がみられ、狙われるのが民間のエネルギー施設や通信インフラ、輸送施設へと変わってきた。

 ウクライナ各地では、ロシア軍に攻撃された発電所やインフラ施設の復旧作業に追われており、すでに電力不足も発生している。

 今の時期に広範囲にわたって停電になれば、氷点下の気温に耐えられず、多くの住民がウクライナからヨーロッパ諸国に越境することもありうる。

 同問題に精通している米ジャーナリストマイケル・ホイットニー氏によると、「ロシア軍の作戦目的は、戦争を行うウクライナ軍の能力を弱外化させることにある」という。

 さらに「いま攻撃されている電力網、鉄道、燃料輸送施設、指揮統制センターは戦争を早く終わらせるために計画された2段階のファーストフェーズに過ぎない」とのことである。

 ウラジーミル・プーチン氏のファーストフェーズの狙いは、ウクライナエネルギーインフラミサイル攻撃して、大規模な停電を起こすことであるという。

 すでに夜通し続いた攻撃によってウクライナの広範な地域で停電が発生。

 それにより、プーチン氏はウォロディミル・ゼレンスキー大統領が二国間交渉に関与してくると読んでいた。

 しかし、ゼレンスキー氏はあらゆる場面で頑なに外交を拒否し、ロシアと戦う選択をしている。

 この決断は米ワシントンの政府関係者から支持されているためでもある。

 それでも先日のロシア軍による電力発電施設への攻撃により、15基の原子炉を備えた4つの原子力発電所はすべて活動停止へと追い込まれた。

 11月24日の朝、首都キーウは70%以上の家庭が停電に見舞われ、水道も首都の約半分で断水という事態に陥った。

 広範囲にわたる停電が継続されると、必然的に生活に支障がでて、百万単位のウクライナ人がヨーロッパ諸国に避難することもあり得る。

 ウクライナの電力システムの多くはすでに老朽化しており、そこにロシア軍による変電所などへの破壊行為が加わり、市民の生活は困窮してきている。

ウクライナは徐々に石器時代に突入している」という冗談ともいえないことが語られはじめているほどだ。

 プーチン氏が目論むファーストフェーズのインフラの破壊が行われた後は、第2段階としてウクライナの戦力の破壊に力が注がれるという。

 ロシアは約50万人の軍隊を戦略的にウクライナに配備し、遭遇するウクライナ軍を叩き、主要都市を占領していく予定だ。

 ウクライナは隣国ポーランドからの補給線が遮断され、軍隊の機能が低下して、すでに攻撃に対して脆弱になってきている。

 米ダグラス・マクレガー米陸軍大佐(退役)はネット上で次のように述べている。

ロシア軍はいま、ウクライナ郊外に54万人を駐留させている。私の予測では、ロシアウクライナでの戦争を終結させるための攻撃準備に入っている」

 ロシアはそろそろ戦争の幕引きを図ろうとしているというのだ。同大佐はこうも言う。

「54万の兵士のほか、1000ロケットシステム1500台の戦車を含む5000の装甲戦闘車両、そして数百の戦術弾道ミサイルを用意している」

「これを使うことになると、1945年以来、経験したことのなかった規模の戦争になる可能性がある」

 ロシア軍による第2段階の展開がどうなるかは正確には分かりかねるが、軍事サイト「1945」が掲載した記事を読む限り、ウクライナ側の損害は甚大であり、衝撃的といえるほどの結果になりかねない。

 記事の執筆者であるダニエル・L・デイビス氏は元米陸軍中佐で、4回戦闘地域に派遣された経験者だ。

 プーチン氏が全面攻撃を命じれば、大規模な空爆、ミサイル攻撃から始まり、ウクライナの電力網、変電所、燃料貯蔵施設、鉄道基地、通信施設などを完全に破壊することになると言い、ここまではすでに進行中とみなすことができる。

 そうなるとウクライナ空軍の支援が功を奏しなくなり、国内での部隊の移動も困難になり、食糧、水、医薬品、弾薬等の補給能力も著しく低下することになる。

 キーウが戦闘部隊への補給を優先すれば、市民は凍死したり食糧不足に陥る可能性が高まり、ウクライナは不利な状況に追い込まれる。

 デイビス氏によると、プーチン氏はいくつかの方策を考えているという。

 1つは20万人の追加部隊をウクライナに投入し、ポーランド国境からの供給網を遮断。

 ポーランドはこれまでもウクライナに強力な政治的支援を行ってきた。ウクライナは1日に1000トンの支援物資が必要といわれているが、そのほとんどがポーランドから入ってきている。

