かなり痛い。

 目の前に大量のお金を積まれて、魔がささない自信はありますか? お金は時として、人の心を狂わせ、人間関係やもめ事などトラブルの元になります。そこで、「bizSPA!フレッシュ」で過去に掲載した記事の中から特に反響の大きかった「お金のやらかし話」にまつわる人気記事を再掲載します(初公開2021年05月10日、情報は掲載当時のものです)。

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 やりたいことがいまいち見つからないという人の中には、福利厚生や給与面に魅かれて入社する会社を選んだ人もいることでしょう。

面接 就活
画像はイメージです(以下同じ)
 誰もが知る大手金融会社の営業職として新卒入社した今野叶さん(仮名・27歳)も、その一人。しかし、今野さんを待ち受けていたのは、自転車操業をしなければ生活できない日々でした。

福利厚生と給与システムに惹かれた

「金融機関に入社したのは、福利厚生と安定した給与システムに惹かれたからです。もともとは全く別の業界に行きたかったんですが、思うように就職活動が進まなかったこともあって、とにかく手探りでした。

 そんな中で、ライフイベントに寄り添った福利厚生制度がある金融系の営業職が魅力的に思えて入社することを決めたんです。さらに、社歴の浅いうちはインセンティブとは別に固定給制度があるのも魅力でした。

 しかも別の業界の初任給と比べても額は多め、1年目からボーナスは年に2度支給。これなら家賃も、奨学金も払えるだろうと入社を決めました

控除額の多さに驚愕…

金欠女子

 初任給で家族に買うものを思い描き、貯金計画を立てるなどの期待に胸を膨らませていた今野さん。しかし、初任給を受け取った時に、その夢はあっけなく崩れていったといいます。

「初年度の給料は25万円プラスインセンティブ。当然、税金が引かれることは分かっていましたが、まさか振り込まれる金額が20万円を割るとは予想外でしたね

 なぜなのか気になって明細を見たら、税金・社会保険とは別に、引かれているものがたくさんありました。組合費のほか、資格試験を受けるための金額やその指定テキスト代、さらには部署で共通で使うお客様へのお土産代まで、予想以上の控除額にさっと血の気が引きました」

 家賃8万円、携帯代などの固定費に2万円、奨学金の返済は月2万円、今野さんの手元に残る額は9万円弱でした

自己負担すべきものが多すぎる

飲み会 お酌

 しかし、今野さんは9万円を自由に使えるわけではなかったそう……。

「手元に残った9万円から、スーツを新しく買ったり、お客様に配るためのクリアファイルや飴などを買わなければいけませんでした。1番納得いかなかったのは、部署主催のお客様を招いて行われる飲み会。なんでもかんでも数値目標が設定される環境だったので、1人あたり何人呼ぶかのノルマが決まっていたんですね。

 でも、自分のお客様を1人呼ぶごとに2000円払わなければならなかったんです。別に飲み会がしたいわけでもないのに、他人の分も支払わなければいけないことが嫌でした。でも、呼ばないと上司に呼び出され、“目標達成をするためにどうするのつもりなのか”と詰められるんです」

 結局、今野さんの手元に残るのは月に2万円程度。そのうち1万円は交通費などの立替金に消え、営業用の携帯代も自己負担だったため、実質、今野さんが使える金額は1万円にも満たなかったそうです

インセンティブは月800円、ボーナスは10万円

 あまりにも少なすぎる給与を見て、今野さんはインセンティブボーナスを1円でも多くもらえるよう努力することに。

「努力した結果、同期内では常にトップ5に入る成績、部署全体で見てもトップ20に入っていました。しかし、いくつかある月の目標、契約数や継続率などで結果を残しても月に入ってくるインセンティブ1000円以下……

 1000万円一括払いの大型契約を取って商標された月のインセンティブ5000円前後でした。さらに『1年目でこんなにもらえる人はいないよ』と言われ渡されたボーナスの金額は10万円。

 基本給のない社歴が長い先輩であれば、もっともらえるそうですが、インセンティブ率の低い1年目の社員は、どんなに大きな契約を取っても大きな金額をもらえることができないと知りました

給料が入るとすぐにATMに…

ATM

「良い成績を残すためには、それなりのお金と時間がかかる。お金と時間をかけなければ、思うような営業活動ができない。成績がほしいと思えば思うほど、自分の手元に残る金額は減っていきました。その結果、月末の引き落とし日に口座残高が足りないということもざらにあったんです

 そう語る今野さんは、給料が入るとすぐにATMに走り、利用可能額を増やす。その利用可能額で月の固定費を支払うを繰り返していたとのこと。さらにはリボ払いにまで手を出し、にっちもさっちもいかなくなってしまい……。結局、家族に泣きついて、転職することを決めたとか

「自分の趣味に使えるお金はほとんどありませんでした。でも、ストレスフルな職業だったから息抜きは必要。利用可能額の上限をフルに使って、旅行やコンサート、エステなどに通う生活が当たり前になっていました。いま思い出しても当時はボロボロでしたね」

「もうあんな生活、経験したくないです」と話す今野さん。現在は今度こそ「福利厚生がしっかりした」会社で、忙しくも充実した日々を過ごしているそうです。

TEXT/於ありさ イラストパウロタスク(@paultaskart)>

【於ありさ】

サンリオと男性アイドルお笑いが好きなライター。さまざまなWEB媒体で、著名人へのインタビュー&執筆を担当している。生粋のオタク気質のため、何事にも深く長くハマりがち。 twitter:@okiarichan27 Instagram:@okiarichan27



(出典 news.nicovideo.jp)