国土の広さに対して圧倒的に人口が少なく、手つかずの美しい自然が広がるニュージーランドは、1年を通して多くの観光客を魅了している。
2011年夏には、自然の中で過ごす醍醐味をアピールした「フリーダムキャンプ」がスタートし、「Freedom Camping Act 2011」という規定に基づき、キャンプをする際の細かいルールが定められたが、ここにきて問題が発生している。
監視されてないという理由で、トイレ以外の場所で排泄するキャンパーが後を絶たないのだ。キャンピングカーの汚物を捨てていくキャンパーもいる。そこで今年の夏、更なる規定の強化がなされることとなった。
【画像】 自由にキャンプを楽しむ「フリーダムキャンプ」がもたらした問題
2011年にニュージーランドキャンプ協会によって発足された「フリーダムキャンプ」は、国内の至る場所にキャンピングカーで自由に旅をしながら自然を満喫できるもので、国民のみならず外国人観光客もキャンプを楽しむ人が増えた。
ピークは、ちょうど国がコロナで国境を閉鎖する直前の2019年で、政府のデータによると約24万5千人ものキャンパーが記録されており、そのうち9万1千人はニュージーランドの住民だったそうだ。
しかし、フリーダムキャンプを楽しむ人が増えれば増えるほど、ルール違反をする人も増えてくる。
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それらは環境へ悪影響を及ぼすものだ。特に社会問題となっているのは、人気のある観光地で、トイレ以外の場所での排泄物問題だ。
排泄物を垂れ流し、置きっぱなしのキャンパーが続出
ニュージーランドでは、「Self Contained(必要な物が全てそろっている)」と認定されたトイレと汚物タンクが装備されたキャンピングカーであれば、一部の禁止エリアを除き、国内500か所以上での車中泊が認められている。
車載トイレの汚水や使用済みの廃水は、環境を維持するために汚水廃棄場に持ち込んで正しく処理しなければならないのだが、それらを観光地に捨ててしまうキャンパーが続出している。
更に、人気のある観光地の野外で用を足し、排泄物やトイレットペーパーが散らばるという光景が目立ち、キャンプをする人々が非難されている。
国内では、公衆トイレ以外の公共の場で、排便または排尿することは違法とされている。また、キャンプ中は、水路から少なくとも50m離れた場所で排泄を行い、廃棄物は少なくとも15cmの深さに埋められていることを示すよう法律で義務付けられている。
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ところが、「観察されていない」「誰も見ていない」という意識から自然の中で排泄をし、200ニュージーランドドル(約17000円)の罰金を免れる人々がいる。
一部の地方自治体がキャンプをする人々をホットスポットから完全に禁じることを求めるようになり、2020年後半には地元住民と政府、キャンパーたちの間で起こった摩擦がピークに達した。
今夏からより厳しい規則が導入
去年の時点で、スチュアート・ナッシュ観光大臣はフリーダムキャンプへの取り締まりを発表していたが、新たな規則は国境が観光客に再開された後のピーク時期を予定して、今夏に導入されることとなった。
ルールを守らない人に対しては、より厳しい罰金が科せられ、キャンピングカーの駐車場所においても厳しい制限がなされるという。
一方、キャンプ協会は「ニュージーランドにキャンプをしにやってくる旅行者に対して、特定のグループによる“望ましくない慣行”と公共の排泄物問題を結び付け、毎日影響を与えるのは不公平な気がします。大切なのは、“より望ましくない余波”を最小限に抑えることで、旅行者のためのより多くのトイレ設備が最良の長期的な解決策になるのではないでしょうか」と述べている。
References:Call to tighten New Zealand law that allows public pooing if no one watching | New Zealand | The Guardian/ written by Scarlet / edited by / parumo
(出典 news.nicovideo.jp)
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