 2つ目の方策は「大都市を攻撃することが成功につながるわけではない」という内容だ。

 プーチン氏は大都市攻撃の代わりに、生活の基盤となる補給網を断つことに力を注ぎ始めている。

「戦争に勝つために維持しなければならないものを奪うこと」が重要なのだという。

 ウクライナの場合、キーウからポーランド国境に至る西側が第1の攻撃対象になっている。

 ロシアが狙っているのは、ポーランド国境に近いリビウ市周辺への優先攻撃だ。

 さらに東方に位置するスームィ方向への北東攻撃、そして東部ドンバス地方に向けて、現在の攻勢を強化する支援攻撃が3本柱になる。

 デイビス氏によると、ロシアに3方面の補給網を遮断された場合、「キーウが数週間以上戦時作戦を維持することはほぼ不可能になる」という。

 さらにベラルーシ南東部からリビウ市にかけて、ロシアに集中攻撃を仕掛けられた場合、ウクライナ軍にとっては戦略的に最大の脅威となる。

 すでにロシアの戦略家は、ポーランドからの補給網を断たないかぎり、ロシアが戦争に勝つチャンスは低くなることを理解しているという。

 ウクライナでの戦争が、デイビス氏のシナリオ通りに展開されるかどうか分からないが、最終的にゼレンスキー大統領が交渉のテーブルにつかない限り、戦争の終結はみえない。

 1945年以来の本格的な全面戦争が起きた場合、ウクライナは「全滅するかもしれない(annihilated)」という予測もあり、そうならないことを祈るばかりである。

[もっと知りたい!続けてお読みください →]  塹壕で恐怖に怯えるロシア兵、ウクライナの斬進反復攻撃奏功

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ロシアはウクライナのエネルギーインフラへの攻撃に戦略を切り替えた(10月31日、提供:State Emergency Service of Ukraine/ロイター/アフロ)


(出典 news.nicovideo.jp)

ゲスト

ゲスト

ロシアは虫の息で今にもウクライナに負けそうなはずじゃないんか

ゲスト

ゲスト

そりゃあ、ウ内での戦況が好転しただけだからなあ。ロシアに攻め込んでるわけじゃないから、ロシアだって立て直してくるわな。そして、欧米の支援で好き放題やったゼ氏をロシアが許すことはないだろう。ウが勝つには、欧米の徹底的な支援が必要だが、それをやれば全面核戦争になるだろうな。

ニックネーム

ニックネーム

第二次世界大戦で連合国が使った手だろ。ドレスデンブルグとか東京とか生産施設(ピンポイント)の次は労働者(無差別大規模)を狙い最後は国土自体の(原爆使用での)破壊だろ。

ccx

ccx

NATOのモスクワ空爆が刻々と迫っている。

fdsa

fdsa

戦闘で勝てないから民間への無差別テロを始めたロシア。ゼレンスキーが外交を拒否してると書いてるが、ロシアの領土強奪を認めるのは降伏であって外交ではない。無条件撤退を拒否してるプーチンが外交を拒否してるとは絶対に書かない機関紙

SATIE

SATIE

国に体力が有るならその手も有効なんだろうけど、全世界から総スカン食らってる雑魚国家じゃ分の悪いチキンレースにしかならなそう。

CMRY

CMRY

軍は大丈夫だが、ウクライナの普通の人達の命が危ない。これは許されない事だ。ロシアは独立を求める人たちのために兵を出したという建前だったはずだが、やろうとしていることはホロモドールの再現だ。全世界は結束してロシア政権の企てを阻まなければならない。ロシアの良き人々は独裁者を打倒すべく決起せねばならない。

akane

akane

何度でも書くが「ウクライナ側」からの「クリミア半島やウクライナ東部の帰属問題を棚上げ」した上で「和平交渉」をしたいという申し出を蹴飛ばしたのは「ロシア側」やぞ

koromama

koromama

インフラ完全に破壊されてさらに長期戦になったらウクライナの被害が広がるのは確かでしょう。エネルギー問題抱えている欧州がウクライナに電気とかガスとか十分に送れるとも思いませんし。ただ戦争終わらす責任があるのはゼレンスキー大統領じゃなくてプーチン大統領の方です。和平が進まないのはロシアの言うこと聞かないウクライナのせいみたいに言うのはおかしいでしょう。

CMRY

CMRY

核を使うならもっと前だった。今更使っても反攻のきっかけにならない。ロシア軍が民間施設をいくら攻撃しても非道であり戦争犯罪と言うだけで、クリミアまで占拠されて完全な内陸国になるのは避けられそうにない。そうなったら輸出入の為にウクライナに頭を下げなければならないのだから、戦争は終わりだ。いい加減観念しろって話だ。